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Windows Live Callボタンを搭載のPC用ヘッドセット「LifeChat ZX-6000」


マイクロソフト初のパソコン用マイク付きワイヤレスヘッドセット「LifeChat ZX-6000」。標準価格は6,510円。対応OSはWindows Vista/XP/XP Media Center Edition/XP Tablet PC Edition
 マイクロソフトの「LifeChat ZX-6000」は、Windows Live メッセンジャーやMSNメッセンジャーなどの同社メッセンジャーソフトとの組み合わせにぴったりなイヤーレシーバーとマイク一体化させたワイヤレスヘッドセットだ。

 マイクロソフトと言えば、マウスやキーボードといったパソコン周辺機器メーカーとしても有名だが、パソコン用のマイク付きヘッドセットとしては、これが最初の製品というから意外である。ただ、同社からは先にXbox 360用のアクセサリーとして「Xbox 360 ワイヤレスヘッドセット」が発売されている。製品紹介ページをご覧いただければわかる通り、外観は瓜ふたつだ。ZX-6000は、これをベースにパソコン用としてリファインされたモデルという可能性が高そうである。

 そのZX-6000は、エルゴノミックデザインを採用したユニークで実用性の高いデザインが特徴。長方形のイヤーレシーバーユニットから細長い可動式のバー状のマイクユニットが伸びており、D字形のイヤーループがまわりを取り囲んでいる。このループ部分を耳たぶの内側にかけ、イヤーレシーバーユニットとの間で耳全体を挟み込むように固定するのだ。イヤーループは全体が柔らかく、弾力のあるソフトなラバーに覆われている上、MとSの2サイズが選べる交換式を採用しているので、ほとんどのユーザーが違和感なく使用できるだろう。

 このタイプのヘッドセットは耳たぶに全重量がかかるため、長時間の使用には不向きかと思っていたのだが、ZX-6000の装着感は自然で、見た目から想像していたほどの負担はなかった。柔軟性のある大きなイヤーループが圧力を分散させてくれるためか、しばらく使っていると耳をつままれているような窮屈さを感じなくなってくるのだ。

 約26gとバッテリを内蔵したワイヤレス機器としては非常に軽く、普通に動き回った程度では外れたりズレたりすることもない。メガネを愛用する筆者としてはイヤーループがフレームの耳にかかる部分と接触してしまう点は気になったが、これはZX-6000に限らず、耳かけ式ヘッドセットでは構造上避けられないので、問題とするに当たらないだろう。


耳の中央にあたる部分はドーム型の柔らかいスポンジパッドで覆われている。オープンエア型なので、装着したままでも周囲の音が聞き取れる
 イヤーレシーバーユニットは、発泡素材でできたクッションで耳の中心部をソフトに覆うオープンエア型だ。インナーイヤー型や密閉型ヘッドフォンとは違い、完全に耳をふさいでしまうことがないので、装着したままでも周囲の音が聞き取れる。音質は人の声がクリアに聞こえるよう、高音域や低音域よりも中音域が重視されているようである。

 もともと片耳だけのモノラルということもあり、本格的な音楽を聴くには少々物足りない面はあるが、Windows Live メッセンジャーでの会話をはじめとして、ストリーミングコンテンツや効果音などを再生するといった用途なら不満を感じることはないだろう。ワイヤレス特有のノイズ感はあるものの、パソコン用のサウンドモニターとしては十分なクォリティと言えそうである。

 イヤーレシーバーユニットの上面、ちょうど耳を覆う部分に大きなダイヤルが配置されている。周囲にあるシルバーの部分は音量を調整するシーソー式のボタンだ。装着した状態で前方に傾けるように押すと音が小さくなり、後方に傾けるように押せば大きくなる。

 中央の黒い部分は「Windows Live Call」ボタン。このボタン1つで音声通話の開始や応答、Windows Live メッセンジャーの起動などをワンタッチで操作できる便利なボタンだ。どちらも耳元へ手を伸ばして手探りで扱うことになるが、サイズが大きく手応えがしっかりしているので素早く確実に操作することができる。


表面には直径20mm以上ある大型のダイヤル。周囲のシルバー部分はシーソー式音量調整ボタン。中央の黒い部分がWindows Live Callボタンだ 付属のドライバソフトで、Windows Live Callボタンによる音声通話とオーディオ再生の切り替えをカスタマイズ可能だ Windows Live Callボタンでは、Windows Liveメッセンジャーの起動や音声通話の開始と終了などを耳元からリモートコントロールできる

