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高感度アンテナを内蔵! アイ・オーのGPSレシーバー「NAVI CLIP」


「NAVI CLIP(USBGPS2)」の直販価格は22,800円。GPSレシーバーユニットは全長5cmほどながら、高感度アンテナを内蔵している
 アイ・オー・データ機器の「NAVI CLIP(USBGPS2)」は、パソコンとUSBで接続して利用できる軽量コンパクトなGPSレシーバーに、昭文社の地図ソフトウェア「Super Mapple Digital Ver.8 for I-O DATA」が付属したパッケージだ。モバイルノートで利用すればカーナビに引けを取らない詳細なマップ表示と、GPS付き携帯電話のポータビリティーを併せ持ったシステムが簡単にできあがるという、なかなか魅力的なアイテムなのである。

 パッケージに含まれるGPSレシーバーユニットの重量は、わずか18g。全長5cmあまりと非常にコンパクトで持ち運びに困ることはない。フラッシュメモリなどと同じくプラグ一体型なので、パソコンのUSBポートにそのまま直挿しすることができる。ただ、ユニット表面にある製品ロゴがプリントされた部分にGPS衛星からの電波を受信するアンテナが組み込まれており、この面を空に向けて設置しなければならないので注意が必要だ。

 実用上は受信状況の良いロケーションを選べるよう、付属のUSB延長ケーブルを介してパソコンと接続することになるだろう。自動車に積んでカーナビ風に利用する場合には、ダッシュボードやサンバイザーに固定することになるので延長ケーブルは必需品だ。レシーバーユニットの電源はUSBバスパワー。消費電力は100mA以下と低く抑えられているため、バッテリー駆動のノートパソコンでも大きな負担にはならないはずだ。


電源はUSBバスパワーだが、100mA以下の低消費電力なのでノートパソコンのバッテリーに負担をかけることはない 厚みは多少あるものの、外観はUSBフラッシュメモリと変わらない。先端部にはストラップホールもある 付属のUSB延長ケーブルは長さ約2m。レシーバーを自動車のダッシュボートに設置するときなどに役立ってくれる

「Super Mapple Digital Ver.8 for I-O DATA」は全国地図と都市部の詳細図が表示可能。フルインストールには3.6GB以上のHDD容量が必要だ
 GPSレシーバーユニットと組み合わせて使用する昭文社の「Super Mapple Digital Ver.8 for I-O DATA」はDVDメディアに収録され、パッケージに同梱されている。フルインストールにはHDDに3.6GB以上の空き容量を必要とする、かなりボリュームのあるソフトウェアである。

 機能的には、都市部の詳細図を含む日本全国の地図データにさまざまな処理を加えられるマッププロセッサとでも言うべき製品だ。全国各地の地図を検索、参照できるほか、白地図、高速道路強調、鉄道路線強調といったスタイルで自由に表示、画像データとして出力できる。

 外観は一般的なWindows上のアプリケーションとは少々異なった雰囲気だ。上部には見慣れたメニューバーはなく、代わりにリボンと呼ばれるツールバーと、それを切り替えるタブが配置されているのだ。アイコンとプルダウンメニューが混在したユニークなウィンドウデザインではあるが、操作性はタブブラウザを扱っているようで、特に違和感はなかった。

 肝心のGPS関連機能は、上部タブの1番右側に用意されている。左に広域図、中央に詳細図、右にGPSログと衛星の捕捉状況という画面構成だ。パソコンにレシーバーユニットを接続し、GPSナビゲーション開始ボタンをクリックすると、マップ上に移動ルートがトレースされていく。カーナビのような音声ガイダンスやルートの再検索といった高度なナビゲーション機能はないものの、現在位置や経路の確認という用途なら十分すぎるほどの機能である。パソコンの操作に慣れ親しんでいる筆者にとっては、むしろカーナビ以上に使いやすく感じられた。


