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増設対応で最大4番組の同時視聴が可能! ロジテック「LDT-1S30X4U」


LDT-1S30X4Uの直販サイト価格は16,800円。アンテナや突起部を除いたサイズは121.8×112.5×36.2mm(幅×奥行×高)で、重量は約300gだ
 ロジテックの「LDT-1S30X4U」は、「1SEG STATION」という名称がふさわしい据置型のUSBワンセグチューナーユニットだ。かなり大柄なので持ち歩くには不向きではあるが、2台の内蔵チューナーに加え、外部チューナーユニットの増設に対応。最大4番組の同時視聴や同時録画が可能という拡張性を備えている。

 さらに3本の高感度アンテナにブースターを搭載し、受信機としての性能が高められている点も大きな特徴だ。本来は移動機器用のワンセグ放送ではあるが、LDT-1S30X4Uであれば、自宅でもオフィスでも、一般のテレビ以上の視聴環境が実現できそうである。

 LDT-1S30X4Uを見て、まず目につくのがボディの窪みの奥に配置された2つのUSBポート、それにボディ根本から伸びる赤いケーブルだろう。前者のUSBポートは、通常の2ポートUSBハブとして利用できるのだが、本当の目的は別にある。それは別売の同社USBワンセグチューナーを接続し、同時視聴、同時録画番組数を増やせるというものだ。2ポートの両方に増設したとすると、本体内蔵分と合わせて計4チューナーのユニットにアップグレードできるのである。

 昔の電子玩具のような赤いケーブル。普段はUSBポートの横にあるダミージャックに接続されているのだが、実はこれも増設時のアンテナ接続に使用する。USBワンセグチューナーのロッドアンテナを取り外し、代わりにこのケーブルを挿し込むのである。

 USBポートに剥き出しのケーブルというユニークな外観は、コンパクトなUSB型やスマートなアンテナ一体型が多いパソコン用ワンセグチューナーとしては異彩を放っている。フリップ式のカバーをつけるなど、もう少し見た目をスッキリとまとめる方法はあっただろう。しかし、据置型という前提で増設チューナーを接続したり、USBハブとして利用する場合の使い勝手を考えると納得できるデザインなのだ。好みは分かれるかも知れないが、筆者としてはこういった実用本位の設計には好感を持ってしまった。


本体の窪みの奥にUSBポートが2つ並ぶ。チューナーユニットの増設用だが、通常のUSBハブとしても利用可能だ 増設チューナーユニットを2台セットした“フル装備”状態。アンテナやケーブルが四方八方に突き出した迫力ある外観となる

3本のロッドアンテナを装備。マニュアルにはメインアンテナとセカンドアンテナの角度を45度前後にするよう推奨されている
 LDT-1S30X4Uでは、アンテナも外観上の大きな特徴となっている。一般的な伸縮式ロッドアンテナに加え、左右に1本ずつ、合計3本のアンテナを備えているのである。しかも、中央のメインアンテナは15.1cm、左右のセカンドアンテナは12.3cmと、長さが異なっている。

 これは3本の中から受信状態の良いものを選んで優先的に使用するダイバシティではなく、セカンドアンテナを仮想的なアースとして利用するグランドプレーンと呼ばれるタイプとのこと。無線用としては非常にポピュラーで、安定した受信性能が期待できるそうである。実際、感度は非常に良好で、筆者の自宅内では受信できない場所を探す方が難しかった。

 本体に装備されたアンテナでは感度が不足する場合は、家屋の屋根やベランダに設置されているTVアンテナを利用できる。中央のメインアンテナにはF型というネジ込み式コネクタが採用されているので、これを取り外せば室内に引き込まれているアンテナ線を直結できるのだ。手軽なパソコン用ワンセグチューナーとはいえ、家庭向けのテレビモニターと比べても遜色のない設計である。


メインアンテナはF型と呼ばれるネジ込み式のコネクタで固定。取り外せば室内に引き込まれている屋外TVアンテナの同軸ケーブルも接続可能だ ミニBタイプのUSBポートとDC電源端子は側面にある。ACアダプタが付属しているが、本体のみで使う場合には接続の必要はない

