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キータイプ音やクリック音を抑えた夜型ユーザー向けキーボート&マウス


同系色で統一されたサイレントキーボード2とサイレントマウス2。直販価格は4,980円と2,980円で、セット購入時は6,980円
 深夜、パソコンに熱中し、家族から「うるさいっ」などと文句を言われた経験はないだろうか。操作している本人はさほど気にならないが、ゲームやチャットなどで盛り上がり、つい指先に力がこもると、キーボードを叩くカチャカチャという音が隣の部屋にまで聞こえていたりする。

 今回はそんなトラブルを回避できるパソコン周辺機器を紹介したい。耳につく騒音を抑えたキーボートとマウスである。夜型ユーザーだけでなく、オフィスなどで静かな雰囲気を保ちたい場合などにも役立つアイテムである。

 サンコーの「サイレントキーボード2」は、耳につくタイプ音を抑えた静かさが特徴のキーボードである。配列はフルキーにウィンドウズキーとアプリケーションキーが加わった、いわゆる日本語109キーボードと呼ばれるタイプ。上部には10個のメディアキーが配置されている。メタリックシルバーのボディに黒いキーが並ぶという、なかなか精悍なデザインである。

 外観も使い勝手も一般的なデスクトップパソコン用のキーボードと変わらないが、サイレントというだけあって非常に良く音が抑えられている。例のカチャカチャという甲高い音がまったく響かないのだ。少々力を入れてタイプしてもポコポコという、こもり気味の軽い音が聞こえる程度である。キー自体の音より、むしろ下面のスタンドとデスクの面とが擦れる音の方が気になるのではないだろうか。下にマットやタオルなどを敷いておけば、かなり高い防音効果が期待できそうである。


上辺部に並んだ10個のメディアキーではメディアプレーヤーなどの操作がワンタッチで行なえる テンキーの上部にあるロック系機能のインジケータランプ。細いスリット形だが光量はかなりのもの

 キータッチはいたって普通である。だが、この場合の普通さは重要だ。筆者は以前にも静かなキーボードを使用したことがあるが、それは指先でスポンジを押し潰しているようなタッチだった。キーの反発も強く、長時間使用すると手に疲労を感じた記憶がある。しかし、サイレントキーボード2には、こうした違和感がない。

 キーは固すぎず柔らかすぎず。ストロークが十分に確保されていて、押し込んだときに適度な抵抗と反発があるため、キーを押し込んだ手応えがしっかりと伝わってくる。一般的なユーザーだけでなく、タッチタイピングで長文を入力するようなヘビーユーザーでも不満を感じることはないだろう。

 サイレントキーボード2をよく見ると、キーとキーとの間隔が広めに取られているのがわかる。パーツ同士が擦れ合う音を排除するためなのかもしれない。今回試用した製品は搬送時にショックが加わったためか、キートップの1つが浮き上がっていた。元に戻す前に1度取り外してみると、四角い穴から白いシリコンゴムが覗いている。これがクッションとなり、カチャカチャという騒音を消す役割を果たしているようである。キートップが穴を覆う形状になっているので、ホコリなどが入り込み接触不良を起こすといったトラブルも少なそうだ。


キー間の隙間が広いのはキートップ同士が擦れる音を防ぐためだろうか。入り込んだホコリの掃除などもしやすそうである 奥に白いシリコンゴムが見える。キートップ側にもゴムのクッションが取りつけられていて、甲高い音の発生を防いでいる

セレクター内蔵で2台のパソコンに接続できるのも大きな特徴。切り替えはカーソルキーの上にあるスライド式のスイッチ
 サイレントキーボード2には、静かさ以外にも大きな特徴がある。USBケーブルが2本伸びていることからもわかる通り、2台のパソコンを接続し、切り替えて使用することができるのだ。

