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HDDにラジオを長時間録音! PCとも連携可能な「ラジオサーバー VJ-10」
「ラジオサーバー VJ-10」。価格は39,800円から。本体サイズは205×120×89mm(幅×高×奥行)で、重量は約640g。液晶テレビモニタのようなデザインだが、非常にコンパクトにまとめられている
内蔵の37GB HDDには長時間モードで約2,500時間、高音質モードでも630時間以上の録音が可能
オリンパスと言えば、カメラをはじめとした光学機器で有名だが、ICレコーダなどの小型録音機でも定評のあるメーカーだ。今回紹介するアイテムは、オリンパスイメージングが発売した「ラジオサーバー VJ-10」である。
もちろん、ただのラジオではない。ダイレクトエンコーディング機能と大容量のHDDを内蔵しており、外部ストレージに頼ることなく、最大で約2,500時間もの長時間デジタル録音が可能な製品だ。実際には1ファイルのサイズに制限があるのでノンストップというわけにはいかないが、仮に昼夜を問わず録音し続けたとすれば約3カ月半、1日1時間の番組なら、ほぼ7年分の放送を丸ごと保存できる計算だ。
これだけあればストレージの空き容量を気にする必要はないだろう。長期間に渡る語学学習番組をすべて録音してしまっても良いし、今聴いている放送を残しておきたくなったら、即座に録音ボタンを押してしまえば良い。従来のようにリアルタイムではなく、とりあえず録音しておき、必要な部分は後で再生するという、ラジオの聴取スタイルが変わってしまいそうな注目すべきアイテムなのである。
また、ラジオの録音以外にも、大容量を活かした音声コンテンツ用のストレージ兼再生システムとしての活用法が考えられる。USBケーブルでパソコンと接続してファイルをやりとりしたり、あるいはICレコーダと音声データを交換するといったことが可能なのだ。さらに他のオーディオ機器からのライン入力をダイレクトにエンコードして保存することもできる。ラジオサーバーの名にふさわしい機能が詰め込まれていると言って良いだろう。
音声記録はWMA形式。長時間モードで32kbps、標準で64kbps、高音質モードで128kbpsと3種類のビットレートを使い分けられる。再生に関しては32kbpsから192kbpsのWMA形式に加え、8kbpsから320kbpsのMP3形式にも対応する。著作権保護機能もWMA DRM 9に対応しており、他の機器で録り溜めたデータの再生で不便を感じることはなさそうである。
USBポートはスタンドの右側面に2つ装備されている。スライド式のカバーが付いており、ICレコーダとパソコン、どちらか一方を選ぶ方式だ
カバーをスライドさせると右側にあるミニBタイプのUSBポートが現われる。パソコンと接続すれば外部HDDとして認識される
ディスプレイは3.9インチ、バックライト付きのSTNモノクロ液晶。電源を切っている間は時刻と年月日を表示するテーブルクロックに
音声データの再生時には、2点間を繰り返すA-B間再生、速度調整が可能な早聞きと遅聞きが可能。また、任意のポイントにインデックスを付け、ワンタッチで頭出しできるなど、やはり語学学習向けの機能が充実している。かといって、音楽の再生が軽視されているわけではない。ディスプレイ両サイドのスピーカーから出てくる音はバランスの良い非常にクリアなサウンドなのだ。さらに「SRS 3D」と「TruBass」を搭載しており、立体的なステレオ感と迫力ある低音を楽しむことができる。
ラジオサーバーの外観は、まるで小さな液晶テレビモニターのようである。丸みを帯びたスタンドから垂直に立てられたパネルの中央に、モノクロのSTN液晶ドットマトリクスディスプレイ、その両サイドにスピーカーという配置だ。ディスプレイやスピーカーの周辺は金属素材、スタンド部はシルバーメタリックの樹脂素材を採用。また、上面には鏡面のパネルがはめ込まれていて、とても高級感がある。
ボタン類は、スタンド部の前面側に配置。ボタン間のスペースには十分な余裕があり、比較的硬質な手応えがあるので、片手にペンを持ち、メモを取りながらもう一方の手で操作するといった使い方も苦にならない。また、ボタンなどに振られている文字はほとんどが日本語なので幅広いユーザーに対応する。
筆者個人としては、操作しやすい手近な場所に置くと、垂直に配置されたディスプレイを斜め上から覗き込むスタイルになるのが気になった。しかし、バックライトが明るく、十分な視野角が確保されているので、画面が見にくくなることはなかった。多少違和感があっても慣れさえすれば解消されるだろう。
左端の大きな電源ボタンと機能選択ボタンはイルミネーション付き。右に見える6つのボタンは再生時の操作とプリセットの呼び出しを兼ねている