GPS衛星からの電波を受信しながら自動車で走行。右側には日時や平均速度などのログと電波の受信状況が表示される 衛星を捕捉していれば測位精度はカーナビに引けを取らない。ファストフード店のドライブスルーに入る様子まで細かくトレースされている プランニング機能では、出発地と目的地を指定すれば自動車での走行ルートや鉄道の乗り替え情報がリストアップされる

まっぷるのWebサイトで提供されている情報を取り込み、プランニングなどで活用できる
 インターネットに接続したパソコンならではの使い方としては「まっぷる(URL)」と連携したプランニング機能が面白い。まっぷるのWebサイトでは、各地の観光情報や季節ごとの行楽情報などが位置情報とともに提供されており、それを「Super Mapple Digital Ver.8 for I-O DATA」内にワンタッチで取り込めるのである。その上、車や鉄道などによる目的地までの経路を自動作成する機能があるので、パソコン上だけで綿密なドライブプランや旅行計画を立てることができるのだ。

 地図上に任意のテキストや図形を書き込んだり、画像データを貼り付ける機能も用意されている。例えば、旅先で撮影した写真にコメントを添え、撮影したポイントに貼り付けていけば、それだけで紀行文風のアルバムが作れるし、道案内や物件情報といった用途にも応用しても良いだろう。これらの地図はすべて画像データとして出力可能なので、ブログに投稿したり、メールに添付して送信することができるほか、付属の印刷用アプリケーション「カードエディター」を使って、案内状、ラベル、名刺などに仕上げることもできるのである。

 スペック表によると、USBGPS2 GPSレシーバーユニットの心臓部にはSiRF Technology社の「SiRF starIII/LP」というチップが採用されているそうだ。ちょっと調べてみたところ、なかなか評価の高いGPSエンジンらしい。確かに筆者が使用した範囲では測位精度は非常に良好だった。ジャイロセンサーや車速センサーといった自立航法装置との組み合わせで性能を上げられるカーナビや、基地局情報から大まかな範囲が特定できるタイプの携帯電話のGPS機能とは異なり、純粋に衛星の電波だけで位置情報を取得している点を考えると、感心してしまうほどのパフォーマンスである。

 受信感度も申し分ない。携帯電話のGPS機能がほとんど役に立たない筆者の部屋でも複数の衛星を捕捉していたのには驚かされた。もちろん、空が見渡せる開けた場所に設置するのが理想だが、自動車のダッシュボード上や部屋の窓際など、ガラス1枚が間に入る程度なら感度不足に悩まされることはなさそうである。


地図上の任意のポイントに画像データを貼り付けることができる。旅行やドライブの記録だけでなく、さまざまな用途に使えそうな機能だ 「Super Mapple Digital Ver.8 for I-O DATA」にはビギナー向けのガイダンスプログラムや印刷用アプリケーションが付属する GPSレシーバーユニットの設定を行なう「USBGPS2 Utility」。衛星の捕捉状況や現在位置の緯度経度、高度などが確認できる

「NAVI CLIP」の同梱品一式
 接続ポートや測地系の選択といったレシーバーユニットの設定は「Super Mapple Digital Ver.8 for I-O DATA」ではなく、別途付属している専用ユーティリティーで行なう。画面デザインや電波強度を表すインジケータの色がカスタマイズできるなど、コンパクトながら凝ったツールだ。

 衛星電波の捕捉状況や現在位置の緯度経度が確認できるほか、GPSで時刻を修正する正確な時計として利用できるが、初期設定が済んでしまえば使う機会が減ってしまいそうなのが残念だ。

 なお、GPSレシーバーユニット自体は昭文社の「Super Mapple Digital Ver.8」以外にも、アルプス社の「プロアトラス SV3」、ゼンリンの「電子地図帳Zi10」といった地図ソフトウェアで動作が確認されているようである。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.iodata.jp/prod/multimedia/gps/2007/usbgps2/index.htm
  アイ・オー・データ機器
  http://www.iodata.jp/


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(斉藤成樹)
2007/11/14 11:08
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