ロジテックの「LDS-iALARMWH」は、iPod用のスピーカーと充電台を兼ねた製品。メーカーが「アラームサウンドシステム」と銘打っているように、iPodを目覚まし時計として利用できることが最大の特徴だ。
■ iPodを装着して使う目覚まし時計。第4世代以降のiPodとiPod
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「LDS-iALARMWH」製品パッケージ。直販サイトの販売価格は7,980円
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見るからに目覚まし時計という外観を持った本製品は、第4世代以降のiPod、それに第1世代と第2世代のiPod nano用に設計されたスピーカー兼充電台だ。もちろん、その形状通り、目覚まし時計として利用できるのが最大の特徴だ。
製品本体はホワイトとグレーのツートン。ホワイトはiPodとよく似た光沢を持っており、高級感とまではいかないものの、チープさは感じない。デザインは曲線を基調としており、“ずんぐりむっくり”な体型と相まってユーモラスな印象を受ける。ちなみに本体は345gと、見た目よりは重い。
iPodは、本体の正面に上から下へスライドさせて装着する。装着面の背面にあるダイヤルを回転させることで、iPodを支えるパーツが手前にせり出し、前述の対応機種に合わせてぴったりフィットできる構造になっている。機種別のジョイントパーツを用いなければ装着できない競合製品に比べ、良い意味でお手軽な仕組みである。
スピーカーのボリュームは、本体背面にあるつまみを時計回りで操作し、iPod本体のボリューム設定に関係なく変更できる仕組みになっている。ただ、本体正面から手を回してボリュームを調整する場合には、当然ながら逆時計回りになるほか、背面のつまみが届きにくい点には注意が必要だ。実際、試用中にもボリュームを下げようとして逆に音量を大きくしてしまうことが何度かあった。
本体背面の下部には、ジャックがついており、ACアダプタを接続して利用する。普通の目覚まし時計のように電池駆動はできないので注意が必要だ。なお、本製品はPCとの接続インターフェイスは持たないため、USBケーブルやLANケーブルを介してiTunesとの同期を取ることはできない。
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iPodを装着したところ。写真のホワイトのほか、ブラックモデルもラインナップされている
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背面。中央部はボリュームダイヤルで、下部にはACジャックを備える
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■ 目覚まし機能は、iPod側のアラーム機能を利用
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iPodを装着していない状態。目覚まし=枕元に置く、というコンセプトであるためだろうか、リモコンなどは付属していない
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では、本題の目覚まし機能を見ていこう。目覚まし機能自体は、本製品に装備されているのではなく、iPod本体のアラーム機能を利用する。任意のプレイリストなども指定できるが、これらの操作はすべてiPod側で行なう。本製品はそれらの音楽を出力するためのスピーカー兼用台というわけだ。
本体上部中央にはSNOOZEボタンが装備されている。目覚ましが鳴ったら、このボタンを押して音楽を止めるというわけだ。1回押すと9分間停止し、その後に再び音楽が鳴り始める。この9分という値は固定されており、変更はできない。ちなみに再生を完全に止めるためには、iPod本体のクリックホイール側で操作する必要がある。
このSNOOZEボタンは、正面から見るとiPodの先端で隠れてしまっているため、とっさの場合はやや押しにくい。iPod装着時の外観を優先した結果だと思われるが、もう少しSNOOZEボタンの上背を高くしてもよかったのではないかと思う。
スピーカーは、SNOOZEボタンの左右にあるベルを模した2つのパーツの下に隠されている。出力は3W+3Wと、このサイズの割にはそこそこあるのだが、左右10センチも離れていないこともあり、音の広がり方は事実上モノラルスピーカーに近い。音質重視で外付けスピーカーを探している人には不向きだろう。
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上部にはSNOOZEスイッチを備え、押すと9分間再生が停止する
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側面。形状はもちろんのこと、サイズも目覚まし時計と同等
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■ あまり直感的でない設定方法
初期設定についても言及しておこう。本体にiPodをセットすればすぐに使えるのかと思いきや、実際には多少ややこしい操作を伴う場合があるからだ。
iPodを装着すると、自動的にiPodが「時計」モードに切り替わる。本来はこれだけで設定完了となり、目覚まし機能が使えるようになるのだが、試用時はこれがなかなかうまくいかず、手動でモード切替を行なう必要があった。具体的には、SNOOZEボタンを3秒間押し続けたのち3回プッシュ、その後、再度3秒間押し続ける、という手順である。
これが初期設定時の1回限りであれば許容範囲なのだが、しばらく使い続けていると、何かの拍子にこの設定がクリアされてしまうことが何度かあった。そうなるとまた説明書を引っ張り出し、上記の「3秒押して3回プッシュしてまた3秒押す」という操作を繰り返さなくてはならない。
また、上記のように接続が正しくない状態において、普通に音楽を再生しようとすると、ビープ音が繰り返し鳴る場合がある。何とか止めようとするのだが、添付の説明書にもトラブルシューティングの項目がなく、明確な止め方が分からなかった。
本製品の場合、もともとスタンドアロンでPCに接続して使う製品ではないので、トラブルシューティングなどは極力説明書内に記載し、PC経由でWebサイトのFAQなどを参照しなくても済むようにしてほしい。しばらく試用していて、このことを強く感じた。
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Dockコネクタを備え、iPodを接続する
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中央のダイヤルを回すことで、周辺の白い部分が前方にせり出してくる。これにより、手持ちのiPodおよびiPod nanoがぴったりフィットするようになる
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■ 付加価値をもたせたスピーカー付き充電台としておすすめ
実際に使ってみて感じたのは、本製品自体は非常にシンプルな機能だけを持っているという点だ。アラーム設定はiPod側の機能を利用しているほか、操作系もほとんどがiPod本体のクリックホイールなどを利用する。プレイリストの選択や曲の選択についても同様である。
本製品側の操作系として挙げられるのは、SNOOZEボタンとボリューム調整の2つである。しかし、SNOOZEボタンにしても、実のところはスピーカー出力を9分間カットしておくだけの機構に過ぎず、iPod側の挙動にはまったく干渉しない。
言うなれば本製品は「外付けスピーカーと充電台を兼ねたDock」なのだ。指定した時間になるとアラームを鳴らす機能はiPod単体でも可能なわけで、本製品はそれを拡張するためのスピーカー&充電台、というわけである。目覚まし時計ライクな形状は、そうした製品の特徴を視覚的に表しているに過ぎない。
もっとも、付加価値の付いたDockとして見た場合は非常に便利であるし、見た目のユーモラスさもあって部屋の良いアクセントになる。想定ユーザーとしては、あまり頻繁にiTunesとの同期を取らずにiPodを単体で使っていて、目覚ましもしくは簡易な外付けスピーカーが欲しいライトユーザー、ということになるだろう。単純に卓上スピーカーとして使うのも悪くないと思う。実売7,980円という価格も妥当だろう。
最後に1つ余談。本製品を含め、いわゆるiPod用の外付けスピーカーについて、市販の保護ケースを装着した状態での接続に対応できない点については、何らかの配慮が欲しいと感じる。iPodをセットする際、ふだん利用しているiPodケースを外さなくてはならないのは、iPodを日々持ち歩いているユーザーにとってはかなり面倒であるからだ。筆者の頭ではなかなか有効な解決策を思い浮かばないが、メーカーの企画担当各位にはぜひ検討いただきたいと思う。
■ URL
製品情報
http://www.logitec.co.jp/products/audio/ldsrialarm.html
ロジテック
http://www.logitec.co.jp/
(山口真弘)
2007/06/13 10:00
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