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デザインと使い勝手が両立! スティック型USBハブ3製品


今回使用したUSBハブ3製品。左からシグマA・P・O、サンワサプライ、エレコムの製品で、いずれもバスパワー/セルフパワーの双方に対応している
 一昔前までは「ポート数を増やせれば、とりあえずオーケー」という機能重視の傾向が強かったUSBハブ製品。しかし、ここ数年、デザイン性と使い勝手を両立した製品が続々登場してきている。

 今回はその中から、スティック状の筐体を持つ、スタイリッシュな3シリーズをまとめて紹介しよう。いずれもバスパワー/セルフパワーに両対応しており、HDDをはじめとしたストレージ機器の接続にもピッタリだ。


5つのキューブが連結。サンワサプライ「USB-HUB229」シリーズ

サンワサプライの「USB-HUB229」シリーズ。標準価格は3,969円。パッケージは“シカクなし”のキャッチコピーが目立つ
 サンワサプライの「USB-HUB229」シリーズは、5つのキューブが合体した形状のUSBハブだ。本体色は今回試用したブルーのほか、ブラックとシルバー、ホワイトの合計4色がラインナップされている。

 本体表面はアルミによるヘアライン加工が施され、サイズのわりにはずっしり感がある。筐体はセルフパワー対応のUSBハブとは思えないほどスリムで、机上に置かれていても邪魔にならない。

 アップストリーム側のUSBコネクタ、およびACジャックがいずれも本体端にレイアウトされており、設置時にケーブルがわずらわしくないのも特徴だ。普段はディスプレイの下からひょこっと顔をのぞかせていて、USBメモリを挿す時に手前に引っ張り出す、そんな使い方に適しているだろう。

 注意したいのは、本体を構成する5つのキューブのうち、USBポートが装備されているのは4つだけである点。外見からして5ポートと勘違いしやすいが、実際には4ポートハブである。また、パッケージやメーカーサイトを見る限り、全キューブが360度回転しそうに見えるが、実際に回転するのは先端の2つだけで、かつ、それぞれ180度が上限であり、回転の方向も定められているので、購入の際や実際に利用する場合は取り扱いに気をつけたいところだ。


5つのキューブが連なった筐体だが、手前側3つのキューブ部分は一体化しており、回転はしない。写真はブルーモデルの「USB-HUB229BL」 本体は非常にスリム。机上にずっしりと設置するといったタイプの製品ではない 使用例。先端の2つのキューブは、隣接ポートと干渉しない方向に最大180度回転させられる

ゲルとマグネットでしっかり固定。シグマA・P・O「SHBH7TR」シリーズ

シグマA・P・Oの「SHBH7TR」シリーズ。オープンプライスで、店頭売価は3,980円前後写真はホワイトモデルの「SHBH7TRWH」
 シグマA・P・O システム販売の「SHBH7TR」シリーズは、正三角形の断面を持つUSBハブだ。本体にはマグネットを内蔵しており、スチール面にかんたんに貼り付けることができる。また、粘着ゲルが同梱されており、スチールでない面にも容易に固定できる「二重の固定方式」を採用しているのが特徴となっている。

 コンパクトな筐体でありながら、7ポートものUSBポートを搭載している点は本製品の大きなメリットだ。周辺機器のインターフェイスのほとんどをUSBが占める現状では、一般的な4ポートUSBハブではポート数が不足する場合も多い。7ポートという充実した数があれば、マウスやキーボードなど入力機器から、USBメモリやHDDなどのストレージ類、さらにUSB給電ケーブルの接続など、幅広い用途に本製品1台で十分に対応できることになる。

 ただ、現状のWindowsの仕様においては、装着するUSBポートが異なると、同一機器であってもその都度ドライバインストールが必要になる。日頃使っているUSBメモリをうっかり普段と違うポートに挿し込み、ドライバのインストールが始まってしまった経験を持つ人もいるだろう。ちょっとしたことだが、急いでいる場合などはストレスが溜まる原因になる。

 1つのハブに7ポートが搭載されているということは、そのぶん別のポートに挿し込んでしまう確率も高くなる。そうした意味で、後述のエレコム「これハブ」のように各ポートに番号を振るなり、簡易メモをつけられるシールを添付するなどの工夫がほしいと感じた。

 ポートおよびアップストリーム側のUSBコネクタ、電源コネクタのレイアウトは、先のサンワサプライ「USB-HUB229」と非常によく似ている。USBポートは横1列ではなく、90度回転した状態でレイアウトされているので、隣のポートと干渉することがない。ただ、上下に厚みのあるUSBコネクタについては干渉する可能性があるので注意が必要だ。