4方向ボタンと中央の「OK」ボタンの組み合わせたわかりやすい操作性。録音ボタンは右端に独立しており、ワンプッシュで放送を保存できる
曜日指定や時刻指定、音質の指定が可能な予約録音は最大20件。目覚ましや指定時間経過後に電源が切れる「おやすみタイマー」も装備
予約録音は最大20件。それぞれ曜日指定や時刻指定できるほか、予約ごとに録音音質を指定できるので、例えば語学学習番組や情報番組は長時間モード、音楽番組などは高音質モードといった使い分けができる。録音した音声データにはラジオ局名に日付と時刻を組み合わせたファイル名が自動的に付けられ、指定したフォルダ内に保存される。
ファイル管理機能は、いわゆる情報家電としては標準的なレベルだ。かな漢字変換機能を搭載しているので、ラジオ局名に年月日と時刻というファイル名を、後からわかりやすい名称に変更することもできる。ただ、大容量のストレージをフル活用し、数多くのファイルを管理するとなると、本体だけでは追い付かなくなる可能性もありそうだ。
従って、文字通りのラジオサーバーとして、語学学習、情報収集、エアチェックなどに利用するのなら問題はないが、外部機器と連携させた音声コンテンツサーバーとして利用するなら、パソコンと接続してファイルを管理するほうが効率的だというのが正直な感想である。
録音した音声ファイルにはラジオ局名、またはLINEなどの文字に年月日と時刻を組み合わせた名称が自動的に付けられる
音声データファイルはフォルダに分類して保存されるが、容量が大きいだけに管理しにくくなることも。できればパソコンと組み合わせて使いたい
ラジオ受信中、ディスプレイにはラジオ局名と周波数、録音音質や保存先フォルダといった情報が表示される
ラジオの受信周波数はAMで531KHzから1,692KHz、FMは76.0MHzから90.0MHz。地域を指定した放送局の自動リストアップ機能を搭載しているほか、AM、FMそれぞれ6局までのプリセットが可能だ。感度は筆者が普段使っているポータブルタイプのラジオに比べると低いように感じられた。これは受信性能が悪いというわけではなく、音の明瞭さを重視したために感度を低く設定しているように思われるという意味である。実際、アンテナの位置をしっかりと調整すれば、驚くほどクリアな音声を楽しむことができるのである。
ちなみに、ラジオサーバーには普通のラジオに内蔵されているようなAM用のバーアンテナがなく、外部アンテナを接続する必要がある。少々疑問に思って調べてみたところ、AMラジオはデジタル部品が出すノイズの影響を受けやすいのだそうである。つまり、ラジオサーバーではノイズ発生源とアンテナを離しておけるよう、あえて分離式を採用したのではないだろうか。このあたりにも音に対するこだわりが感じられる。
ラジオサーバーのパッケージには、AM用のループアンテナとFM用のロッドアンテナ、アンテナ取り付け用の工具、ACアダプタ、ライン入力用ケーブル、USBケーブルが同梱されている。AM放送が入りにくい地域ではオプションとして用意されているループ付きのアンテナを利用すると良いだろう。
販売はオリンパスの直販サイトまたは三省堂書店に限定され、価格はスタンダードモデルが39,800円、「NHKラジオ英会話」の教材を収録したモデルが44,800円。また、同社の語学学習用ICレコーダ「Voice-Trek G-10」とのセットパッケージも用意されていて、こちらはスタンダードモデルが54,800円、教材収録モデルが59,800円となっている。なお、直販サイトでは現在在庫がなく、入荷し次第、順次発送を行なっていくという。
【お詫びと訂正】
初出時、「WMAのDRMには非対応」としておりましたが、実際にはWMA DRM 9に対応しております。お詫びして訂正いたします。
自動登録機能を使えば、受信できるラジオ局が自動的にリストアップされるほか、プリセットに登録することもできる
AMラジオ用のループアンテナとFMラジオ用のロッドアンテナが付属。専用のACアダプタは大柄で、かなりの重量がある
金属メッシュの裏にスピーカーが配置されている。機能的には語学学習などに重点が置かれているようだが、音楽を聴くにも不満のない音質だ
本体後面、右側にはFMアンテナ接続端子とAMアンテナ接続端子のほか、他のアナログオーディオ機器と接続するためのライン入力端子がある
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URL
製品情報
http://olympus-imaging.jp/radioserver/vj10/
オリンパス
http://www.olympus.co.jp/
(斉藤成樹)
2007/04/25 11:02
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