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キャラのポーズを自由自在に変更できる！ 「アレンジOK！ 素材集」 |
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ただ、自分でこうしたイラストを描くスキルや環境がない場合、いわゆる素材集などのお世話になるのが一般的だ。しかし、市販の素材集は決められたカットしか収録されておらず、点数に制限もあり、思い通りの絵柄やポーズを見つけるのはなかなか難しい。かといって、イラストが必要になるたびプロに依頼するのでは、予算がいくらあっても足りない。 今回紹介するジャストシステムの「アレンジOK！ 素材集」は、人物のポーズや表情、アングル、タッチなどを自由に調整して出力できる画期的なソフトだ。これがあれば、さまざまなパラメータを自分で調整しながら、思い通りのカットを出力し、Officeファイルなどに貼り付けて利用できる。また、人物以外にも多数の素材が登録されており、これらもアングルを変えられるほか、人物と組み合わせも可能だ。 ■ ドラッグ＆ドロップで表情や目線、手の形などが変更可能
操作方法は、左ペインから人物の服装や表情、目線、手の形といったパーツを選び、中央ペインに表示された人物にドラッグ＆ドロップしていく。組み合わせは自在に変更が可能なため、文字通り無限のバリエーションを生み出すことができるわけだ。 また、右ペインにある「雰囲気パネル」を使えば、アウトラインを太くしたり、なくしたり、全体を塗りつぶす、モノトーンにするといった操作が行なえる。これにより、イラストの雰囲気をがらりと変えたり、複数カットで見た目の共通性を持たせられる。また、アングルや光源を変えたり、レンズを広角・標準・望遠・平行に切り替えも可能だ。
作成した画像は、PNG形式で出力できるので、そのままOfficeソフトに貼り付けたり、Webに掲載するといった利用ができる。また、3Dソフト「六角大王」のファイル形式にも対応しているため、作成データを出力した上で、六角大王であらためて調整することも行なえる。 このほか、ごく一部の素材に限られるが、アニメーションGIF出力にも対応する。わずか2コマ、かつ時間指定もできないが、キャラクターがしゃべっているかのようなアニメーションを出力できるので、Webサイトで使うキャラクターのカットを作る場合は幅が広がるだろう。
■ 人物と合わせて3,500点にも及ぶ素材を収録、自在なアングルで表示可能 ここまで人物にフォーカスして話を進めてきたが、本製品では人物と合わせて3,500点に及ぶ素材が収録されている点にも注目したい。具体的な収録素材はスクリーンキャプチャを参照してもらうとして、これら素材はすべてアングルやタッチを変えるといった操作に対応している。こうした市販の素材集では、求めていた素材が見つかってもアングルが違っているケースや、タッチが異なるために別素材と組み合わせると違和感を感じるといったことがよくある。しかし、本製品の場合はこうした心配が皆無である。個人的には、これだけでも本製品を購入する価値があると思う。
■ 自由なポージングおよびキャラクターの合成が行なえる
まずは人物の合成機能だ。これは頭部や髪型、胴体などを付け替えることで、まったく新しいキャラクターを作り出す機能である。通常の手順では行なえない髪型の変更や、ヒゲやメガネ、帽子などの取り付けにも対応する。 ここで作り出したキャラクターはライブラリに登録できるので、作成キャラクターをベースにポーズを改めてつけたり、表情の変更もできる。同じキャラクターから複数のカットを出力したい場合は、まずここでキャラクターを登録したのち、作業をはじめると良いだろう。 もう1つは、骨組み移動ツールと骨組み回転ツールだ。これは人物の骨格を表示させた状態でマウスドラッグを行なうことで、人物のポーズを自在に変更できる機能だ。これによって、デフォルトとは異なる任意のポーズを取らせることが可能になる。 もちろん、骨組みを調整できるといっても関節の可動範囲まで考慮されているわけではないため、有り得ないポーズになってしまうこともしばしばある。また、頭を抱えたり足を組むなど、体の別の部位と干渉するポーズも考慮されておらず、いわゆるポーズ集の代替にはなり得ない。よほど根気がない限り、若干のポーズ修正にとどめておいたほうが良いだろう。
■ 素材集としては間違いなく買い。「遊べる」要素も満載
さて結論だが、素材集として見た場合は、購入する価値があると言えそうだ。特に、基本的な小物類がまとめて収録されている上、それらを360度グリグリ回転でき、タッチも変更できるとなれば、なおさらだろう。筆者個人としては、過去の素材集はまとめてゴミ箱行きにしても良いくらいだ。また、これまで素材集というものの利用経験がなく、これから購入しようと考えている人は、本ソフトを購入することをおすすめしたい。 一方、素材集以上の使い方を求めるユーザーにとっては、「もう一息でこんなことができるのに……」と、ストレスが溜まる面があるかもしれない。前述のように頭を抱えたり足を組んだりというポーズが困難だったり、小物を持たせることができないといった点は、実際にカットを作成していて常につきまとう。 ただ、開発元もこの点については認識しているようで、あらかじめシチュエーションを設定した素材や、ポーズを固定した人物素材を用意することで、この問題点を解決しようとしている。 現実的には、イチからポーズを起こすのではなく、これらの登録済みカットについて、キャラクターをアニメ調から実写調に変更したり、表情を変更したり、手の先を変更することで目的に限りなく近いカットを作成するのがメインになるだろう。この点だけきちんと納得できれば、利用に問題はないと思われる。
なお、個人的に気になったのは、表情およびキャラクターのデザイン、体型がやや保守的であることだ。もちろん、素材集である以上、派手な萌えキャラを含める必要はないかもしれないが、その割にメイド服やバニーガールがライブラリに登録されていたりと、不思議な印象は否めない。個人的には、エッジの効いた素材を増やした上で、口コミを中心にファンを増やしていくのもありだと思う。 ともあれ、よくもここまで凝ったソフトを作った、というのが率直な感想だ。気が遠くなりそうな量のデータを、誰もが使えるようにまとめあげ、実売で6,000円台というリーズナブルな価格にまとめ上げた開発元の意気込みには脱帽である。今後はさらなるシチュエーションの追加、もしくは同社のラベル作成ソフト「ラベルマイティ」のように用途別のシリーズ化も期待したいところだ。
■ ＵＲＬ 製品情報 http://www.justsystems.com/jp/products/sozaishu/ ジャストシステム http://www.justsystems.com/jp/
（山口真弘） 2008/02/20 11:03 |
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