 もう1つの注意点として、セルフパワー利用時に、500mAの給電を行なえるのが6ポートまでに限定される点が挙げられる。レアケースではあるとは言え、消費電力の大きな機器を多数接続する場合には注意したほうが良さそうだ。

 なお、今回紹介したホワイトモデルのほか、ブラックモデルもラインナップされている。また、同じデザインの4ポートモデルも存在する。


製品本体。1つ目の面にはUSBハブ、2つ目の面はマグネット、3つ目の面は粘着ゲルを貼り付けるスペースと、それぞれ上手くレイアウトされている 使用例。先端の2ポートのみ間隔が離れてレイアウトされている

耐震ジェルマットに良く似た材質の粘着ゲルが付属しており、机上などに固定するのに役立ちそうだ マグネットでスチール面に固定可能。吸引力はそれほど強いわけではない

コンセントタップそっくりの外観。エレコム「U2H-TAP」シリーズ

エレコムの“これハブ”こと、コンセントタップ型USBハブ「U2H-TAP」シリーズ。写真は集中スイッチなしの4ポートモデル「U2H-TAP1410SWH」で、標準価格は3,150円
 最後に紹介するのはエレコムの「U2H-TAP」シリーズだ。その特徴はなんと言っても、コンセントタップそっくりの外観にある。実際のサイズは2回りほど小さいのだが、写真だけ見るとコンセントタップに他ならない。

 同社では、バスパワー対応のスタンダードモデル「U2H-TAP14B」シリーズをはじめ、集中スイッチが付いた「U2H-TAP34S」シリーズ、また、分岐アダプタに相当する小型ハブもラインナップするなど、コンセントタップライクなハブ製品6シリーズを「これハブ」という名称で展開しており、販売店の店頭でも独特の存在感を示している。

 コンセントタップに形状が似ているメリットとして、PCに詳しくないユーザーであっても使い方が直感的に理解できることが挙げられる。数十年の歴史を持つコンセントタップの“枯れた”デザインをうまく利用し、使いやすさにつなげているというわけだ。こうした発想はこれまでのUSBハブにあまりなく、どちらかというと奇をてらった形状のUSBハブが増えつつある現在、1つのスタンダードとして定着しそうな感がある。

 また、先のシグマA・P・Oの「SHBH7TR」シリーズと同様、コネクタの向きが90度回転した状態でレイアウトされているので、隣ポートとの干渉を気にしなくて済む。うわべだけのデザインではなく、こうしたメリットを考えながら設計されているところには好感が持てる。さらに各ポートの隣には番号がシルク印字されており、USBメモリを挿す場合は1番、ケータイの給電ケーブルは2番、といった具合に識別に役立つだろう。2006年グッドデザイン賞に選ばれただけのことはある、というのが率直な感想だ。

 もっとも、一部のバスパワー/セルフパワー共用モデルにおいてACジャックが側面にレイアウトされているなど、セルフパワーで使う場合には電源ケーブルの取り回しにやや難がある。また、今回紹介した製品の中では唯一、通電状態を表すLEDを搭載していないので、ステータスをLEDの目視で確認する人は、不満があるかもしれない。


本物のコンセントタップ(左)と並べてみたところ。サイズこそ異なるものの、ほぼそっくりな形状だ 本物のコンセントタップと同様、写真のようなタコ足配線は避けたほうが良いだろう 同じ「これハブ」シリーズを並べてみた。集中スイッチつきモデルや、分配アダプタ型のモデルもラインナップされている

どの製品も「スタイリッシュ」と「使い勝手の良さ」を両立

 ここ2~3年、USB給電が可能な携帯電話やPDAの増加、さらにUSB給電の扇風機やライトといったUSBグッズの台頭もあり、USBポートの需要は増すばかりである。最近のPCはUSBポートの搭載数が多くなっているとは言え、数年前のPCを使い続けているユーザーにとっては、ますますUSBポートが不足しがちな状況に陥っているはずだ。

 今回はスティックタイプの製品に絞って紹介したが、モバイル向けの製品や、コンパクトさを重視した製品など、USBハブ売場にはかつてないほどバリエーションに富んだ製品が並んでいる。一昔前のゴツく、使い勝手が良くないUSBハブを使い続けている人は、こうしたスタイリッシュで使い勝手に優れた製品をチョイスしてみるのも良いのではないだろうか。


関連情報

URL
  サンワサプライ 「USB-HUB229」シリーズ製品情報
  http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=USB-HUB229BL&cate=1
  シグマA・P・O 「SHBH7TR」シリーズ製品情報
  http://www.sigma-apo.co.jp/front/products/detail/SHBH7TR
  エレコム 「U2H-TAP」シリーズ製品情報
  http://www.elecom.co.jp/news/200610/u2h/


(山口真弘)
2007/05/16 11:03
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