今回紹介するのは、イーサプライズの「イヤホンアダプタ」と、プリンストンテクノロジーの「PMS-SA」の2製品。どちらもパソコンでヘッドセットを利用したいときに活用できる便利なアイテムだ。
■ 愛用ヘッドフォンがマイク付きヘッドセットにできる「イヤホンアダプタ」
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イーサプライズの「イヤホンアダプタ」。ホワイトとブラックが用意され、実売価格は600円前後
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イーサプライズの「イヤホンアダプタ」は、パソコン用のピンマイクとヘッドフォン用の延長ケーブルを一体化させたオーディオアクセサリーだ。実売600円前後という手頃な価格ながら、普段使用しているオーディオプレーヤーのヘッドフォンを接続するだけで、マイク付きのヘッドセットに早変わりさせられるというアイデアものの製品である。気に入ったヘッドセットがなかなか見つからないというユーザーや、ムダな荷物を増やしたくないモバイル派のユーザーにお勧めしたいアイテムである。
ケーブルの長さは1mほど。その一端にヘッドフォン出力端子に挿し込むグリーンのプラグとマイク入力端子に挿し込むピンクのプラグが取り付けられている。もう一端は、コンデンサマイクを内蔵したスティック形の小さなユニット。ここにはヘッドフォンからのケーブルを接続するミニピンジャックが設けられている。
パソコン用周辺機器というカテゴリの製品ではあるが、小型のピンマイクとして単体利用もできるし、通常のヘッドフォン用延長ケーブルとして利用することもできる。アナログ音声入出力用のミニピンジャックを備えたオーディオ機器やICレコーダーなら流用可能だろう。
ユニットに接続するヘッドフォンはオーバーヘッド型でもインナーイヤー型でも、3.5mm径のミニピンプラグがついた製品であれば、何でも構わない。個人的にはポータブルオーディオプレーヤーなどに付属するリモコンユニット中継式のケーブルが短いタイプが使いやすかった。
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マイクを内蔵したユニットの全長は約4cm。マイク口の右にある長楕円はダミーのようだが、指向性を作り出すシカケなのかもしれない
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マイクユニットの裏側にはクリップが設けられており、シャツや上着の襟元、胸ポケットなどに挟んで固定できる
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この小さなアクセサリーが気になった理由の1つは、好みのヘッドフォンをマイク付きのヘッドセットとして利用できるようになるという点だ。マイク一体型の製品は音声チャットなどでの利用を前提としているため、人が話す音域、125Hzから500Hzあたりを中心に再生するよう設定されている場合がある。このタイプは確かに会話はしやすいのだが、音楽などでも電話を通しているように聞こえてしまうのだ。
これに対して一般の音楽用製品は、メーカーや機種によって多少の差はあるものの、低音域から高音域までまんべんなく再生できるように設計されている。この違いは意外に大きいのではないだろうか。ちなみに、筆者はチャットを楽しむときでも音楽用のヘッドフォンを使っている。まるで近くにいる人とダイレクトに会話しているような、リアルな臨場感を楽しむことができるからだ。
全長4cm、直径1cmほどの小さなユニットに内蔵されたマイクはコンデンサ型。周囲の音を平均して拾う無指向性ではなく、無関係の音を排除しやすい単一指向性マイクが採用されている。周波数特性は30Hzから16KHzと会話には十分。感度にも不満はなかった。
ユニット裏側にはクリップが取り付けられており、シャツや上着の襟元、胸ポケットなどに挟み込むことができる。取り付け方向によっては衣服が擦れる音が目立ったり、周囲の音を拾ってしまうこともあったが、実用上は問題のないレベルと言えるだろう。
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ピンクがマイク用、グリーンがヘッドフォン用の3.5mmミニピンプラグ。パソコン関係ではお馴染みの配色だ
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3.5mmミニピンプラグで接続するタイプならヘッドフォンの種類は問わない。筆者個人としてはケーブルの短いものが使いやすかった
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■ オーディオ端子のない環境でマイクやヘッドフォンを接続できる「PMS-SA」
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プリンストンテクノロジーの「PMS-SA」。USBポートに直挿しするタイプのUSBオーディオアダプタだ。実売価格は3,000円前後
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もう1製品は、プリンストンテクノロジーの「PMS-SA」だ。PMS-SAは、プラグ一体型の軽量コンパクトなUSBオーディオアダプタで、USBポートに直挿しして、マイクとヘッドフォンを接続できるという製品である。
一般的なパソコンでの必要性は高くないかも知れないが、Macintoshや小型軽量のモバイルノートパソコンなど、デザインコンセプトや内部スペースの制約からアナログオーディオ入出力端子を装備していない機種で活躍するアイテムである。
形状はUSBフラッシュメモリのような細長いバー形で重量約10g。ホワイトのボディにメタリックシルバーのロゴというカラーリングである。
今回合わせて紹介しているイヤホンアダプタと偶然にも同じカラーリングだったので、全体をカラーコーディネートしたかったところだが、手近にホワイト系のヘッドフォンが見あたらず、ちょっと悔しい思いをした。
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重量約10g、プラグ部分を含めた全長は67mmと非常に軽量コンパクト。消費電力も50mA以下と低く抑えられている
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オーディオ機器を接続するジャックはUSBプラグの反対側に配置。ピンクがマイク用、グリーンがヘッドフォン用だ
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両製品を組み合わせて見たところ
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USBプラグの反対側にあるミニピンジャックはピンクとグリーンの縁取りが施され、マイク用とヘッドフォン用が一目で見分けられる。周波数特性はマイク入力で300Hzから10KHz、ヘッドフォン出力では100Hzから20KHz。ノイズも低く抑えられているようで、チャットや効果音再生、ちょっとした音楽再生には十分なパフォーマンスと言えるだろう。
対応OSはWindows Vista/XP/2000とMac OS X 10.3以降が動作するパソコン。さらに、ファームウェアが「バージョン1.70以降」のプレイステーション 3にも対応している。OSが標準装備するドライバで動作するのでソフトウェアのインストールは不要。使いたいときにUSBポートに挿し込むだけですぐに利用できるようになるのは非常に有り難い。
アナログオーディオ入出力のないパソコンだけでなく、マイク入力端子やヘッドフォン出力端子の接触不良など、ちょっとしたトラブルのときには緊急用としても役立ってくれそうである。
■ URL
イヤホンアダプタ 製品情報
http://www.e-supplies.jp/product/adapter_list3.html
PMS-SA 製品情報
http://www.princeton.co.jp/product/mobile/pmssa.html
(斉藤成樹)
2007/11/28 10:59
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