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無線LANを探知できる! “電波系”Tシャツ「WiFi Detector Tシャツ」


ThinkGeekの「Wi-Fi Ditector Tシャツ」。S/M/L/XLの4サイズを用意。入手先「にぎわい商店」の通販価格は4,725円だった
 今回ご紹介するのは、なんと無線LAN探知機能を持ったThinkGeekのTシャツ「WiFi Detector Tシャツ」である。無線LAN電波探知機と言えば、本来は屋外で公衆無線LANサービスのアクセスポイントや、住居内やオフィス内で電波状況の良いロケーションを見つけるためのアイテムだ。それをウェアラブルにしてしまったのである。

 このTシャツは無線LAN電波の有無と強度を表示する。それも、胸元のイルミネーションで大々的に、だ。着ている本人より、むしろ周りにいる人に対して無線LANアクセスポイントの存在を喧伝するという、もしかしたらはた迷惑かもしれないアイテムである。

 無線LANの電波状況を表示するのは、胸元に取り付けられたゴムシートのようなデカールだ。横18cm、縦12cm程度。厚さは1mmもないだろう。手触りも固さも硬質ゴムのシートのようで、ある程度たわませたり曲げたりすることができるが、折りたたむことはできない。

 無線LANアクセスポイントからの電波を受信すると、デカールに描かれたタワーのイラストと「802.11」のロゴマーク、さらに左右にある「(」「)」のイルミネーションが電波の強弱に応じて青く輝くというシカケである。照度はかなり高い。さすがに昼間の屋外では目立たないが、室内や薄暗い場所では目にしみるほどだ。

 発光方式にはELを採用しているらしい。デカールの素材自体が光を発しているようで、なかなか不思議な眺めである。ただ、EL機器では仕方がないかもしれないが、発光中は「キ~ン」という高周波音が出ることがある。静かな場所では筆者にもハッキリと聞き取れるので、携帯電話の着信にモスキート音を使うような年代の人達には少々うるさく感じられるかもしれない。


胸元に取り付けられたゴムシートのようなデカール。IEEE 802.11b/11gの無線LAN電波に対応する デカールを貼付する場所、中央付近にボタンホールのような穴が開けられており、ケーブルはここを通して接続 デカールはかなり力を入れないと引き剥がせない。取り外すときは生地や接続ケーブルを痛めないよう注意が必要だ

デカール、ケーブル、バッテリケースは取り外しが可能。Tシャツは洗濯機などで丸洗いできる
 電源は単4形アルカリ乾電池3本。クレジットカードサイズのバッテリケースに収納した上で、スソの内側左にある小さなポケットに入れておく。重さが気になる場合はケース裏のクリップでズボンのベルトやポケットに挟み込んでも良いだろう。胸元のデカールとはフラットケーブルで接続する方式だが、シャツと同じ素材のチューブを通すので、汗でベタついたりすることはない。

 この製品の大きなセールスポイントの1つはイルミネーションが付いたデカールとケーブル、それにバッテリケースを取り外すことができるという点である。つまり、普通のTシャツと同じように洗濯機で丸洗いできるのだ。ちなみに、デカールはTシャツの生地に「hook and loop fasteners」で貼り付けられている。仕組みはベルクロ(マジックテープ)と似ているが、接着面は毛羽だっておらず、触れてもデコボコした感触があるだけ。にも関わらず、ムリに引き剥がせば生地やケーブルを痛めるのではないかと心配になるほど強力に貼りつく。筆者は初めて見るタイプだ。

 このTシャツ、機能といいデザインといい、単なるジョークで片付けてしまうのは惜しいので、実用品として扱うことにした。とりあえずは自動車の助手席、背もたれにかぶせて街中をドライブしてみる。通常の探知機なら、ここぞという地点で取り出して操作、チェックという手順を踏むのだが、このシャツならそんな面倒は必要ないからである。結果、こんな場所でも無線LANが使われていたのか、という意外な状況に何度も出くわした。あくまでも電波の有無と強度がわかるだけなので、後々再チェックする必要はあるが、目安を付けられるという意味ではなかなか使えそうである。


バッテリケースはクレジットカードサイズ大。デカールへ接続するケーブル用のジャックと電源スイッチがある 重さによるシャツの引きつりが気になる場合は、裏側にあるクリップをズボンのポケットやベルトに挟むと良いだろう 電源は単4形アルカリ乾電池3本。連続動作時間は不明だが、かなり長時間使い続けても消耗しているような様子はなかった

スソの内側、左の目立たない場所にバッテリケース収納用の小さなポケットが縫い付けられている 接続ケーブルは薄いフラットタイプ。シャツと同じ素材のチューブを通して接続するので肌に不快な感触はない バッテリケースを取り付けたままハンガーにかけると左に傾いて形崩れしてしまう。普段は取り外しておいた方が良さそうだ

電波状況がもっとも良い状態。「バリ5」とでも呼べば良いだろうか(笑)。周囲を照らすほどの明るさだ
 さて。このTシャツに対する人々の反応はどうだろう。本来ならこれ1枚で街中を闊歩したかったところだが、今は1月下旬。仕方なく、スウェットの上に重ね着して知人宅を訪ね歩いてみた。確実にウケるのは、やはりパソコン関係の知識が豊富な人だ。ある知人は、タワーのイラストから何らかの電磁波に反応してことは理解してくれたようだが、こちらから説明するまでは携帯電話だと思っていたらしい。「802.11」という数字を周波数と勘違いしていたのだ。確かに800MHz帯といえば日本の携帯電話で使われている周波数の1つである。

 パソコン関係に詳しくない人の場合には、「よくわからないけど、光ってて綺麗」という薄い反応が返ってくることがある。こういう状況になったら、Tシャツのことは忘れて、ほかに話題を振った方が良いようだ。ここぞとばかりに説明しても大して興味を持ってもらえず、ちょっと寂しい思いをしたことがあった(笑)。少々マニアックなだけに、相手とTPOを選ぶジョークアイテムなのかも知れない。


バッテリケースのスイッチを入れると、まずタワーが点灯。電波が見つからない場合もこの状態だ 電波を探知するとタワーに加え「802.11」のロゴが輝く。強度に従って「()」が内側から外側に向かって点灯していく 車の中で撮影。筆者の自宅周辺では「バリ5」状態の連続だった。イルミネーションを活かすため感度が高めなのだろうか

関連情報

URL
  にぎわい商店(StrapyaNext) 製品情報
  http://item.rakuten.co.jp/keitaistrap/406-0991ess/
  StrapyaNext
  http://www.strapya.com/
  Think Geek 製品情報(英文)
  http://www.thinkgeek.com/tshirts/generic/991e/

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(斉藤成樹)
2008/01/30 11:18
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