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パソコンにつないでリカちゃんとテレビ電話を楽しもう!


 2007年5月3日、40回目の11歳を迎えたセレブがいる。その名も「リカちゃん」。そう、40年前から愛され続けている、着せ替え人形の「リカちゃん」である。

 リカちゃんといえば有名なのが1968年10月に開設された「リカちゃん電話」。女の子なら1度は電話をかけたことがあるのではないだろうか。本当にリカちゃんと会話ができるのか? と疑問を持ちながら電話した男性もいるに違いない。

 開設のきっかけは1人の女の子からの電話。タカラ(現タカラトミー)の本社に「リカちゃんはいますか」と電話がかかってきた。機転を利かせた女性社員が「もしもし私リカよ」と返したところ、うわさを呼んで電話が増えたため、専用回線を設けたのだとか。現在でも月に約1万件もかかってくるほどの人気サービスだという。「リカちゃんとのお話」は少女の夢なのだろう。

 しかし、1度かけたことのある方ならおわかりの通り、リカちゃん電話はリカちゃんが近況を述べるスタイル。つまり“話を聞かせてくれる”ものの、こちらが話しかけても答えてはくれないのだ。そこで、一般家庭にも普及してきたパソコンを用いてインタラクティブ性を持たせたのが、今回ご紹介する「リカちゃんテレビでんわ」である。


「リカちゃんテレビでんわ」のパッケージ。標準価格は7,875円。専用DVD-ROMにインストールしたデータで電話を行なうため、インターネット接続は必要ない 製品には本体以外に、USBケーブル、専用DVD-ROM、インストールガイドが付属する。OSはWindows XP SP2以降をサポート

パソコンにつないで、リカちゃんと電話!

番号ボタンはハートマークで、かわいらしいデザインを採用している

専用アプリケーションのインストール画面。ナビゲーターはリカちゃんのママ
 「リカちゃんテレビでんわ」を利用するには、付属のDVD-ROMから専用アプリケーションをインストールし、パソコンに本体をUSBケーブルでつなぐだけだ。

 初回の接続で設定ウィザードがスタートするので、電話の最中にリカちゃんが呼びかけるお子さんの名前、名前の発音調整(音声合成)、誕生日、家族とお友達の名前と生年月日登録、日時の調整、スピーカー音量の調整などを行なう。電源はUSBバスパワー供給なため、電池もACアダプタも不要な点は手軽だ。対応OSはWindows XP SP2以降で、Windows Vistaからの利用には対応していない。

 最大の特徴は、音声認識によってリカちゃんと対話できること。季節や時間帯に応じたシナリオが200本(約250分)以上用意されており、リカちゃんからの質問に回答すると、内容に応じたコメントをリカちゃんが返してくれる。誕生日の日にはリカちゃんが電話でお祝いしてくれるというサービス付きだ。しかも、事前に設定した利用者の名前を呼びかけてくれるから、リカちゃんを身近に感じたいお子さんは嬉しいだろう。

 また、通話中にリカちゃんと一緒に歌える「おうた」、リカちゃんの洋服を一緒に選べる「きせかえ」、リカちゃんの包丁さばきを“トントン”という音でナビゲートする「おりょうり」といった音声認識によるミニゲームも用意されている。


名前の設定画面。リカちゃんに呼んでほしい名称を設定する。合成音声だが、抑揚の調整も可能 指示に従って発音することで、マイクの音量を調整する 設定後も「ママのお部屋」を起動すればいつでも変更できる

リカちゃんに電話してみよう!

 設定が済んだら、いよいよリカちゃんとの電話を楽しんでみよう。「リカちゃんテレビでんわ」のUSBケーブルをパソコンに接続すると、自動的に「じゅわきをとってね」と書かれた待機画面が表示される。受話器を持ち上げると番号入力画面にリカちゃんの電話番号が表示されるので、番号をプッシュ。ピポパというプッシュ音の後、プルルルルルと呼び出し音が鳴り、数秒後にリカちゃんが登場した。


パソコンと電話を接続するとあらわれる待機画面 受話器をとると、番号入力画面が表示される 指定された番号をプッシュすると、リカちゃんが登場

実際の雰囲気 受話器をとって、番号をプッシュしてみた リカちゃん登場! リカちゃんの衣装は毎回異なる

 会話はリカちゃんから始まり、電話を重ねていくことでストーリーが進行する。話の冒頭で「またお話できてうれしいな」「今日はたくさんお話してるね」と言ったり、夜になると「もうお風呂に入った?」など、時間や状況に応じたフレーズも入る。

 しかし、お子さんが話した言葉を何でも理解し、こちらが話すタイミングにあわせて会話ができるというわけではない。リカちゃんが自身の近況や家族の紹介などを行なう中で、通話相手に質問を投げかけるのだ。「○○ちゃんは***は好き? 嫌い?」「パパとよく遊ぶ? 遊ばない?」といった問いかけに対し、受話器のマイクに向かってどちらかを回答するスタイルである。表示された選択肢通りに答えると、リカちゃんが回答に応じたアクションを返してくれる。音声認識ができない場合は電話機の番号ボタンでも回答可能だ。

