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PCカードが有線マウスに変身! 上海問屋「SlimG4」


製品パッケージ。製造国は韓国で、説明は日本語/英語/韓国語で書かれている
 エバーグリーンの直販サイト「上海問屋」で販売されている「SlimG4」は、PCカードサイズの光学式マウスだ。フラットな形状で持ち運びに便利な一方、利用時には「へ」の字状に変形して手にフィットしやすくなるという、ユニークな製品である。販売価格は3,999円だ。

 「PCカードサイズ」ではあるが、幅×奥行きがPCカードと同等となり、厚みについては考慮されていない。また、PCカードスロットに挿すためのガイド機構なども実装されていないので、PCカードスロットに挿して持ち運ぶことはできない。つまり、本製品で言う「PCカード型のマウス」は、「PCカードと同等の表面積を持つ薄型マウス」という表現のほうが正しいことになる。


製品本体。今回試用したのはアイボリー マウス形態に変形した状態

「変形」にかかる所要時間は約30秒~1分

手のひらにすっぽり収まるサイズ。ホールド感は高くはない
 本製品でキモとなるのは、カード形態からマウス形態への「変形」にある。恐らく、マウス本来の機能よりも、そちらに惹かれる人のほうが多いはずだ。ここではそのステップを、写真とともに順を追って見ていきたい。

 まず最初に、裏面のリールを回しながらケーブルを伸ばす(写真A)。ケーブルは極細タイプで、長さは約70cmほど。リールはカチカチと音を発しながら回るタイプで、そこそこ手応えがある。

 ケーブルが伸び切ったら、リール中央に固定されているUSBコネクタを取り外す(写真B)。USBコネクタは一般的な金属製のガードがなく、コネクタ部分が完全にむき出しになっており、USBポートに挿入する際に裏表を間違わないよう気をつけたい。


写真A:裏面。まずはリールを回転させ、ケーブルを取り出す 写真B:ケーブルが取り出し終わったら、リール中央にあるUSBコネクタを外す 写真C:胴体を180度回転させる

 次に、胴体を中央でひねって半回転させ、ボディを山折りの形にする。山折りによって「ヘ」の字型の立体形状になることで、手に持った時のホールド感が向上するというわけだ(写真C、D)。

 そして最後に、マウス先端にある動作部をスライドさせ、前方に伸ばせば完成(写真E、F)。カード形態からマウス形態までの「変形時間」は、だいたい30秒~1分といったところだろうか。


写真D:回転が終わり、「へ」の字状になったところ 写真E:先端の動作部を裏返す 写真F:完成。ちなみにカード形態に戻す場合にはケーブル巻き取り作業が発生するため時間を要する

マウスとしての機能は一般的。操作性や読み取り精度はもう1つ

先端の動作部はスライドさせることが可能。これは1番伸ばした状態
 一方で、マウスとしての機能はごく一般的。先端には2ボタンがあり、間にはホイールが実装されている。このホイールは物理的にクルクル回すタイプではなく、タッチパネル方式になっている。それ以外は至って普通のマウスだ。

 実際の使い勝手に関しては、残念ながら評価はあまり高くはない。例えば、リールで巻かれてらせん状の癖がついた極細ケーブルは、マウスの下に巻き込まれる可能性もあり、細すぎて耐久性に不安がある。

 また、マウスを少しでも持ち上げると、先端の動作部が下を向いてしまうため、注意しながらの操作が必要だろう。このほか、白色の光学センサの読み取り性能は厳しく、外出先の喫茶店にある木製テーブルで試してみたが、ほとんどカーソルが動作しなかった。なお、パッケージに薄型マウスパッドが同梱されており、環境によってはこれを併用するのが良いだろう。

 逆に評価できるのは左右ボタンだ。意外にもしっかりしたクリック感があって、驚かされた。また、標準ドライバで動作するため、ドライバインストールが必要でない点もメリットの1つと言える。


こちらは1番短くした状態 スライド式になっている先端の動作部は容易に分離する。すなわち、マウス機構自体はCFカード程度の面積内に収められていることになる 同梱品一覧。ポーチと薄型マウスパッドが付属

ギミック重視の「見せるための」製品

先端の動作部をスライドさせずに利用することも可能。個人的にはこちらのほうが安定していて好ましいと感じた
 ところで、胴体を半回転させて角度をつけるという構造に既視感を感じた人もいるのではないだろうか。おそらく、見覚えがあるのは本製品のおよそ1年前に発売された、エレコムのモバイルマウス「M-D13URシリーズ」ではないかと思う(製品URL)。

 同製品もまた、本体を180度回転させて本体後部を持ち上げ、握りやすくするという設計思想を持っている。具体的な比較は写真をご覧いただくとして、本体の中央部で半回転させて起伏を作るといった構造は類似しており、ホイール部にタッチパッドを採用している点も同様だ。

 ただ、実際に使い比べてみると、華奢で折れそうな本製品と、重厚で安定感のあるエレコム「M-D13URシリーズ」の違いは明白である。もし本製品がPCカードスロットへの挿入に対応しており、さらに無線対応でPCカードスロット挿入中に充電に対応できるような仕組みがもしあれば、対等に戦えるレベルになっていたかもしれない。

 以上、数日間使い続けてみたが、ギミックの面白さはともかく、その操作性は厳しいと言わざるを得ないのが結論だ。ただ、価格は4,000円以下と良識的な範囲内なので、ノートPCのタッチパッドはどうしてもイヤ、でも体積のあるマウスを持ち歩くのは面倒という人で、オモシログッズ好きであれば試してみるのも良いかもしれない。


よく似た機構を持ったエレコム製モバイルマウス「M-D13URシリーズ」(奥)との比較 フラットな状態での表面積はほぼ同じくらい。回転機構やホイール部のタッチパッド仕様である点は良く似ている 薄さに関しては本製品が圧勝

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.donya.jp/item/5086.html
  上海問屋
  http://www.donya.jp/


(山口真弘)
2008/01/23 11:04
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