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離れた位置から快適ブラウジング! ミヨシのワイヤレスキーボード


 リビングPCの普及に伴って、ワイヤレスかつコンパクトなキーボードの需要が増加している。大画面TVの横に置かれたPCを、離れた位置にあるソファなどから操作しようとした場合、有線のフルキーボードではさすがに取り回しが悪い。そこで、ワイヤレスかつコンパクトなキーボードを導入して、離れた位置からの操作を容易にしようというわけだ。

 もっとも、こうしたキーボードは有線のフルキーボードに比べて操作性の一部が犠牲になっていることが多く、製品選びもそれなりに難しい。また、用途によって求められる機能に幅があることから、見込み違いの製品に当たってしまう確率もそれなりに高いというわけだ。


トラックボールを搭載した2.4GHz帯ワイヤレスキーボード

「TK-24G02」の直販価格は8,980円。BCNランキングで売れ筋に名前が挙がることもあるなど知る人ぞ知る「隠れた逸品」である

製品本体とレシーバ。本体の横幅はフルキーボードからテンキー部分をカットしたサイズ。Windows Vista/XP/MCE/2000であれば、レシーバーを接続するだけで自動的にインストールが完了する
 今回紹介するミヨシの「TK-24G02」は、2.4GHzの無線方式を採用し、10m離れた場所からでも操作が行なえるワイヤレスキーボードだ。光学式トラックボールを搭載しており、両手で持った状態でWebブラウジングやメディアプレーヤーの操作が容易に行なえる製品である。知名度こそ高くはないものの、大手家電量販店の定番に採用されており、店頭で目にする機会も多い。

 まずは外観から見ていこう。ブラック1色の本体は、フルキーボードからテンキー部分を切り落としたような外観。キーボードの両端は緩やかに膨らんでおり、両手でホールドしやすいフォルムになっている。

 キー数は89。コンパクトタイプのキーボードとしては標準的で、テンキー部を省いたキー数だ。キーボードの左上には左右クリックボタンとホイール。右上には、光学式のトラックボールと左クリックボタンが搭載されており、両手でキーボードを持った状態でもポインタが操作できるほか、画面スクロールなども容易に行なえる。いずれのボタンも自然な位置にレイアウトされており、利用時にムリに指を伸ばすといった必要はない。

 上部には12個のホットキーを配置。これは、Internet Explorer(IE)やメールソフト、エクスプローラの起動ボタンのほか、メディアプレーヤーの早送り、巻戻し、再生/一時停止、停止、ボリューム調整といった機能が割り当てられている。これらは本製品の対応OSであるWindows Vista/XP/MCE/2000においては、ユーティリティをインストールすることなく利用できる。独自のユーティリティを利用しない分、キーの割り当てができないというデメリットはあるものの、手軽に使えるのはありがたい。

 キーボードは、左右面に加えて裏面でも緩やかな曲線デザインになっており、ヒザの上に乗せた状態での打鍵感を向上させている。一方、ゴム足も付いているので、机の上に乗せた場合でも不安定になるといったこともない。

 電源は単3形乾電池×4本で駆動する。この種の製品としてはかなり多めの本数で、重量的にもかなりヘビーだ。また、15秒動作がない場合はスタンバイ、さらに8分経つとスリープという2段階の省電力機能が搭載されており、バッテリ寿命は公称300時間に及ぶ。仮にWebブラウジングを中心に1日2時間使ったとして150日、約半年弱は持つ計算だ。


レシーバは親指ほどのサイズで少々大きめ。USBポートに挿入した際は左右ポートに干渉しがちなので注意したい キー数は89キー。上部に12個のホットキーを備える

キーボード左上部には左右クリックボタンのほか、IEやメールソフト、エクスプローラを起動するためのホットキーを備える キーボード右上部にはトラックボールのほか、ボリューム調整やメディアプレーヤーを操作するためのホットキーがある

