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PCからAV機器をリモコン操作できる! バッファロー「Remote Station」


バッファローのパソコン用学習リモコン「Remote Station」。Windows Vista/XP/2000に対応。価格は5,565円
 学習式赤外線リモコンとは、リモコンが送信する赤外線のパターンを学習させて、製品付属の専用リモコンと同じような操作が可能になる、言ってみれば万能型のリモコンだ。メーカーや機器の種類を選ばず、複数の赤外線リモコンの機能を1台にまとめられるという点でも利用価値の高い製品である。

 今回紹介するバッファローの「Remote Station(PC-OP-RS1)」は、USBポートに接続して使用するパソコン用の学習式赤外線リモコン。4つの赤外線発光ユニットを備え、最大8台までの機器を登録でき、同時に4台までを操作できる。機器ごとの異なった動作を一括管理できる上、複雑なボタン操作をワンクリックで自動実行する機能、時刻を指定した操作予約機能などを搭載している。何台ものリモコンを持ち替え、幾度となくボタンを押す面倒な作業から解放してくれる、非常に気になるアイテムなのだ。

 バッファローの製品ページを見ると、TVチューナー・キャプチャユニットと組み合わせた使用例が紹介されている。Remote Stationには、同社のテレビ視聴・録画ソフト「PCast TV2」との連携機能が搭載されているため、双方を組み合わせることで使い勝手を格段にアップさせられるのである。

 しかし、Remote Stationの利用方法はそれだけではない。赤外線リモコンが発する信号を受信して学習させることが可能であれば、どんな機器でもコントロールできるのだ。テレビモニタやチューナー、DVDレコーダ、ビデオといったAV機器をはじめとして、スピーカーシステム、ミニコンポ、ラジカセなどのオーディオ機器、さらにエアコンや照明といったホームコントロールまで、多岐にわたって応用ができるのである。工夫次第で、例えばホームシアターの上映開始に合わせて、自動的にミニコンポのBGM再生を停止、さらに部屋の照明を少し暗くするといった使い方も可能になるかもしれない。


赤外線受光部を内蔵した本体。66×50×19mm(幅×奥行×高)、重量約35gと非常にコンパクト。USBバスパワー方式なので電源は必要ない 右側面にパソコンと接続するミニBタイプのUSBポート。ボディ端の「POWER」「ASCESS」の文字の下には動作時に点灯するLEDインジケータがある 見た目ではわからないが、2つのミニピンジャックの間に赤外線受光部がある。学習時は同部分に向けてリモコンを操作する

 Remote StationはパソコンとUSBで接続するコンパクトな本体、それに本体とケーブルで接続する小さな赤外線発光ユニットで構成されている。どちらも黒い樹脂製に見えるが、実は濃いスモークがかかった半透明素材。動作中は本体の外装パネルを通し、内部でグリーンの電源インジケータとオレンジのデータ通信インジケータが光るのが見える。

 本体のコネクタは、側面にパソコンと接続するミニBタイプのUSBポートが1つ、反対側に発光ユニットと接続するミニピンジャックが2つというシンプルさだ。見た目ではわからないが、2つのミニピンジャックの間に赤外線受光部がある。ここに向けてリモコンを操作し、信号パターンを学習させるのだ。

 切手大の小さな赤外線発光ユニットは計4つ。2本が1組になったケーブルで本体にある2つのミニピンジャックに接続する。このユニットから飛び出している透明な半球形の突起が赤外線発光部だ。この部分を機器側の受光部に向けてセットするわけだが、赤外線の到達距離は普通のリモコンに比べると若干短いようである。

 マニュアルに記載されている通り、コントロールしたい機器の上面や側面、赤外線受光部の近くに付属の粘着パッドで固定するのなら問題はないが、少々離れた場所に設置する場合は事前に動作を確認したほうが良いだろう。


赤外線発光ユニットは計4台。二股に分かれたケーブル2本で接続する。ピン形のプラグは一般的なオーディオ用のものよりも細い 赤外線発光ユニットも、25×9×20mmとコンパクトだ。ケーブルの一方には識別用の黄色いリングが取り付けられている バッファローのテレビ視聴・録画ソフト「PCast TV2」との連携機能を搭載。予約録画などの操作が簡単に行なえる

