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CDやラジオをSDカードやUSBメモリに録音できる! ケンウッド「CR-A7USB」


「CR-A7USB」の実売価格は22,800円前後。本体色はシルバーのほか、ブルーもラインナップする
 ケンウッドの「CR-A7USB」は、本体前面にSDカードスロットとUSB端子を搭載したオーディオシステム。CDやラジオ番組の音声を、本製品に接続したSDカードやUSBメモリに録音できるのが特徴だ。

 CR-A7USBの本体サイズは378×101×158mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.1kg。ケンウッドの商品紹介ページやカタログの写真を見た範囲では多少大きい製品かとイメージしていたが、実際は奥行きが10cm程度なので考えていたよりは威圧感はない。筆者が普段利用している机の端に置いてみたが、作業中に気になることはなかった。

 操作ボタンは上面部分に集中している。各機能の表記は日本語が主に使われており、戸惑うことも少ないだろう。また、録音に関しては本体上から行なう必要があるが、再生や音量調節などは同梱のリモコンで行なえるため、少し離れた場所からでも操作が可能な点は有り難いところだ。

 背面部には取っ手があり、持ち運びがしやすいようになっている。ただし、乾電池駆動には対応していないため、実質は室内での移動時の利用が主になるだろう。また、ラジオを聴く場合には付属アンテナを接続する必要がある。CDやSD/USBメモリ再生はともかくとして、ラジオをメインで使用する場合には据え置き型と考えた方が良さそうだ。


本体側の操作ボタンは上面に集中している 取っ手も備え、持ち運びもしやすい

本体上面の「CDドアオープン」ボタンを押すと前面部が開く 本体背面。右側にはAM/FMアンテナケーブルをそれぞれ接続する端子がある

SDカードとUSBメモリを接続したところ。USBメモリは筐体部が大きく出るので持ち運び時には注意したい
 本製品ではCD再生やラジオ聴取に加えて、SDカードやUSBメモリに保存した音声ファイルの再生、それにCDやラジオの録音が可能な点が特徴の1つと言えるだろう。本製品で使用可能なSDカードの容量は最大2GBまでで、アダプタを利用すればminiSD/microSDカードも利用可能だ(SDHCは非対応)。携帯電話の機種変更などで使用しなくなった、miniSDカードを流用すれば、新たにSDカードを用意する必要もなくなるだろう。

 USB端子はUSBメモリのほか、USBマスストレージクラスに対応したデジタルオーディオプレーヤーなども接続できる。また、ケンウッドのデジタルオーディオプレーヤーを接続できる「D.AUDIO入力端子」も搭載。別途発売している専用ケーブルを用意することで、対応機種の操作が本製品上で行なえるようになる。なお、利用可能なSDカードおよびUSB機器については、サポートページも用意されている(該当URL)。


iTunes Storeで購入したDRMフリー楽曲を再生したところ。アーティスト情報などID3タグも表示できる

録音時には録音先デバイスのボタンが赤く点灯する
 再生可能なファイル形式は、SD/USBともにMP3/WMA/AAC/PCMの4形式。著作権保護された楽曲の再生には対応しないが、音楽配信サービス「iTunes Store」などで販売されているDRMフリー楽曲であれば再生が行なえる。録音に関しては、MP3(96/128/192kbps)とPCMの2形式から選択できる。添付の注意書きによれば、SDカードに関してはClass 6以上の製品を推奨している。これはPCM録音時に音切れなどの症状が起きる可能性があるからだという。ラジオ録音は128kbpsのMP3に固定されるが、PCM形式での録音を主な利用シーンに考えている場合には注意した方が良さそうだ。

 再生と録音に対応したタイマー機能は、合計5個まで設定できる。録音に関しては、1回あたり最長5時間まで録音が可能だ。タイマーは1回/毎日/曜日指定の毎週動作、再生/録音の動作選択がある。再生を選択した場合にはCDやAM/FMラジオ、SD/USBメモリなどから音源を選択。録音の場合は、FM/AMやマイク入力、D.AUDIO入力の録音元と音質に次いで、SDとUSBメモリのどちらに録音するかを選択する。なお、録音設定時の音量がそのまま録音動作時に反映されるため、無音で録音させる場合には音量を0にした状態で行なう必要がある。また、タイマーは電源がオフ状態でのみ動作する。

 ラジオ番組の録音用途の場合を考えると、設定可能なタイマー数に少なさを感じるかもしれない。ただ、SDカードやUSBメモリと比較的に安価に購入できる機器を使用する点と、タイマー予約単位でSD/USBの録音先を選択できる点を踏まえて、指定した時間を毎日録音してしまうのも手かもしれない。仕様ページを見ると2GB容量のメモリであれば、約32時間の録音が可能だとしており、単純計算で1日4.5時間程度の録音が可能になる計算だ。多少手間はかかるかもしれないが、2つの録音先を選べる点をメリットと考え、活用するのも良いだろう。

 録音機能ではこのほか、ボタン操作によるCDなどの直接録音やマイク入力の音声を録音できる機能、D.AUDIO入力端子に接続したケンウッド製のポータブルオーディオプレーヤーに保存した楽曲を、SDカード/USBメモリに録音できる機能なども用意している。CDからは倍速録音も可能だ。なお、SDカードとUSBメモリ間では音声ファイルの移動にも対応するが、この場合は移動元のファイルが削除され、HDDレコーダで言う「ムーブ」扱いになる。


録音元から録音先の情報も表示される タイマー設定画面

ファイル/フォルダ移動画面。移動後は元ファイルは削除される 英数字/半角カナによる文字入力も行なえる

付属のリモコン。本体ボタンと同様に日本語表記されている
 メモリやHDDに対して、CDやラジオ番組を録音できる製品はすでに市場に多数登場している。週に数番組のラジオ番組を録画している筆者も幾つかの製品を試してきたが、未だに決定打になる製品に出会えてはいない。かといって、次々と買い換えるほど余裕もないので、本製品のように2万円前後で購入できる製品であれば、期待していた利用ができなかった場合にも心の被害を最小限に抑えることができる。また、コンポなどと違って、そこそこのスペースがあれば設置が可能な点は、決して綺麗とは言えない筆者の部屋としても有り難いところだ。

 SDカードやUSBメモリなど、比較的安価に入手できる外部メモリを使用してCDやラジオ番組の録音が可能は製品は、カセットテープ感覚でメモリを入れ替えて録音ができる製品とも言える。こうしたメモリが手元に余っている場合には、メモリの残り容量に合わせて入れ替えながら利用するのも良いだろう。また、タイマー予約では設定単位で予約先のメモリを変更できるのは便利だと感じており、当面は本製品を使いながら過ごそうと思っている。

 なお、個体差かもしれないが、今回使用してきた中で気になった動作もあったので最後にお伝えしておきたい。それは、何らかのタイミングで稀にディスプレイ部に何も表示されなくなってしまう点だ。ACアダプタを抜き差しすれば再び表示されるようになったが、ファームウェアの修正で改善可能な問題であれば、Webサイトなどを通じた配布を是非とも望みたいところだ。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.kenwood.co.jp/j/products/home_audio/personal_stereo_system/cr_a7usb/index.html
  ケンウッド
  http://www.kenwood.co.jp/


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(村松健至)
2008/01/09 11:26
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