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PCと連携して動く!喋る!光る! バンダイ「電脳超合金 タチコマ」


“あの”タチコマが「超合金」で登場

「電脳超合金 タチコマ」の標準価格は13,440円。本製品は、本編第2シリーズ「2nd GIG」に登場した通称「ニュータチコマ」でのモデル化となる
 バンダイが発売する「電脳超合金 タチコマ」は、「攻殻機動隊」シリーズに登場した思考戦車「タチコマ」を、1/24スケールで超合金化した製品。USBでPCと接続することで、デスクトップアクセサリーとの連携が図れる点が最大の特徴だ。今回は周辺機器的な観点に加え、キャラクターモデル的な観点も加えてレビューを行なっていきたい。

 全長は約13cm、全高は約10cmほどで、上述の通り約1/24スケールに相当する縮尺だ。プロポーションは非常に良く、劇中の姿をほぼ完璧に再現している。もともと「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 」本編や特典映像「タチコマな日々」において、CGで描かれていたことからして、立体化にあたっての矛盾したフォルムがあることは考えにくく、立体化はスムーズに行なわれたと推測される。

 「電脳超合金 タチコマ」の各関節は、自由に可動する。さすがにアニメ本編内ほどの大胆なポーズは難しく、両腕の可動範囲はかなり制限されているが、それでも「マニピュレーター(指)」がきちんと動いてモノをつかめたり、3枚の「スタビライザー(足)」がそれぞれ可動して無理なく接地できるなど、ポーズの自由度は高い。ちなみに両腕のみボールジョイントで、それ以外はいわゆる超合金然とした関節を持っている。

 後部ポッドの背面にはminiBのUSBポートが搭載されており、これを用いてPCとの接続を実現する。ちなみに本製品は充電などは不要なので、USBポートは純粋に通信の機能しかない。


手乗りタチコマ。超合金だけあって、重量は実測350gとずっしり重い 斜め上から見た状態。プロポーションは完璧 裏返した状態。各所に空いた穴は、超合金ならではのネジ止め

正面から見た状態 横から見た状態 後方から見た状態

デスクトップ上に「タチコマエージェント」が登場

 次にソフトウェア側の機能について見ていこう。ソフトウェアをインストールしたPCにタチコマをUSBケーブルで接続すると、デスクトップアクセサリー「タチコマファインダー」が起動する。


USBケーブルも握れる ポッド後部にはUSBコネクタを装備。当然ながら設定にはない仕様 USBでPCと接続。本製品にはストレージ機能はないが、どのPCに接続しても過去のデータが復旧されることから考えて、最低限のRAM領域は内蔵しているようだ

 ファインダーの中には、タチコマのネット上における姿である「タチコマエージェント」が常駐し、蝶を追いかけたり、ラジコンで遊んだり、ロケットパンチを飛ばしたり、HAW-206に追いかけられたりと、さまざまなアニメーションがランダムに再生される。ちなみにタチコマの声優は、アニメ本編と同じく玉川紗己子さんが起用されている。

 アニメーションの出現頻度はパターンごとに差があるほか、エピソード自体の数も多く、これで全部観たかな?と思っていると、いきなり新しいエピソードが始まったりする。なかなか侮れない仕様だ。ちなみにタチコマを初めて接続した直後には、「2nd GIG」本編のとあるエピソードを模したシーンが登場するのだが、これがなかなか“らしさ”があり、個人的にはツボにはまった。これから買われる方のために詳細は割愛するが、本編を回顧させるネタが随所に散りばめられているのはファンとしては嬉しい。

 また、「タチコマファインダー」を起動させていると、タチコマ本体が連動して正面の「アイセンサー(目玉)」を上下に動かしたり、後部ポッドのLEDライトを点滅させたりする。単にUSBで接続できるだけではなく、こうしたギミックを内蔵している点が本製品の大きなウリである。欲を言えばキリがないが、机上に置いておくマスコットという意味では、じゅうぶんなギミックであろう。


「タチコマファインダー」内では、さまざまなエピソードがランダムで再生される。このアニメーションは、本編のDVD特典映像として知られる「タチコマな日々」によく似た、白い背景色のデザインが採用されている