Webブラウジングに最適。トラックボールはやや過反応気味

ホールド感はゲーム用のジョイパッドに近い

ゴム足がついているので、テーブルの上に置いた時の安定性も高い
 実際に使ってみたが、特にWebブラウジングには非常に便利だった。本製品を両手で保持した際、左手人差し指のホームポジションにホイールが来るようレイアウトされており、ホイールマウスを使うのと同じ操作感でスクロールが行なえる。ホイールクリックにもきちんと対応しているので、有線のフルキーボードとマウスができることであれば、すべて本製品で代行することができる。

 キーボードからの文字入力については、さすがに有線を超える打鍵感とはいかないが、メンブレン式の落ち着いたキータッチはまったくチープさを感じさせない。さすがに両手でホールドした状態でバリバリと文字入力をするのは姿勢的に困難なので、ヒザないしテーブルの上に置いてやる必要はあるものの、この種のコンパクトキーボードにありがちな「とりあえずキー入力ができるレベル」の品とは一線を画している。切り詰められた右端のキーレイアウトにさえ慣れれば、じゅうぶんに実用的である。

 12個のホットキーについては、使う使わないがはっきり分かれる機能だとは思うが、独自ユーティリティでないだけに安定しており、個人的には使いやすいと感じた。なお、ボリューム調整はプレーヤー側の音量調整機能ではなく、OSのマスターボリュームをいじるだけなので、メディアプレーヤー以外のプレーヤー、例えばiTunesやテレビ視聴プレーヤーでも適切に利用できるだろう。

 敢えて難を挙げるとすれば、光学式トラックボールの操作性だろうか。それなりの直径があって操作しやすいのは利点だが、ボールが見た目よりも軽いこともあって過剰反応気味なのだ。慣れるまでは、目的の位置にポインタを合わせてからクリックするまでの間にポインタが微妙にズレてしまうことも珍しくない。どうしても気になるようであれば、OS側の設定でマウスカーソルの移動量を短めに調整すると良いだろう。

 もう1つ、使っていて気になるのは重量だ。681g(電池除く)という重量は、長時間持ち続けているとさすがに腕に疲労があらわれる。男性ならまだしも、女性や子供が長時間持ったまま使い続けるのは厳しいだろう。基本的にはヒザ上で使うための製品だと捉えたほうが良さそうだ。


左手の人差し指のホームポジションにはホイールが装備されており、Webブラウジングが快適に行なえる 右手の人差し指のホームポジションには左クリックキーが装備。左クリックキーは左手親指で操作できる位置にも存在しており、なぜ重複しているのかは不明だ

正面から見たところ。ヒザの上に置いた際にフィットしやすいよう、底面は波打ったフォルムになっている 単3形乾電池4本を使用するため、重さを感じる。フタ部はややチープな構造

すべてにおいて高水準。リビング利用のほかプレゼン用途にも最適

プレゼン用途にも活用できそうだ
 冒頭にも書いたが、こうしたワイヤレスタイプのコンパクトキーボードは当たり外れが大きい。ふとしたことで通信が途切れたり、打鍵感が非常に悪かったり、ポインティングデバイスが申し訳程度にしか備わっていないといった具合で、筆者も過去に購入した製品で期待値に届かずガッカリしたことが幾度となくある。

 その点、本製品はすべての面において高い水準を維持している。やや過剰反応気味とはいえ光学式トラックボールもしっかりと操作できるし、本体のホールド感も抜群で、手で持ってもヒザの上に置いてもしっかりと馴染む。ソファに座ってヒザの上に本製品を乗せ、大画面TVの横に置かれたPCでWebブラウジングを中心とした操作を行なうには、この上ない製品だと言える。購入を検討している人は、ぜひ候補機種の1つに加えてほしい。

 なお、今回は主にリビングPCと組み合わせての利用例として紹介したが、業務用途でも威力を発揮しそうだ。パワーポイントによるプレゼンのほか、Webブラウザを中心とした画面を操作しながら見せていくといった用途にはぴったりである。業務用途でプレゼン用のデバイスを探している人もぜひ試していただきたい。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.mco.co.jp/goods/1191998619826/
  ミヨシ
  http://www.mco.co.jp/

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(山口真弘)
2008/04/09 10:00
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