 イヤーレシーバーユニットから伸びる、Microsoftロゴが刻み込まれた細長いバー部分にはマイクが内蔵されている。周りの雑音を打ち消し、装着している人の声だけをクリアに伝えるノイズキャンセラー機能搭載だ。全長が5cmほどなので口元ではなく、頬あたりの位置までしか届かないが、機能的に問題がないのは携帯電話などのマイク位置を見ても明らかだろう。

 わずかながら上下左右に角度を調整できるのは、音声を拾いやすくするためと言うより、ユーザーの顔の輪郭に合わせられるようにという配慮ではないだろうか。なお、このマイクユニットの裏側には電源スイッチとグリーンに光る4つのインジケータランプが配置されている。


雑音を軽減するノイズキャンセル機能付きのマイクユニット。バーの長さは5cmほど。わずかながら上下左右に角度を調整できる マイクユニット裏側には電源スイッチと4つのインジケータランプ。このランプの点灯パターンによって充電状態を知らせてくれる SとM、2サイズのイヤーループが付属し、必要に応じて交換できる。イヤーループを除いた本体のサイズは93×28×19mm

ユニット部は約1.5mのケーブルでパソコンのUSBポートに接続する。接続リセットボタンとインジケータランプだけのシンプルなもの
 パソコンのUSBポートに接続するユニット部は、上面にボタンとインジケータランプが1つずつ配置されたシンプルなもの。サイズも約75×45×20mm(縦×横×高)と非常にコンパクトだ。下面に貼り付けられたラベルにはMicrosoft Xbox 360 Wireless Receiver for Windowsと記載されていた。

 このユニットと本体との間は2.4GHzの電波で接続されている。Bluetoothや無線LAN(IEEE 802.11b/g)などで利用される周波数帯で、マイクロソフトのワイヤレスパソコン周辺機器にも2.4GHz無線テクノロジとしても多用されている。

 電波の到達距離は最大約10m。間に金属製の家具などがあれば、もう少し距離は短くなるだろうが、筆者が試してみたところ、壁1枚隔てた隣の部屋程度なら比較的安定した会話が可能だった。ユニットは1.5mほどのケーブルでUSB接続するタイプなので、障害物を避けられるよう設置場所を工夫すれば、スチール製のキャビネットが林立するオフィスなどでも死角をなくすことができるはずである。

 本体の電源は内蔵バッテリによる充電式。トレイなどに載せるのではなく、イヤーレシーバーユニット横にある小さなジャックにACアダプタのプラグを差し込む方式だ。充電の状態はマイクの裏にあるインジケータランプの点灯パターンで確認できる。

 連続動作時間は最大約8時間。ビジネスでもホビーでも、日常的な用途なら必要にして十分な長さだ。バッテリ切れ30分前と5分前に警告のアラームが鳴るので、突然の電源断に悩まされることもない。ただ、ACアダプタ接続中は自動的に電源が切れ、使用できなくなってしまうため、早めの充電を心がけたほうが良いだろう。


ワイヤレスレシーバーの裏側にはMicrosoft Xbox 360 Wireless Receiver for Windowsと記載されたラベルが貼付されていた ACアダプタのケーブルについているプラグは直径2mmほど。ヘッドセット側にある充電用ジャックも非常に小さく、ほとんど目立たない 付属のACアダプタはコンセントに直差しするタイプ。充電時間は明記されていなかったが、長くても数時間前後で完了するようである

 実を言うと、筆者は耳かけ式ヘッドセットが苦手だった。パソコンを使うときはメガネをする習慣があるというのが最大の理由だが、頭が片側だけに引っ張られるような気がするし、耳に合わない製品ではコメカミあたりに痛みを感じることがあったのだ。

 しかし、ZX-6000は、こういった不快さとは無縁だった。装着しているのを忘れるというと大げさだが、違和感のなさではトップクラスに位置するのではないだろうか。かのマイクロソフトが満を持して発売しただけあって、ポイントはしっかり押さえられているようである。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.microsoft.com/japan/hardware/lifechat/zx_6000.mspx
  マイクロソフト ハードウェア製品情報ページ
  http://www.microsoft.com/japan/hardware/default.mspx

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(斉藤成樹)
2007/03/07 11:05
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