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付加機能が魅力! USBハブやマウス内蔵などのテンキーパッド3製品


(左から)キヤノンの「LS-120TKRW」と「HS-120TKH」、サンワサプライの「NT-MA1 テンキーマウス」。すべてUSBでパソコンと接続し、テンキーパッドとして機能する
 テンキーのないノートパソコンで表計算ソフトを使うときなどに威力を発揮するお馴染みのテンキーパッド。その中から今回は、メモリカードリーダーライター、USBハブ、ポインティングデバイスといった機能を組み込んだ多機能製品を紹介しよう。普段は電卓として使用できる製品やマウス代わりになる製品など、ユニークなだけでなく実用性の高さも魅力のアイテムである。


キヤノン テンキー電卓「LS-120TKRW」「HS-120TKH」

USBハブ内蔵のHS-120TKHとメモリカードリーダーライター内蔵のLS-120TKRW。実売価格はHS-120TKHが4,000円前後、LS-120TKRWが5,000円前後だ
 まず、USBでパソコンと接続し、テンキーパッドとしても機能するキヤノンの「テンキー電卓シリーズ」から、メモリカードリーダーライターを内蔵した「LS-120TKRW」、それにUSBハブを内蔵した「HS-120TKH」を紹介したい。

 どちらも比較的大柄で、液晶ディスプレイはコントラストがハッキリした見やすい12桁表示。メモリ計算や税率計算といった機能を備えており、家庭内でのちょっとした計算からオフィスでの業務まで幅広く対応する電卓だ。

 また、「テンキー電卓シリーズ」には普通の電卓にはない、パソコンと連携するためのボタンがいくつか追加されている。「送信」は、ディスプレイに表示されている数字をパソコンに入力するためのボタン。計算結果を表計算ソフトのセルに書き込みたいときなどに便利な機能だ。「PC/計算」は、パソコンのテンキーパッドとして動作するPC入力モードと通常の計算モードとを切り替えるためのボタン。さらにPC入力モードでは、4方向のカーソルキー、バックスペース、エンター、また表計算ソフトなどで多用するTABキーが利用できる。

 今回試用した2製品は十分なボディサイズだけあって、キーの操作性が非常に良いのが印象的だった。LS-120TKRWはパソコンのキーボードと同じく、キーとキーの間が密着して配置されているタイプだ。キートップはわずかに横長だが、ゆとりがあるので窮屈さをまったく感じない。

 もう一方のHS-120TKHは、LS-120TKRWよりさらに一回り大きく、キーピッチも19mmと余裕たっぷり。キーとキーの間には仕切りがあるため、かなりラフな扱いでも数字を打ち間違えることはなかった。両モデルにはボディサイズやキー配置といった外観上の違いはあるが、電卓としての機能は共通している。また、電卓機能自体はソーラーパネルとCR2032ボタン型リチウムバッテリーで動作するので、パソコンとの接続とは関係なく使用できる。

 LS-120TKRWのメモリカードスロットは2つ。本体下面、ちょうど液晶ディスプレイの裏に当たる部分にある。上段のスロットでコンパクトフラッシュとマイクロドライブ、下段のスロットではSDカード、マルチメディアカード、メモリースティック、メモリースティックPROと、合計6種類のメディアが読み書き可能だ。USB 2.0の高速なデータ転送に対応するという本格的なメモリカードリーダーライターなのである。


パソコンなどのキーボードと同じくキーが密着して配置されているが、サイズに余裕があるので非常に扱いやすい メモリカードは本体を裏返して装着する。上段のスロットでCFカード、下段ではSDカードやメモリースティックなど、計6種類のカードに対応 カードスロットはボディに刻まれた溝の奥まった位置にあるので、差し込んだカードを何かにぶつけ、接点を破損させてしまうようなことはない

 また、HS-120TKHのUSBハブも2ポートながらオマケ的な機能にとどまってはいない。USB 2.0に対応しているのはもちろん、なんと別売オプションのACアダプタを利用することができるのだ。マウスなどのポインティングデバイスやフラッシュメモリといったアクセサリ類だけでなく、大きなバスパワーを必要とするUSB機器を接続することができるのである。

 いくつかの機能を一体化させた複合製品は1歩間違えば使いにくいものとなってしまうことが多いようだが、この2製品は大きなボディのメリットを活かし、実用性を高めているように思える。LS-120TKRWのカードスロットは本体裏に刻まれた深い溝の奥にあり、差し込んだメモリカードを衝撃等から守れる構造となっているし、HS-120TKHもコネクタ類が背面側に集中して配置されているため、ケーブルが四方八方にバラけるようなことがなく、非常に使い勝手が良いのだ。

 普通のメモリカードリーダーライターやUSBハブは軽量コンパクトなせいか、置き場所が定まらない場合が多いようだ。筆者の部屋でも、いつの間にかパソコン横の隙間やディスプレイの裏側に追いやられ、いざ使おうと思ってもケーブルが絡まって取り出せなくなっていたりする。