 これはかなり便利な機能である。デスクの上にフルサイズのキーボードを2台並べると、それだけでかなりのスペースを占領してしまうことになるが、それを1台で済ませられる上、ケーブル挿し替えの手間がかからないのだ。一方は据え置きのデスクトップや大型のノートに接続、もう一方は必要に応じてモバイルノートをなどを接続するのも良い。

 切り替え操作は、カーソルキーのすぐ上にあるスライド式スイッチで行なう。簡単なプッシュ式を採用しなかったのは正解だろう。フラットな形状で手応えがあるため、意識して指先に力を入れないと動かせないが、スライド式なら一目でどちらのパソコンに接続されているか判断できるし、誤動作の心配がないからである。切り替えには数秒のタイムラグがあるようだが、実際に使用する上で不満を感じることはなかった。


パソコンに接続する2本のUSBケーブルはプラグが色分けされていて判別しやすい。長さはそれぞれ125cmほどだ メタリックシルバーのボディにマットブラックのキートップ。周辺の角が丸められた滑らかなデザインである

サイレントマウス2。文字通りクリック音が出ない非常に静かな5ボタンマウスである
 サンコーからはサイレントキーボード2と組み合わせて使用するのにちょうど良いマウスも発売されている。操作音を抑えた光学式マウス、「サイレントマウス2」である。メタリックシルバーとマットブラックの左右非対称デザイン。全長10cmほどのコンパクトサイズながら、左右ボタンとホイールに加えて2つのサイドボタンを搭載しており、Webブラウザでのページ切り替えなどをワンタッチで行なうことができる。

 サイレントマウス2は静かというより、ほとんど無音に近い。シームレスタイプの左右ボタンやサイドボタンはクリック感がなく、フワッと押し込むような手応えなのである。まるで薄いプラスチック板かゴムシートを触っているようだ。ホイールの回転も非常に滑らかで、勢いよく回してもわずかにコロコロという音が聞こえる程度である。

 正直言うと当初は少し心許なかった。なにしろ、音はしないしクリック感もない。指先にハッキリとした感触が伝わってこないのだ。確認のため、操作するごとに手元へ目をやったりディスプレイの反応を待ったりすることになる。しかし、それも短時間のこと。ある程度慣れさえすれば、他のマウスのクリック音が耳に付き、うるさく感じらるようになってしまうだろう。


左右非対称のエルゴノミック風デザイン。黒い部分はゴムシートのような手触りで滑りにくい 左右ボタンは手応えがないので慣れるまでは違和感があるかも知れない。動作時には半透明のホイールが青く発光する

 筆者としては全長約10cmというコンパクトなボディが残念だった。指先でつまむように扱うことになるため、手のひらが浮き上がり、ボタンやホイールを気付かないうちに押してしまっていることがあったのだ。

 とは言え、この静かさは捨てがたい。深夜、家族が眠っている横でパソコンを使ったとしても起こしてしまうような心配はなくなるだろう。普段使いのマウスとは別に、ベッドサイドのテーブルにノートパソコンと一緒に置いておきたくなるようなアイテムである。

 なお、サンコーの製品紹介ページには両製品の騒音レベルが掲載されていた。それによると、一般的なキーボード61.1dBに対してサイレントキーボード2は45dB、一般的なマウス58.0dBに対してサイレントマウス2は36.5dBとなっている。40dB前後といえば、ささやき声程度の音量である。いかに静かかご理解いただけるだろう。


底面のパネルは半透明で、内部の基盤が透けて見える。光学センサーの解像度は800dpiだ 全長10cmのコンパクトサイズ。大型のマウスを常用している筆者には残念ながら少々小さく感じられてしまった

関連情報

URL
  サイレントキーボード2 製品情報
  http://www.thanko.jp/silentkeyboard2/
  サイレントマウス2 製品情報
  http://www.thanko.jp/silent_mouse2/
  サンコー
  http://www.thanko.jp/


(斉藤成樹)
2008/03/12 11:07
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