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2,000円台でSDHCやWMAに対応! グリーンハウス「KanaSD」


グリーンハウス「KanaSD」。直販サイトの価格は2,280円。非常にコストパフォーマンスに優れたポータブルオーディオプレーヤーだ
 今回紹介するアイテムは、グリーンハウスのポータブルオーディオプレーヤー「KanaSD」である。実売価格は2,000円を少し超える程度。この手の機器では1,000円を切るモデルが話題になったこともあってインパクトは大きくはないが、それでも驚きのプライスだ。

 しかも、この価格でMP3に加え、WMA形式の音声ファイルが再生できる。また、パソコンとはUSB 2.0で接続可能、さらに高速大容量のSDHCカードにも対応しているのである。コストパフォーマンスという点では間違いなくトップクラスに位置する製品である。

 カラーラインナップはブラックとシルバーの2色。今回試用したブラックは滑らかでしっとりとした、まるで硬質ゴムのような手触りだ。ツヤ消し仕上げなので汗ばんだ手で触っても指紋などの汚れはつかない。マットブラックに控えめな赤いレタリングが良くマッチしており、低価格なデジタルオーディオプレーヤーとは思えない質感だ。

 本体のサイズは56.5×59.3mm(幅×高さ)。MDよりひとまわり小さな正方形に近い形状である。厚さは12.8mmで、重量はわずか26gしかない。電源の単4アルカリ乾電池と合わせても40g以下に収まってしまうだろう。


SDカードとマルチメディアカードのほか、高速大容量のSDHCカードも使用できる。容量は32MBから8GBまで スポンジ製のパッドが付いたステレオイヤホンと約70cmのUSBケーブル、それにマニュアルが同梱されている

中央の丸いボタンとその周りを囲むリング状の4方向ボタン。比較的大きく適度な抵抗とクリック感があるので押しやすい
 操作は表面にある丸形ボタンと、それを取り巻くリング状の4方向ボタンのみ。電源のオンオフなどは長押しを必要とするが、非常にシンプルなので直感的に操作できるし、少し慣れればポケットに入れたまま、手探りで扱うこともできるだろう。

 このボタンの下方、ボディの角に幅6mmほどのバー型ステータスランプがある。小さいながら赤と緑、2色のLEDが組み込まれており、それぞれの点灯、消灯、点滅といったパターンで各種状態を知らせてくれる。

 側面にはプッシュロック機構付きのメモリカードスロット。カバーなどはないが、爪の先で押し込むとカードの先端がほとんど露出しないので、どこかに引っかけて破損させてしまうような恐れはない。このほか、パソコンと接続するミニBタイプのUSBポートやイヤフォン接続用のステレオミニピンジャックも本体の側面に配置されている。

 電池は裏面のスライド式カバーを外して装着する。単4型アルカリ乾電池1本で最大5時間の連続再生が可能だ。ランニングコストや重量という面では充電式よりも少々不利と言わざるを得ないが、街角のコンビニエンスストアや100円均一ショップでも手に入れられる手軽さは有り難い。


3種類のメモリカードに対応するスロットはプッシュロック機構付き。端子面を上にして差し込む形式だ 電源は単4アルカリ乾電池1本。最大で5時間の連続再生が可能。本体裏、スライド式のカバーを開けてセットする

 音質はポータブルオーディオプレーヤーとして満足のいくレベルだ。若干ノイズが目立つようにも思えるので、落ち着いてじっくり聞き込むとなれば不満が残るかもしれないが、通勤や通学の合間、あるいはジョギングやウォーキングなどで身体を動かしながらBGMを聴くといった用途なら十分合格と言えるだろう。

 ただ、これは通常のオーディオ用ヘッドホンやイヤーレシーバーと組み合わせた場合の話だ。残念ながらパッケージに付属しているステレオイヤホンは音楽を聴くには相当に厳しい音質なのである。低価格なポータブルプレーヤーに付属品のクオリティまで期待していたわけではないが、やはり付属品は動作確認用、あるいは予備と割り切って、一般的なヘッドフォンを接続するのが正解のようだ。

 再生可能な楽曲データはMP3形式に加え、WMA形式にも対応。Windows Media Playerなどでパソコンに録音した楽曲データをメモリカードに転送するだけで、そのまま聴くことができるのだ。ただし、デジタル著作権保護には対応していないので、録音時にはこの機能を無効にするのを忘れないようにしたい。

 メモリカードへのデータ転送は通常のファイルコピーと同様にエクスプローラのドラッグ&ドロップなどで行なう。この際、パソコンにKanaSDを直接接続しても良いし、別途メモリカードリーダーライターなどを利用しても良い。

 再生される曲順はファイル名やフォルダ構造などとは関係なく、楽曲データを転送した順序そのままだ。実用上は問題ないだろうが、フォルダを丸ごと転送した場合などはエクスプローラ上では正しく並んでいるように見えても、実際にコピーされる順序が違っている場合があるため、希望通りに再生されないことがある。

 筆者個人としては曲順が予想できないのが逆に面白かったりもしたのだが、アルバムを収録順に通して聴きたいときなどは1曲ずつコピーしていくといった工夫が必要だ。また、筆者の環境は日本語を含むファイル名がうまく認識されない場合があったことを付け加えておく。


パソコンに接続するミニBタイプのUSBポートとヘッドフォンを取り付けるステレオミニピンジャックは側面にある カードの先端が露出しないので抜き差しするときは爪の先で押し込む必要がある。手前角に見えるのはストラップホール

パッケージはしっかりとした厚紙でできたギフトボックス風。なんとマグネット式の留め金まで付いているのだ
 KanaSDとパソコンの接続にはドライバなどのインストールは不要。双方にUSBケーブルを差し込むだけで一般的なメモリカードリーダーライターと同じUSB大容量記憶デバイスとして認識される。つまり、ポータブルオーディオプレーヤーとして使用しないときはメモリカードの読み書きに利用できるのだ。

 しかも、高速なUSB 2.0に対応している上、SDカードやマルチメディアカードだけでなくSDHCカードも扱えるとなると、単なるオマケ機能とは呼べなくなる。プレーヤー以外の面での実用性の高さもKanaSDの特徴の1つなのだ。

 今回はボディの角にある穴に使わなくなった携帯電話用のネックストラップを取り付け、首から提げて持ち歩いてみた。メモリカードはやはり携帯電話で利用していたminiSDをアダプタに差し込んだものだ。なんだか流用ばかりだが、新たに買い揃えるアイテムが少なくて済むのはデジタルオーディオプレーヤーの入門機、あるいはセカンド機としても評価できる点である。

 それに、なんといってもこの価格。今回は評価用にお借りした製品なので少々気を使ったが、自分で購入したものならそれこそ使い倒していたことだろう。もちろん、安価だからといって雑に扱って良いというわけではない。しかし、数万円クラスの機器を持ち歩くのとは心理的なプレッシャーが違うのである。スポーツでもアウトドアでも、いつでも身につけていられる気軽さが魅力のアイテムだ。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.green-house.co.jp/products/mp3/kana_sds/index.html
  グリーンハウス
  http://www.green-house.co.jp/


(斉藤成樹)
2007/08/22 11:14
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