 ところが利用頻度の高い電卓やテンキーパッドと一体化していれば、いつも手元に置いておける上、邪魔に感じることもない。これらを比較的大きく安定性の高い機器と一体化させるメリットは想像以上に大きいのではないだろうか。電卓やテンキーパッドと言えば表計算ソフトで数字を扱うビジネスマン向けと思われるかもしれないが、一般ユーザーにもお勧めできるアイテムと言えそうだ。

 なお、キヤノンのテンキー電卓シリーズはこの2機種以外にもトラックボールを内蔵したタイプや無線で接続するタイプなど、パソコンと組み合わせて利用する電卓などがラインナップされている。


キーピッチ19mmと余裕あるサイズのHS-120TKH。本体の裏側にあるフラップを引き起こして傾斜角を調整することができる USB 2.0対応の2ポートハブを内蔵。左端に見える小さなジャックは別売オプションのACアダプタAD-20を接続するためのものだ ポート類が1方向にまとめられているためケーブルがバラけることなく、また本体に重量感があり安定しているので非常に扱いやすい

サンワサプライ「NT-MA1 テンキーマウス」

サンワサプライの「NT-MA1 テンキーマウス」。実売価格は4,500円前後。横76mm、縦120mmとマウスとしては非常に大きなサイズだ

ホイールがある部分の厚さは約21mm。キーを押しやすいよう全体が傾斜している。側面にあるプッシュボタンはモードを切り替えるためのものだ
 サンワサプライのテンキーマウス、NT-MA1もテンキーパッドとマウスの機能を併せ持つという複合製品だ。ただし、マウスの背中に小さなボタンを付けただけの、よくあるガジェット的アイテムとは大きく異なる。本格的なテンキーパッドのボディにマウスとしての機能を組み込んでしまったという、とんでもなくユニークな製品なのだ。

 デザインは普通のテンキーパッドとほとんど変わらない。しかし、ボディ端に左右2つのボタンとホイールが配置されているのである。裏返してみると真ん中にはお馴染みの光学式トラッキングセンサーある。つまり、テンキーパッドのボディ自体がマウスを兼ねてしまっているのだ。

 ボディはテンキーパッドそのままなので、普通のマウスより二回りほど大きくてフラットな形状だ。マウスとして使用する場合は側面に親指と小指で軽くあてがい、手のひらを宙に浮かせた状態で操作することになる。テンキー部全体を手で覆ってしまうため、少し気を抜くとキーに触れてしまいそうになるが、誤操作の心配は無用だ。ボディ側面にプッシュボタンが用意されていて、これを押すことでテンキーとマウス、テンキーのみ、マウスのみというように3つのモードを瞬時に切り替えることができるのである。

 テンキーボタンにはパンタグラフ方式を採用。キートップのブレや傾きが少なくストロークが深いので、滑らかな安定したタッチが期待できる。また、NT-MA1側のNUM LOCKとパソコン側のNUM LOCKは連動していないので、ノートパソコンでも普段通りにキーボードを利用できるのが大きな特徴だ。

 今回、1週間ほどNT-MA1を使い続けてみたが、やはり多少のクセはあるようだ。1つは普通のマウスより動きに滑らかさがないという点。テンキーパッドとして使用するときは不用意に動き回られても困るので、あえて抵抗感を持たせているのだろう。もう1つはマウスとして使用するときに、どうしても指先に力が入ってしまうという点。製品の方向性から言って普通のマウスと比較するのは無意味だが、長時間使用した場合の疲労度はいくらか大きいように思える。もっとも、これは手の大きさや握り方もよるだろうし、慣れてくれば解決する問題かも知れない。

 テンキーパッドとポインティングデバイスの組み合わせ自体は目新しいものではないが、NT-MA1のユニークさは特筆ものである。使いやすさでは通常のマウスに1歩譲るとしても、ノートパソコンで表計算ソフトを駆使するビジネスマンにぴったりと言えそうだ。あるいはキッチンのサイドテーブルにノートパソコンを広げ、家計簿ソフトを使うといった場合にも重宝するのではないだろうか。数値を扱う機会の多いユーザーにお勧めしたい非常にユニークなアイテムである。


マウスとしては左右ボタン+スクロールホイールという標準的な構成だ。ボタンは幅が広く、意外に押しやすい 裏返すと光学式トラッキングセンサーがある。四隅の低摩擦パッドが小さいのはテンキーとしての安定性を確保するためだろう 大きく平たい形状のため、手のひらが宙に浮く形になってしまう。使いづらくはないが、やはり通常のマウスよりは疲労しやすいようである

関連情報

URL
  テンキー電卓シリーズ 製品情報
  http://cweb.canon.jp/calc/lineup/tenkey-md.html
  キヤノン
  http://canon.jp/
  NT-MA1 製品情報
  http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=NT-MA1
  サンワサプライ
  http://www.sanwa.co.jp/index.html


(斉藤成樹)
2007/07/25 11:01
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