Broadband Watch logo

撮影画像をブログやメッセンジャーで連携可能なWebカメラ「VX-7000」


「VX-7000」は、幅7cmほどのバー型で、コンパクトかつシンプルなデザインだ。標準価格は11,550円
 マイクロソフトのWebカメラ「VX-7000」は、LifeCamシリーズのハイエンドに位置する製品だ。コンパクトなボディに200万画素のCMOSイメージセンサーと、近距離からでも広い範囲を写せる71度の画角を持った広角レンズを搭載している。

 動画で200万画素、静止画はデジタルカメラ並みの760万画素相当という高解像度の映像が撮影できるほか、同社のWindows Live メッセンジャーに最適化されたさまざまな機能を搭載しているのが大きな特徴となっている。

 本体はバー型の非常にシンプルなフォルム。メタリックシルバーのボディ前面に、光沢のあるブラックのパネルがはめ込まれていて、なかなか落ち着きのあるデザインだ。パネルには向かって左にレンズ、右にノイズキャンセル機能を持ったマイクと、ブルーに輝くインジケータランプが配置されている。上面にあるクロームシルバーのボタンはキャプチャ用のシャッターではなく、ワンタッチでWindows Live メッセンジャーのビデオ通話を開始できる「Windows Live Callボタン」だ。

 裏は半分ほどが後方に突き出していて、ここがスタンドにつながっている。本体との接合部と中央部には自由に角度が変えられるヒンジが設けられており、閉じればデスクの上などに置く台座になり、開けばフラットパネルディスプレイなどの上辺にひっかけるクリップになるという便利なスタンドだ。最下部にウェイトが組み込まれているので重心が低く、またパソコンと接続するUSBケーブルも裏面のほぼ中央から出ているため、バランスは非常に良い。


レンズの画角は71度もあるので、広い視野を確保できる。ボディ右端に内蔵されたマイクはノイズキャンセル機能を備えている 上面の長方形がWindows Live Callボタン。これをプッシュするだけで、Windows Live メッセンジャーを使ったビデオ通話を開始できる

 レンズはピント合わせ不要のパンフォーカス式。極端な接写は苦手なようだが、20cmから30cmほど離れればクッキリとした映像が得られる。一眼レフ用の28mmレンズに迫る71度という広い画角はなかなか使い勝手が良い。通常、ノートパソコンのディスプレイパネル上辺にカメラをセットし、キーボードやマウスが扱いやすい姿勢を取ると、レンズと顔との距離が50cm程度になるはずである。この距離でも背景を活かしたバストアップショットを撮ることができるのである。

 ただ、広角レンズには広い範囲を写せるという特徴とともに、視野の隅が歪んで見えたり、遠近感が失われやすいといった性質がある。使い方によっては面白い映像を撮ることができるのだが、ポートレート風のアップを撮りたい場合や背景の写り込みを防ぎたい場合には、5倍まで拡大できるデジタルズームを活用して画角を狭めてしまうと良いだろう。VX-7000は高画素イメージセンサーを搭載しているので、少々拡大しても映像の荒れが気にならないのだ。

 なお、製品特徴の1つとして「クリスタルレンズ採用」が挙げられている。詳細についてはマニュアルや資料などにも記載されていなかったが、これは樹脂製などではなく、透明度や光学性能に優れたガラス系素材のレンズを搭載しているという意味だろうか。いずれにしてもシャープな画質で、相当な広角にもかかわらず周辺部の光量不足が目立たない点は高く評価できる。


スタンドを折りたたむと奥行きは7.5cmほど。ノートパソコンと一緒に持ち歩いても負担にはならない ノートパソコンなどに取り付ける場合はスタンドを開き、カメラユニットつけ根の出っ張りをディスプレイ上辺角に引っかける

カメラのコントロールは映像表示ウィンドウの上部と下部に並んだボタンが中心。どれもアイコン風の凝ったデザインで視認性が良い
 機能面の特徴としては、まず前述のカメラ本体上面にあるWindows Live Callボタンが挙げられる。これをワンプッシュするだけでメッセンジャーのオンラインユーザーを確認し、ビデオ通話が開始できるのだ。他社製Webカメラの場合、本体のボタンはキャプチャ用のシャッターボタンとして割り当てられていることが多いようだが、パソコンをタッチパッドで操作している場合などは、こちらのほうが使い勝手が良いのではないだろうか。

 カメラ機能のコントロールはウィンドウ内の各所に配置されたボタンで行なう。映像の真上に並んだ3つの丸いボタンは、それぞれ静止画キャプチャ、オーディオキャプチャ、ビデオキャプチャの開始と停止だ。左上隅にはLifeCamダッシュボードを呼び出すボタンがある。ここでは撮影している映像にイラストやアニメーションを重ね合わせるビデオ特殊効果の切り替えや、パン、チルト、ズーム倍率の調整が可能だ。

 右下に並んだ3つのボタンはファイル操作用。キャプチャしたデータをメールに添付したり、自動的にサイズ調整した画像をWindows Live スペースへ送信するワンタッチブログ投稿といった機能がまとめられている。


LifeCamダッシュボードではパン/チルト/ズームのほか、映像にイラストやアニメーションを重ね合わせるビデオ特殊効果が設定できる 右下のボタンをクリックするだけでキャプチャしたデータを自動的に縮小、メール添付が行なえる キャプチャした画像をWindows Live スペースへ送信するワンタッチブログ投稿。これもウィンドウ右下のボタンをクリックするだけだ

ウィンドウ右上のボタンは解像度変更用。動画では最大200万画素、静止画では最大760万画素相当の映像が撮影できる 必要に応じて画質を細かく設定することも可能だが、筆者の環境では規定値のままで不満はなかった

VX-7000と同時に発売されたNX-3000は軽量コンパクトなノートパソコン向けWebカメラ。携帯に便利なキャリングポーチが付属する
 VX-7000のパッケージには「OPTIMIZED FOR WINDOWS LIVE」のロゴマークがつけられている。もちろん、他の用途に使えないというわけではないようだが、やはりWindows Live Callボタンやワンタッチブログ投稿、また、大きな特徴となっているビデオ通話中の画像共有などはWindows Live用として最適化された機能。他社のメッセンジャーやWebサービスで十分なパフォーマンスを発揮させるのは難しいだろう。

 ひねくれものの筆者としては、ハードウェア、ソフトウェア、Webサービスのすべてを1社の製品でまとめるのは無難すぎて少々物足りない気がするのだが(笑)、Windows Live メッセンジャーと組み合わせるWebカメラとしては最適な製品の1つと言わざるを得ない。

 なお、VX-7000と同時に「LifeCam NX-3000」も発売された。視野角55度のレンズと3倍デジタルズームを搭載しており、動画で30万画素、静止画は130万画素相当の映像が撮影できるエントリークラスのWebカメラだ。VX-7000のような折りたたみのスタンド式ではなく、厚さ4mmから15mmのフラットパネルディスプレイのフチに取り付けるクリップ式。キャリングポーチが同梱されており、ノートパソコンと組み合わせて持ち歩くのにちょうど良い。標準価格は5,880円。解像度に差はあるものの、機能面ではVX-7000に引けを取らないコストパフォーマンスの高い製品である。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.microsoft.com/japan/hardware/lifecam/vx_7000.mspx
  Microsoft Hardware
  http://www.microsoft.com/japan/hardware/

関連記事
MS、Webカメラ「LifeCam」新製品。メッセンジャー上での画像共有に対応


(斉藤成樹)
2007/10/24 11:06
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.