 ただし、質問された際に「私もそれ大好きでいつも使ってるよー!」など、やや複雑な返事をすると、異なる返事が返ってくることもある。うまく音声が認識されない場合も、選択した答えとは違う反応になるようだ。また、時間をおかずに何度も繰り返しダイヤルすると、同じ話を繰り返されることもあった。


双子の妹について楽しそうに語るリカちゃん トークの合間にはリカちゃんから質問が。受話器に向かってどちらかを答えると、内容に応じた反応を返してくれる ミニゲームで「ぞうさん」を歌っているところ

 なお、リカちゃんは22時には寝ているようで、電話をすると眠そうなリカちゃんが登場し、「寝てたわ。こんな時間だから今日はもうおしまいにしよう。ばいばーい!」と言われる。就寝間際の通話では、歯磨きの大切さを説く場面もあり、マナーや生活習慣についても学習できるようになっている。

 リカちゃんが「ばいばーい」と言いながら手を振ったら受話器を置いて会話終了。もちろん、途中で話を切ることも可能だが、やはり最後まで通話するのがマナーと言えよう。

 ちなみに、ダイヤル先はリカちゃんにとどまらない。実はリカちゃんのお友達にも電話できるのだ。ダイヤル画面の「ひみつダイヤル」にリカちゃんのお友達の番号が表示されたら電話できるらしいが、ある程度リカちゃんと電話をし続けていないと有効にならない。残念ながら今回試した範囲では「ひみつダイヤル」にお友達の番号が表示されるには至らなかった。どうやら、教えてもらえるほど、まだ親しくなれてはいなかったらしい。


22時以降に電話をすると、リカちゃんの部屋は真っ暗 就寝中にたたき起こされて眠そうなリカちゃん 電話の最後にはリカちゃんから「ばいばーい」とお別れの挨拶が

リカちゃんから電話がかかってきた!

 実はリカちゃんから電話をかけてもらえる機能もある。リカちゃんから電話をもらえるというのは、会話機能に次ぐ本製品の大きな特徴と言えよう。会話の中で「リカからも電話するね」と言われたらしめたもの。1度電話をかけて受話器を置き、しばらく待っているとリカちゃんのほうから電話をかけてくれるのだ。

 ただし、電話をもらうには、ある程度こちらからかけて話をしておく必要がある。受話器をおいてから着信するまでのタイミングや回数は「ママのお部屋」で設定可能。着信音も選べるようになっている。

 「リカからお電話しちゃった!」という以外、着信時の会話内容は通常と変わらないが、嫌な気分はしないだろう。リカちゃんの話に耳を傾けながら、質問に答えたり、ミニゲームに参加して遊ぶのだ。


こちらから電話をしてからいったん切ると、リカちゃんから電話がかかってきた リカちゃんからの電話条件はユーザー側で変更が可能

録音メッセージを交換できる留守電機能「ボイスアルバム」

 リカちゃんとの対話を楽しむ以外にも、保護者とお子さんのコミュニケーションをサポートする「ボイスアルバム」作成機能がある。これは保護者が「ママのお部屋」からメッセージを録音しておくと(最大15秒)、それを再生したお子さんが返事を吹き込めるというもの。最大50件まで保存可能だ。

 保護者のメッセージが録音されている場合、リカちゃんテレビでんわの本体ロゴが点滅して知らせてくれる。「リカちゃんへ、でんわをしてね」という待機画面で受話器をとり、メールマークのついた「メッセージボタン」を押すとダイヤルが開始され、リカちゃんによってメッセージが再生され、その後返事を録音することができるようになる仕組み。保護者が仕事で忙しく、お子さんとすれ違い気味という場合にコミュニケーション手段の1つとして役立つ機能ではないだろうか。

 ただし、お子さん側のメッセージ再生はリカちゃんに委ねられているため、リカちゃんの就寝時間帯はメッセージの再生ができない。


音声録音は途中で停止できないため、15秒間フルに活用してしまおう 保護者からメッセージがある場合、番号入力画面に案内が表示される お子さんがメッセージを録音すると、データはボイスアルバム内で「ディスク」として保存される

リカちゃんは、ハートヒルズ在住の小学5年生。現在販売されているのは4代目。ちょっと勝気な印象もあった初代に比べ、表情がかなりやわらかい感じだ
 このように、電話をしながら考える力を養ったり、マナーや生活習慣を学べるだけでなく、保護者とお子さんのコミュニケーションもサポートするのが、現代版「リカちゃんテレビでんわ」なのである。

 ちなみに当のリカちゃんは「リカちゃんワールドシリーズ」展開中。素敵なレディーになるために、パリに、ミラノにと飛び回っているらしい。そんな彼女の行動は「リカ旅ブログ」でチェックできる。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.takaratomy.co.jp/products/licca-denwa/
  タカラトミー
  http://www.takaratomy.co.jp/

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(すずまり)
2007/05/23 11:03
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