「らくデジビュー」。ウィンドウがブラック/グレー系で統一されており、視覚的に邪魔にならないのは好感が持てる
 パッケージには専用ソフト「らくデジビュー」が付属する。シングルウィンドウのシンプルなアプリケーションではあるが、マルチチューナー時にはチューナーの数だけウィンドウを表示できる。各ウィンドウとチューナーユニットは1対1の関係で独立性も高く、複数を同時使用しても混乱することなく扱えるのが特徴だ。デザイン面でもダークグレー系の色を多用しているためか、ウィンドウ枠やボタン類が視覚的に邪魔にならず、映像に集中できるのは有り難い。

 機能的には視聴番組の録画と再生、静止画キャプチャといったベーシックな機能に加え、さかのぼり録画やタイムシフト再生といった便利な機能もしっかりと用意されている。もちろんタイマー予約も可能で、日時指定のほか、EPGやiEPGによる簡単番組予約、また外出先からのメールによるリモート予約操作に対応している。

 通常のパソコン用ワンセグチューナーは著作権保護のため、録画再生に制限を設けている場合が多い。録画時に使用したユニットを接続しておかないと録画ファイルを再生することができないのだ。LDT-1S30X4Uも例外ではないのだが、この点はマルチチューナーならではの対策が図られているので心配は無用。任意のユニットを再生用として指定し、それが接続されていれば、どのチューナーで録画した番組でも扱えるよう、ファイルをコンバートする機能が用意されている。最大4台のチューナーを同時に使用できるるからといって、それぞれの使用状況を細かく把握する必要はない。


左端のボタンをクリックすると映像表示部が小さくなり、左側からデータ放送ウィンドウが表示される マルチチューナー使用時でもウィンドウが1対1で対応するため非常に扱いやすく、また設定項目などもシンプルにまとめられている

録画予約は日時を指定するマニュアルのほか、EPG、iEPGを利用した簡単予約、リモート予約にも対応する 本体に2台のチューナーを増設し、4つのウィンドウをディスプレイ上に敷き詰めてみる。4番組の同時視聴は圧巻だ

パッケージには本体のほか、コンパクトなACアダプタ、長さ1.5mのUSBケーブル、ドライバなどを収めたCD-ROMとマニュアルが同梱されている

増設用に使用したロジテック「Wセグ LDT-1S301U」。高感度な2本のアンテナを装備したプラグ一体型のUSB接続型ワンセグチューナー。直販サイト価格は9,980円
 本体はツヤ消しのブラックに真っ赤なアンテナケーブルが映える精悍な配色。どことなく愛嬌のある三角オニギリ型の形状と不思議にマッチしている。ボディ底部にはマグネットが埋め込まれており、スチール製のデスクやキャビネットの側面に固定することもできる。金属面が電波を遮らないよう注意しさえすれば設置場所に苦労することはないだろう。

 本体の側面にはパソコンと接続するミニBタイプのUSBポート、それに外部電源用のジャックがある。ACアダプタも付属しているが、これはチューナーユニットを増設する場合や、ハブとして他のUSB機器を接続する場合に電力供給を補うためのもの。本体単独のダブルワンセグチューナーユニットとして利用する場合はパソコンのUSBポートから供給される電力のみで動作するため、接続の必要はない。

 今のところ、増設用として使用できるのはロジテックの「Wセグ LDT-1S301U」のみのようである。もちろん増設専用というわけではなく、これ1台でワンセグ放送が楽しめるコンパクトなUSBワンセグチューナーユニットだ。LDT-1S30X4Uと同じように、長さが違うロッドアンテナを2本装備しているのが特徴。一方のアンテナが水平に固定されているところをみると、こちらもグランドプレーン方式を採用しているようで、安定感のある受信性能が印象に残った。

 今回は幸いにもLDT-1S301Uを増設用に2台、つまりフル装備で試用することができたが、もちろん1台だけでも問題ない。自宅やオフィスにあるパソコンにはLDT-1S30X4Uを接続しておき、持ち歩くノートパソコンではLDT-1S301Uを使用する。見たい番組が重なったときにはLDT-1S30X4UにLDT-1S301Uを挿し込んでトリプルチューナー化する。ちょっと贅沢ではあるが、パソコンでワンセグ放送を受信するなら理想的な組み合わせと言えそうである。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.logitec.co.jp/products/1seg/ldt1s30x4u.html
  ロジテック
  http://www.logitec.co.jp/


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(斉藤成樹)
2008/01/16 11:06
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