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PCカードスロットにスッポリ収納! USB 2.0カード「ツライチ USB 2.0」


本体が外部に出っ張らないUSB 2.0カード

「ツライチ USB 2.0」の実売価格は2,000円前後。一般的なPCカードの形状だ
 エアリアの「ツライチ USB 2.0(SD-CBU2-Z1)」は、PCカードスロットに増設するUSB 2.0カードだ。最大の特徴は、本体が外部に出っ張ることなく、PCカードスロットに完全に収まってしまうことだ。

 LANカードやIEEE 1394カードなど、PCカードスロットを用いたインターフェイスカードは数多い。その中でUSBカードは、最近ではPC本体に充分な数のUSBポートが装備されることが多くなったため、以前に比べると需要自体は減ってはいるものの、USBポート数が少ないモバイルPCなどでは重宝される存在である。

 また一方で、ポータブルメディアプレーヤーや携帯電話、モバイルガジェットなど、USB経由で充電できる機器は増加の一途を辿っており、純粋にUSBポートの数が足りなくなっているというケースも少なくない。こうした場合、ハブによってUSBポートを分岐する以外にも、USBポートそのものを増設してしまう方法がある。

 本製品は、USBポートを構成するフレーム枠を取り除くことで、USBポートの厚みがカードの厚みにギリギリ収まるよう工夫されている。これにより、PCカードスロットに挿入した際も、本体の一部が外部に露出することなく、完全にPC本体と一体化してしまうのである。ありそうでなかった製品として、注目度は非常に高い。


2基のUSB 2.0ポートを搭載。非公式ながら多数のOSに対応

PCカードスロットに半分差し込んだところ。なお、取り外しの際にはPC本体の取り外しレバー(写真手前)を用いる必要がある
 製品形状はいわゆるPCカード型で、USBポートが2つレイアウトされている。2つのポートはやや離れた位置にあり、その中間に補助電源コネクタがある。

 前述の通り、カードの厚みに合わせるため、USBポートは上下の枠がなく、スロット外部に本体の一部が露出しないというメリットを生んでいる。その一方、枠がないことで、ケーブルがやや抜けやすいというデメリットを持っている。このため、ストレージ系の機器を接続する場合は、利用中にUSBケーブルが不意に抜けてしまわないよう、注意が必要だろう。

 対応OSはWindows Vista/XP/2000で、ドライバインストールなしで動作する。このほかサポート対象外と断った上で、Windows 98SEやMeのドライバも添付されている。本来であれば、USBポートを搭載していない、もしくは搭載していてもポート数が少ないWindows 98SEやMe搭載PCにも正式対応してほしいところだが、すべての機器での検証が困難なことは容易に理解できる。ともあれ、ドライバが用意されているのは事実なので、自己責任でトライしてみるのも良いだろう。

 なお、本稿執筆時点では、上記OSに加え、Mac OS 9.3/10.3、Ubuntu Linuxでの動作情報もメーカーサイトで公開されている。興味がある人は、定期的にメーカーサイトを確認してみると良いだろう。


正面から見たところ。USB 2.0ポート×2基が増設された状態。ポートの間に見えるのは補助電源ケーブルを接続するためのコネクタ 製品本体のUSBポート部。スリムにするため、USBポートの上下枠が取り外されている

装着していることを忘れる快適さ。バッグに入れる際も取り外し不要

装着したところ。まったく出っ張りがないことがおわかりいただけるだろう
 実際に使ってみたが、使用に当たってのデメリットは特に感じない。最近はBluetoothアダプタなど、外部への出っ張りが少ない機器が好まれる傾向にあるが、外部への露出がまったくない本製品はその極地とも言える存在である。これはセールストークでもなんでもなく、装着したことを完全に忘れてしまうほどだ。なにより、装着した状態でノートPCをバッグに入れられるというのは、ノートPCを持ち運ぶ機会が多いユーザーの利便性を高めてくれるという点で注目に値する。

 一方、バスパワータイプのUSB機器など、消費電力が大きい機器は、稀に利用できない場合がある。これは一般的なUSBカードでもよく起こることである。本製品の場合、補助電源コネクタに付属の給電ケーブルを取り付け、PC本体のUSBポートから給電することで、これらの機器を利用することが可能になる。USB機器を認識させるために、USBポートを利用するというのはやや本末転倒ではあるが、動作させる手段がきちんと用意されているというのは有り難いところだ。

 なお、本製品を導入するにあたっては、PC本体側のカードスロット脇に取り外しのレバーが設けられている点を事前に確認しておくことをお勧めしたい。というのも、本製品は外部に本体が露出しないため、本体の一部を指でつまんで取り外すということができないからだ。そのため、PC本体側に取り外し用のレバーがないと、挿入したは良いが抜けなくなってしまった、ということになりかねないからである。


消費電力が大きいバスパワー機器を利用する場合は、補助電源ケーブルを利用する USBケーブルをつないだところ。一般的なUSBポートに比べ、コネクタがやや抜けやすい点には注意が必要だ

PCカードスロットに「入れておくべき」製品

同梱品一覧。補助電源ケーブルのほか、Windows Me/98SE用のノンサポートドライバCDが付属
 PCに多数のUSB機器を繋げたい場合、USBハブを用いてUSBポートを分岐するのが一般的だ。しかし、バスパワーであれセルフパワーであれ、USBハブを用いると、どうしてもかさばってしまう傾向がある。ノートPCはもちろんのこと、モバイルPCなどにおいては、こうした取り回しの悪さはかなり致命的だ。

 その点、本製品を用いてUSBポート自体を増設すれば、取り回しに影響を与えることもなく、バッグに収納する際も邪魔になることはない。特に最近では、多くのインターフェイスが本体に内蔵され、PCカードスロットがあまっている場合も多い。実売価格も2,000円前後ときわめて安価なので、PCカードスロットに常時装着しておいても良いのではないかと感じた。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.area-powers.jp/product/cardbus/usb2.0/cbu2z1.html
  エアリア
  http://www.area-powers.jp/


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(山口真弘)
2008/05/21 11:17
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