アイコンや壁紙の変更機能、スクリーンセーバー、さらにゲームもあり

タチコマと接続すると、デスクトップ上のアイコンがタチコマ仕様に書き換わる
 ソフトウェアにはほかにも、デスクトップ上のマイコンピュータやマイネットワークなどのアイコンをオリジナルデザインに置き替える機能がある。壁紙やスクリーンセーバーも付属しており、いくつかの著名なイラストや、本編の名シーンをモチーフとしたカットを見ることができる。種類はそれほど多くなく、オリジナル性が高いわけではないが、アイコンなどと合わせて「攻殻らしさ」を体感できるわけだ。

 また、設定した任意のメッセージを指定時刻に読み上げたり、表示してくれるボイスメモ・テキストメモという機能も用意するほか、ゲームコンテンツとして、旗揚げゲームもある。こちらはタチコマが揚げる2つの旗を、50%の確率で当てるというもの。何度も遊んで得点をゲットしていくとデスクトップ設定などが増えるので、隠し機能見たさでチャレンジするのも良いだろう。

 ちなみに、タチコマを接続していない状態では、これらソフトウェアの機能を単独利用することはできない。上手い具合にタチコマが、ハードウェアキーの役割を果たしているというわけだ。


タチコマファインダーの設定画面。黒+緑を基調としたデザインは、攻殻らしさの演出に一役買っている 壁紙やスクリーンセーバ、アイコンの切替などが可能 旗上げ(扇子上げ?)ゲーム。勝ち続けると新たなステージに進み、ボーナスとしてデスクトップ設定などが増えていくとのこと

マニア心をくすぐる商品。攻殻ファンは是非ゲットしたい

名刺も渡せる

劇中で公安9課のメンバーが乗り込む後部ポッド部のハッチは、本モデルでは開閉できない。ちなみに本モデルでは底面にスピーカーが内蔵する
 キャラクターに何らかのギミックをつけて商品化する場合、どれだけそのキャラクターや劇中のエピソードを再現できているかが、商品の評価に直結する。これらの作り込みが中途半端であれば、マーケティングで言うところのインフルエンサー層であるマニアから不出来の烙印を押され、製品の延命は到底望めなくなる。プロポーションが評価のほとんどを決定してしまうプラモデルやガレージキットに比べると、やや事情が異なるわけだ。

 その点、今回の「電脳超合金 タチコマ」は、プロポーションはほぼ完璧、可動部分も多いほか、アニメ同様にタチコマエージェントがPC上に表示できるなど、じゅうぶんにマニアを納得させられるだけの商品に仕上がっていると思える。もちろん、熱心なファンとしては、PCからの制御で手足を動かしたり、ラジコンのように操作したり、複数のタチコマを用意してネット上で通信させたりしたいという欲求はあるだろうが、「超合金」という範疇では満点に近い出来といって良いだろう。何より、「動く」「喋る」を実現している点は魅力的で、攻殻ファンはぜひゲットしたいアイテムだ。

 唯一、違和感を感じたのが、デスクトップアクセサリーに表示されるタチコマが原則として1体、最大でも2体のみで、本編や「タチコマな日々」におけるワイワイガヤガヤ感がないことだ(ちなみに説明書によると、同一PCへの複数のタチコマの接続は不可とされている)。

 隠し機能で何らかのフォローがなされている可能性もないではないが、今回のレビューを通じ、やはりタチコマらしさの1つには複数のタチコマによる掛け合いがあったのだと、強く認識させられた筆者であった。


上段:アイセンサー(目玉)の中で正面1基はタチコマファインダーに連動。右の2基は手動で動かせる
下段:グレネードランチャー部は、ピンを抜いてカバーを外せる。設定をほぼ再現しており、異常なマニアックさだ
上段:マニピュレーター部。左右とも自在に開閉することが可能
下段:スタビライザー部は開閉でき、安定した接地が可能になる
脚部関節は本体の付け根側、足の付け根側の2カ所を自在に動せる

(c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会


関連情報

URL
  製品情報
  http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112508478000.html
  バンダイ
  http://www.bandai.co.jp/


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(山口真弘)
2008/03/19 10:57
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