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USB接続HDDをLAN上で利用できる! コレガ「CG-HDLA」


CG-HDLA。本体サイズは100×76×28mm(幅×奥行×高)で、重量約100g。OSはWindows Vista/XP/2000、Mac OS X 10.3以降に対応
 今回紹介するアイテムは、コレガのUSB接続型HDDをLANで利用できるようにするアダプタ「CG-HDLA」である。しかし、単純なUSBとLANの切り替え器ではない。CG-HDLAに接続したHDDは、ネットワーク接続のストレージデバイスとしてではなく、あくまでも外付けドライブとして認識されるのである。

 つまり、LAN接続でありながら、従来通りのUSB接続と同じ感覚で使用できるわけだ。もちろん、既存のネットワークに組み込んで他の機器と共存させることが可能で、無線LANを利用することもできる。しかも、USB接続のように複数のパソコン間でUSBケーブルを繋ぎ替える手間がかからない。USB接続型のHDDを有効活用する上で注目したいアイテムなのである。

 製品ラインナップは本体のみのCG-HDLAと、4ポートタイプのUSBハブをセットにした「CG-HDLA-H」の2つ。CG-HDLAは1台、CG-HDLA-HではUSBハブを介して最大4台までのUSB機器が接続できる。基本的にはHDD用とされているが、光学ドライブやフラッシュメモリ、メモリカードリーダーなどといったUSBストレージ機器に対応。オーディオプレーヤーやICレコーダーの中にも接続できる製品があるようである。


本体のみのCG-HDLAと、最大4台までのUSB機器が接続できるハブを同梱したCG-HDLA-Hをラインナップ。標準価格はそれぞれ11,025円、12,075円 裏には収納用の溝が掘られていてUSBプラグを収納できる。オプションのACアダプタ「CG-AC05(2,100円)」の接続にも対応する 付属のUSBハブを利用すれば最大4台のUSB機器を接続可能。ただ、ハブから伸びるケーブルが数cmほどしかないためか、少々窮屈なのは残念だ

「HDLA Setup」では接続されているCG-HDLAを検索して自動的にIPアドレスを割り振ってくれるほか、手動による設定も可能だ
 CG-HDLAに付属するCD-ROMには2種類のソフトウェアが収録されている。1つは「HDLA Setup」で、LANケーブルで接続されたCG-HDLAを自動的に認識し、MACアドレスやIPアドレスの設定を補助してくれるウィザードだ。もう1つは「PS Admin IV」で、こちらは言うならば、リモートコントローラ的なユーティリティで、CG-HDLAを利用するパソコンにインストールしておく必要がある。

 「PS Admin IV」の主な役割は、CG-HDLAに接続するUSBデバイスの選択と切り替え。メインウィンドウには接続されている機器のリストがサーバー単位、あるいはデバイス単位で表示され、マウスのクリックだけで接続と切断が行なえる。まるでUSBプラグの抜き差しを遠隔操作しているような使い心地である。

 このほか、起動時の自動接続や指定のアプリケーションの起動といった設定が可能。多数のUSB機器を使う場合は、Webブラウザのブックマークのように使用頻度の高いものを登録できる「お気に入り」機能で対処できる。ウィンドウを透過させたり、デスクトップ右下のタスクバーの上に小さなウィンドウが表示されるコンパクトモードが選べるなど、表示の自由度も高い。

 個人ユーザーでは問題にならないが、CG-HDLAには使用中のパソコンから接続を切断しない限り、ネットワーク内のほかのパソコンからアクセスすることができないという機能的な制限がある。オフィス内ネットワークや社内ネットワークで多数のユーザーが共有するような場合、これは欠点となってしまうかも知れない。

 しかし、この制限はセキュリティの面では有利に働くのではないだろうか。CG-HDLAはWebブラウザからアクセスすることで、IPフィルタリングによるアクセス制限を設定することができるのだ。また、接続するパソコンには「PS Admin IV」をインストールしておく必要があるという点も安全性の向上に一役買うだろう。オープンなネットワークの中に特定のユーザーのためのクローズドなファイルサーバーを置きたいときなどにも安心して使用することができるのである。


「PS Admin IV」。接続されているUSB機器をサーバーごと、デバイスごとにリスト表示し、それそれの接続や切断などを管理できる 使用頻度の高いUSBデバイスは「お気に入り」リストに登録しておくことができる。Webブラウザのブックマークに似た機能だ デバイスのオプションでは「PS Admin IV」の起動と連動した接続や、接続に連動して自動起動させたいアプリケーションの指定が行なえる

ウィンドウを半透明する画面効果設定。このほか画面隅に小さなウィンドウを表示するコンパクトモードも選択が可能 Webブラウザからアクセスするとネットワーク関係の各種ステータスを確認できるほか、詳細な設定や初期化などが行なえる IPアドレスの範囲を指定してアクセスを許可、または拒否するIPフィルタリング。設定には多少の知識が必要だが強力なセキュリティ機能だ

USBは480Mbpsの2.0と12Mbpsの1.1、LAN接続は100Mbpsの100BASE-TXと10Mbpsの10BASE-Tに対応。どちらも自動で認識される
 CG-HDLAのUSBポートはUSB 1.1/2.0、LANポートは10BASE-T/100BASE-TXに対応しているが、ここでちょっと気になることがある。USB 2.0の最大転送速度480Mbps。これに対して100BASE-TXによる接続は最大100Mbps、10BASE-Tは10Mbpsなのである。つまり、USB 2.0の性能をフル活用するような高速な機器ではLAN接続がボトルネックとなってしまう可能性があるのだ。

 ただ、これはあくまで数値上の話。普通にパソコンを使う上で100BASE-TX以上の転送速度を必要とする機会は決して多くないはず。しかも、常にCG-HDLAを利用する必要はない。普段は使い勝手を優先してLAN、速度が重要な場合はケーブルを差し替え、USB 2.0でダイレクトというように接続方法を変えられるのだ。用途に合わせた柔軟な使い分けができるようになるというメリットは非常に大きいのではないだろうか。

 CG-HDLAの外観は正方形に近い小箱。光沢のあるブラックのプラスチック製で約100gと軽量だ。1万円クラスの機器としてはもう少し高級感が欲しかったところだが、底面には粘着力がある半球形のゴム足が付いていて非常に安定しており、実用上の不満はない。

 ユニークなのは側面のLANポート。通常のRJ-45ジャックではあるが、脱落防止用のツメがかかる部分の両側にLEDインジケータランプが組み込まれており、ここでネットワーク接続とデータ転送の様子が確認できるのだ。このLANポートの右側にUSBポートとACアダプタの接続端子、また前面には小さな初期化用のボタンが配置されている。

 なお、CG-HDLA-Hに付属する4ポートハブはUSB端子よりもわずかに厚い程度のスリムななカードタイプ。ケーブルは数cmと極端に短く、裏面に掘られてたミゾにUSBプラグごと収納することができる。ポータブルUSBハブとしても重宝しそうなアイテムだ。別売オプションとしてACアダプタが用意されており、消費電力が大きいバスパワータイプのHDDなどを接続する場合でも安定した動作が期待できる。


左端のLANポートは差し込み口の隅にLEDインジケータが組み込まれたユニークなタイプ。右にはUSBポートとACアダプタ接続用の端子が並ぶ 本体裏の四隅には半球形のゴム足がある。柔らかい材質で、デスクの上などの平らな面に置けば簡単には動かない

関連情報

URL
  CG-HDLA-H 製品情報
  http://corega.jp/prod/hdla-h/
  コレガ
  http://corega.jp/

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(斉藤成樹)
2007/06/20 11:04
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