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アンテナ一体型で高感度対応! ワンセグチューナー「DH-KONE/U2S」


バッファローのDH-KONE/U2S。標準価格は11,130円。OSはWindows Vista/XPに対応する
 今回はバッファローのパソコン用ワンセグチューナー「ちょいテレ」シリーズから、高感度アンテナ一体型の「DH-KONE/U2S」を紹介したい。

 パソコン用のワンセグチューナーと言えば、軽量コンパクトで携帯に便利なUSBフラッシュメモリ型が主流となっている中、この製品は比較的大柄な据え置き型。USBポートに直接接続するのではなく、約3mのケーブルで接続するという、ワンセグチューナーとしてはユニークな製品だ。

 アンテナとチューナーが一体化した本体には感度向上とノイズ低減のための工夫が凝らされており、電波状況が良好とは言えない場所でも安定した視聴が楽しめるのが大きな特徴となっている。

 本体は明るいシルバーとマットブラックのツートーンカラー。全長は150mm、先端部は約13mmで、基底部は約40mmと先端が細いスティック状の筐体だ。一面が思い切りよく削ぎ落とされた滑らかなフォルムは、SF映画に出てくる宇宙船か近未来高層建築の模型を思わせる。また、下方の最も太くなった部分には本体動作中に青く発光するパワーインジケータがあり、その反対側からはパソコンへ接続するUSBケーブルが伸びている。

 重量は約90gと軽量、高さもあるので、そのままデスクの上などに直立させると安定性は今ひとつ。しかし、底面には強力なマグネットが埋め込まれていて、スチール製の家具やキャビネットがあれば縦でも横でも、あるいは上から吊すように逆さまに固定することもできる。また、付属の吸盤を取り付ければ窓ガラスなどの滑らかな面にも固定できる。このあたりの使い勝手の良さはUSBフラッシュメモリ型モデルの外部アンテナと共通している。


全長150mm、最大径40mm。本体重量は約90gと非常に軽い 裏にあたる部分に削り取ったような切り込みもある

 「ウルトラ高感度」を売りにするだけあって、受信性能は非常に良いようである。アンテナ自体の感度の良さだけでなく、受信した信号の強度を上げるブースターと、それを挟み込むように配置された2つのノイズフィルタが大きな効果を発揮しているようだ。アンテナとチューナーが一体化したユニットを約3mのケーブルで接続する方式なので、全体をノイズの発生源となるパソコンから離れた場所に設置できるというメリットも大きいだろう。

 以前このページで取り上げた初代「ちょいテレ」の場合、受信状況が良いとは言えない筆者の部屋では外部アンテナを取り付けた上で、パソコンから離れた窓際の電波を受けやすい場所に設置しなければならなかった。しかし、DH-KONE/U2Sでは、パソコンを設置したデスクの横にあるキャビネットに取り付けただけで快適に視聴できたのである。もっと条件が良ければそれほどの違いは感じられないかも知れないが、ビルに囲まれた場所や室内などでは大きな差を実感できるのではないだろうか。


底面には強力な磁石が埋め込まれていて、スチール製の家具やキャビネットに固定できるほか、付属の吸盤を取り付けられる 底面に貼り付ける滑り止めのゴム足も付属。ただ、本体が軽量なため、磁石や吸盤を使わずに直立させるのはなかなか難しい

付属の視聴ソフト「PCast TV for ワンセグ」。中央のビデオ画面を挟んでサブウィンドウとデータ放送受信ウィンドウという3パート構成
 DH-KONE/U2Sに付属する視聴ソフト「PCast TV for ワンセグ」も以前の製品に比べると大きく進化しているようである。受信した映像や録画した映像を表示するビデオ画面を中心に、チャンネル情報や番組表などを表示するサブウィンドウ、それにデータ放送を受信するウィンドウという3パート構成。すべてを表示させると情報量が多くなり、煩雑に感じることもあるが、サブウィンドウとデータ放送ウィンドウは必要に応じて隠すことができるので、ムダにデスクトップを占有されることはない。

