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2台のパソコン間でコピーや環境移行に対応! 「SUGOI CABLE EASY」


「SUGOI CABLE EASY(SGC-20ULK3)」。直販サイトの価格は4,480円。見かけは中央に小箱を挟み込んだUSBケーブルで、全長は約2m
 今回紹介するアイテムはシステムトークスのUSBケーブルである。製品名は「SUGOI CABLE EASY(スゴイ・ケーブル・イージー)」。ダテに“スゴい”と名乗っているわけではない。これ1本あれば、2台のパソコン間でファイルコピーが可能という、インテリジェントな機能を持ったケーブルなのだ。しかも、使い方が非常に簡単。2台のパソコンのUSBポートの間を「SUGOI CABLE EASY」でつなぐだけで良い。

 対応OSはWindows Vista/XP/Me/2000/98SE。Windows Me以降のOSであれば、ドライバなどをインストールする必要さえない。プラグを双方のパソコンのUSBポートに差し込み、接続が認識されるとケーブルに内蔵されたアプリケーションが自動的に起動する。これを操作することで、まるで2台のパソコンが1台になったような感覚でファイルを扱えるのである。まさにイージーでスゴいケーブルなのだ。

 本製品ではさらに、今まで使っていたパソコンから新しいパソコンへ、各種設定やアプリケーションで作成したデータなどの移行作業を、対話式の簡単な操作で行なうこともできる。また、Windows VistaやOffice 2007にも対応した専用ソフトウェアが付属しているのだ。LANで接続するタイプとは異なり、面倒なネットワーク設定やファイル共有設定などとは無縁。手軽で、しかも、マルチに使えるファイル転送ツールなのである。


通常のUSBケーブルとは異なり、パソコンのUSBポート間をつなぐため、ケーブル両端には同一のプラグが取り付けられている パッケージには本体とマニュアルのほか、「SUGOI EasyMover」「reBoot」などのユーティリティを収録したインストレーションCDが付属

ケーブルに内蔵されているファイル管理アプリケーション「SUGOI EasyCopy」。デザインや操作性はエクスプローラと良く似ている

付属の環境移行アプリケーション「SUGOI EasyMover」。付属CD-ROMからインストールし、「SUGOI EasyCopy」のメニューバーから起動する
 内蔵ソフトウェアは、「SUGOI EasyCopy(スゴイ・ケーブル・コピー)」と名付けられている。ウィンドウ内の左側にフォルダツリー、右側にフォルダの内容というエクスプローラに似たファイル管理アプリケーションだ。大小のアイコン、一覧、詳細と表示が切り替えられるウィンドウデザインに加え、ドラッグ&ドロップやカット&ペーストを中心とした操作性はWindowsユーザーならお馴染みのものだろう。

 エクスプローラとの大きな違いは、フォルダツリーとフォルダ内容表示が上下2段、計4ペイン構成になっている点だ。標準状態では上段に接続先のリモートホスト、下段に接続元のローカルホストの内容が表示され、左右だけでなく、上下のペイン間、つまりリモートホストとローカルホスト間でもファイルのコピーや移動が可能となっているのである。

 古いパソコンから新しいパソコンへ各種設定やデータなどを転送する「SUGOI EasyMover(スゴイ・イージー・ムーバー)」は、付属のCD-ROMに収められている。前述の「SUGOI EasyCopy」はケーブル自体に内蔵されていたが、こちらは事前に転送先パソコンへインストールする必要がある。

 「SUGOI EasyMover」は単独ではなく、「SUGOI EasyCopy」のメニューバーにある「同期化」から起動する。独立したアプリケーションというよりは動作も操作性もウィザードに近いようだ。実際の作業もウィンドウ内に表示されたリストから移行したい項目を選んでいくという形式。進行に合わせて説明文が表示されるので、Windowsのファイルに関する知識がある程度あれば迷うことはないはずだ。環境移行だけでなく、日頃のバックアップ作業やデータの同期などに利用できそうである。

 移行の対象となるのはWindowsのシステム設定やInternet Explorer設定のほか、WordやExcel、Outlook、PowerPointの各ファイル、それにプレイリストとメディアファイルである。Windows VistaのWindows MailやWindows XP以前のOutlook Expressにも対応するが、移行後にアカウントの切り替えやインポート作業が発生するので注意が必要だ。これに関しては、製品付属のマニュアルに詳しく記載されているので、1度目を通しておくことをお勧めしたい。

 なお、付属のCD-ROMには、パソコンの起動や再起動時に「SUGOI EasyCopy」を自動起動させるユーティリティ「reBoot」、Windows 98SE用のドライバとPDF版マニュアルも収録されている。


「SUGOI EasyMover」ではWindowsシステムの設定やデータファイルをウィザード風の対話形式で選択、転送が可能 チェックボックス方式でファイル種類ごとの選択も可能。これなら日頃のバックアップ作業や同期作業にも活用できるだろう

中央のユニットにはLEDインジケータが2つ。左右それぞれのケーブルをパソコンに接続し、正常に認識完了すると赤く点灯する
 「SUGOI CABLE EASY」の本体は全長約2m。1mほどのUSBケーブル2本を小さな箱形のユニットを介して継ぎ足したような形状だ。全体がグレー系のスモークがかかった半透明色。ケーブル中央部にあるユニットは、50×26×13mm(幅×奥行×高)の丸みを帯びたコンパクトな長方形で、2本のケーブルそれぞれの接続状況を確認する赤いインジケータが配置されている。

 半透明のカバーから中を覗いてみると、ソフトウェアなどを収めた電子部品だろうか、小さな基盤に1cm角ほどのチップが取り付けられているのが確認できた。ケーブル先端のUSBプラグはどちらもタイプA。もちろん専用の電源などは必要なく、パソコンからのUSBバスパワーで動作する。


ユニット部分は硬質な半透明のプラスチック製。内部をよく見るとロゴマークの真下あたりに1cm角ほどのチップが確認できる ユニット裏面。両端の伸びるケーブルはどちらも固定されていて抜き差しできない。しかし、とてもコンパクトなので持ち歩きに支障はないだろう

 「SUGOI CABLE EASY」は、普段からLANを利用しているユーザーにも大きなメリットがある。例えば、外出先でファイルをコピーする必要が発生した場合、LANを間借りしたり、十分な空き容量のあるフラッシュメモリを探し回るといった面倒から解放されるのだ。

 筆者個人としては手軽さだけでなく、ファイルコピーの速さにも魅力を感じた。実効速度を計測したわけではないが、USB 2.0接続によるファイル転送は、一般的なLAN接続よりも数段速く感じる。特に速度面でUSB 2.0と差がある無線LAN接続のノートパソコンに対して、素早く大容量のファイルを転送したいときには非常に役立ってくれた。

 パソコンの買い換え時など、限られた用途に特化された環境移行ツールとは異なり、「SUGOI CABLE EASY」は応用範囲が広い。デスクトップパソコンとノートパソコンのデータを同期させるといった程度の作業なら、わざわざLANを組むまでもなく、これ1本でこなせてしまうのだ。さまざまな用途に常用できるという意味で、なかなかお得なアイテムなのではないだろうか。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.system-talks.co.jp/product/sgc-20ulk3.htm
  システムトークス
  http://www.system-talks.co.jp/


(斉藤成樹)
2007/05/30 11:03
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