専用ユーティリティのメインウィンドウ。リング状に並んだ4つのボタンと中央のボタンで各機能を呼び出す
 Remote Stationを使うには、まずはじめにパソコン内に仮想的なリモコンを作成し、オリジナルのリモコンが出す信号を学習させなければならない。これは付属ユーティリティのメインウィンドウにある「リモコン作成・編集」から行なう。

 縦長の作成・編集ウィンドウは、左に実物のリモコンをかたどったグラフィカルなボタン、中央にファンクションボタン、右にガイダンスという構成だ。作業自体は単純といって良いだろう。ウィンドウ内から学習させたいボタンを選び、本体の受光部に向けて赤外線リモコンの該当するボタンを押すだけである。

 ボタンを1つずつ押していくのは手間がかかるが、操作に必要なもの以外は省いてしまっても良い。また、仮想リモコンは複数作成できるので、たとえばDVDレコーダならチューナー用と録画再生用というように、用途ごとに使い分ければ煩雑さを避けることもできる。


パソコン上の仮想的なリモコンに赤外線の信号パターンを学習させる方式。リモコンは必要に応じて複数作成できる ウィンドウ内の学習させたいボタンをクリックし、本体の赤外線受光部に向けてリモコンを操作すると信号パターンが記録される 学習済みのボタンは色が明るいブルーに変わる。電源、入力切替、数字などのほかは中央に並んだファンクションボタンに割り当てる

受信が成功すると赤いLEDが点滅する エアコンのリモコンで試したところ、電源のオンオフ操作を登録できた

 中央に並んでいる四角いファンクションボタンには任意のボタンを学習させることができるが、それ以外にも「ワンタッチ」を登録するという重要な役目がある。ワンタッチとは、一連のボタン操作をまとめて1つのボタンに割り当て、ワンクリックで実行できるようにする機能だ。機器によっては短い間隔での連続したボタン操作を受け付けない場合があるようだが、ワンタッチでは信号の送信間隔を0.5秒から60秒まで、0.5秒単位で細かく指定できるので受信エラーの心配はない。

 メインウィンドウ左下の「予約作成・編集」では、時刻を指定したリモコン操作の予約ができる。機能的にはタイマーで自動実行させるワンタッチと言えそうだが、こちらではボタン操作設定にワンタッチ自体を加えられるという点が異なる。他のボタンと組み合わせることで、手早く確実に複雑な操作が予約できるのだ。

 このほか、メインウィンドウからは実物のリモコンをかたどったマニュアル操作用ウィンドウを呼び出す「リモコン」、作成したリモコンデータのバックアップと復元、サウンド関係の設定を行なう「リモコン設定」といった機能を呼び出せる。


一連のボタン操作を1つのファンクションボタンに割り付ける「ワンタッチ」。信号の送信間隔も細かく設定できる 指定日時に指定したボタン信号を自動送信する予約機能。ワンタッチと併用できるので、複雑な操作でも簡単に設定が可能だ マニュアル操作用のグラフィカルなリモコン。左右のリモコン切り替えウィンドウとファンクションウィンドウは隠すことができる

 今回はTVチューナー・キャプチャユニットとの組み合わせより、テレビやDVDレコーダ、ミニコンポ、エアコンといった機器で利用することが多かったのだが、まるでホームコントロールシステムを導入したような気分だった。市販の赤外線リモコン電源スイッチなどを利用すれば、さまざまな応用法が考えられるだろう。

 筆者としては赤外線の到達距離が短めなのが少々残念ではあった。エアコンの受光部が他機器とは離れた位置にあるため、発光ユニットの設置に手間取ってしまったのだ。とは言え、テーブルの上にいくつものリモコンを並べておく必要はなくなるし、どこかに置き忘れたからといって探し回る必要もなくなるのである。これだけでもRemote Stationを利用する価値はあるのではないだろうか(笑)。


関連情報

URL
  製品情報
  http://buffalo.jp/products/catalog/item/p/pc-op-rs1/index.html
  バッファロー
  http://buffalo.jp/


(斉藤成樹)
2007/07/04 13:40
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