 操作はウィンドウ内に並んだボタンのほか、マウスのホイールや右クリックメニュー、キーボードからのショートカットにも対応。また、Windows Vistaであればサイドバーの中でガジェットとして動作させることができるので、画面上に常時表示させることもできる。

 録画機能は開始と終了日時を指定するマニュアル方式のほか、サブウィンドウに表示される番組表や、iEPGといったインターネット上の番組表を利用した予約が可能。reserMailやiCommandといったサービスを利用すれば遠隔地からリモート操作でも予約できる。録画データのファイル容量は1時間あたり200MB前後に抑えられているので、ストレージを圧迫することはないだろう。ただ、著作権保護機能として、録画時に使用した「ちょいテレ」を接続していなければ再生できないという制限があるので注意が必要だ。


マウスの右クリックでポップアップするメニュー。ビデオ画面上でのホイール操作でボリュームやチャンネルの変更が可能 開始日時と終了日時を指定した予約録画のほか、サブウィンドウに表示される番組表やiEPGを利用した予約もサポートしている

 再生には新しく「お目当てシーン検索」という機能が搭載された。字幕として表示された文章から任意の文字を検索することで、素早い頭出しが可能なのである。映画やドラマなどの中で語られたフレーズや会話の内容を断片的にでも覚えてさえいれば、即座にそのシーンを呼び出すことができるのだ。パソコンでの作業の合間、ちょっとした息抜きに録画番組を見たい場合などは非常に便利な機能と言えるだろう。

 このほかにも視聴中の放送を一時停止させたり、さかのぼって見ることができるタイムシフトや、指定した秒数をジャンプするCMスキップといった機能を搭載しており、一般的なHDDレコーダなどに近い使用感である。

 今回、試すことはできなかったのだが、筆者としてはワンセグチューナーの2本挿しに対応しているという点が非常に気になってしまった。1台のパソコンに2台の「ちょいテレ」を同時に接続できるのである。それぞれ独立したワンセグチューナーとして動作するので、2つの番組を同時に見たり、あるいは1つの番組を見ながら別のチャンネルで放送されている番組を録画するといった使い方が可能になるのだ。同じ機能の製品を2セット用意する必要はあるが、手軽にマルチチューナー環境を楽しめるのは大きな魅力だ。


録画した番組の字幕情報を利用し、キーワードを入力して見たいシーンを素早く探し出す「お目当てシーン検索」 明るさ、コントラスト、鮮やかさといった色調の調整が可能。周囲の照明やディスプレイの種類に影響されず、安定した映像が楽しめる

 もともとワンセグは携帯機器向けの地上波デジタル放送。パソコン用ワンセグチューナーも、やはり携帯性を重視した軽量コンパクトなUSBフラッシュメモリ型の製品が多い。しかし、ノートパソコンと一緒に持ち歩くという意味ではDH-KONE/U2Sも持ち歩けないというわけではない。それどころか、実用性が高いのではないかという印象さえ持ってしまう。

 まず、アンテナ一体型なのでセットアップが非常に簡単。「PCast TV for ワンセグ」がインストールされていさえすれば、ケーブルをパソコンのUSBポートに差し込むだけで即座に使えるようになるのだ。もちろん、受信状況さえ良ければUSBフラッシュメモリ型もこれと同じだ。しかし、外出先でノートパソコンを広げ、放送を視聴するとなるとオフィス内、あるいはカフェやファストフード店といった室内がメイン。筆者の経験から言えば、こういった場所では電波が弱く、十分な感度を得るためには外部にアンテナを接続しなければならない場合が多い。つまり、一手間余計にかかってしまうのである。

 据え置き型とは言っても全長15cmほどのスティック型で、90gの本体とケーブル分の重量しかない。ノートパソコンと一緒に携帯するのなら、ほとんど負担にはならないだろう。スマートさには少々欠けるかもしれないが、ポータブル機器としての実用性も意外に高いといって良いのではないだろうか。


関連情報

URL
  製品情報
  http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/dh-kone_u2s/
  バッファロー
  http://buffalo.jp/


(斉藤成樹)
2007/09/12 10:58
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