手持ちのPCで手軽にワンセグ放送を楽しめるUSB接続型チューナーが登場しはじめたのが2006年。それからわずか2年足らずの間に、データ放送対応や高感度化など、さまざまな機能を付加したワンセグチューナーが各社からリリースされている。
今回ご紹介するバッファローの「DH-KONE4G/U2DS」は、チューナー本体に4GBメモリを内蔵、USBフラッシュメモリとしても使えるという変化球的なモデルだ。もちろん、ワンセグチューナーに求められる基本的な要素もしっかりと盛り込まれている。
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バッファロー「DH-KONE4G/U2DS」。標準価格は16,485円で、デジタルラジオ実用化試験放送にも対応している
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キャップは本体から外してもストラップに繋がれているので、紛失する心配は少ないだろう
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■ 内蔵メモリからセットアップ可能
セットアップは他のワンセグチューナー同様、非常にシンプルだ。製品付属のCD-ROMからワンセグ放送の視聴用ソフト「PCastTV for ワンセグ」と、ドライバーをインストールするだけで利用できる。
とは言うものの、本製品を使う場合はCD-ROMを準備する必要はない。なぜなら、本体のフラッシュメモリにセットアップに必要なファイルが保存されているからだ。これにより、本製品を接続したPCのエクスプローラーからメモリ内のファイルを実行するだけでインストール作業を開始できるので、わずかとは言え、インストール時間を削減できる。
また、ワンセグ視聴に必要な操作は、PCastTV for ワンセグからほぼ行なえる。タイムシフト再生やiEPGを使ったWebサイトからの録画予約、データ放送受信など“デジタルテレビならでは”の機能はひと通り揃っていると言って良いだろう。
iEPGを使った録画機能を利用するにはWebサイト「テレビ王国」との連携が便利。キーワードに関連した番組を自動的に録り貯める「おまかせ録画」や、「ケータイ録画予約」機能などが用意されている。
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視聴用ソフト「PCastTV for ワンセグ」。メモリ部に保存されたファイルから直接セットアップできる
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番組表からの録画予約が可能
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iEPG対応なので「テレビ王国」などを使ってWebサイトから録画予約もできる
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オプション画面から高画質化機能の設定が可能
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高画質化機能も新たに追加されている。映像の輪郭を強調して文字を読みやすくする「くっきりモード」、映像の表示コマ数を補完してよりスムーズに映像を楽しめる「なめらかモード」の2種類がそれだ。いずれも適用度を複数段階から選択できるので好みに合わせて利用すると良いだろう。
実際に番組を視聴していて便利だと感じたのは音声ボリュームをアップさせる「ブースト機能」。PC上では本製品以外にも音声出力が行なわれるソフトウェアが起動している可能性もあり、本製品に合わせて行なったボリューム調整が他のソフトの音量にも影響を与えてしまう。
ワンセグ音声を聴き取りやすくするために音量を上げたら、OSのシステム警告音までもが異常に大音量になってしまったという経験がある人も多いだろう。ブースト機能はPCastTV for ワンセグだけが反映されるもので、これにより音声調整が柔軟に行なえるようになる。利用の可否もメイン画面からボタン1つで切り替えられる。
■ ムーブ機能を詳しくチェック

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録画番組一覧からムーブしたいファイルを選ぶ
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一方、本体内蔵の4GBメモリを利用するには特段のセットアップを必要としない。Windows XPなどのマシンではUSBポートに挿入するだけでファイル操作が可能になる。ワンセグ録画向けの専用領域といった概念もないので、自身で作成した文書ファイルやMP3ファイルなどを自由に保存できる。もちろん、本製品の魅力である「録画データのムーブ先」としての活用にも対応する。
また、録画データのムーブを行なうことによって、動画ファイルの録画に利用した特定のPCだけでなく、他のPCや携帯機器などでも録画した番組を閲覧できるようになる。家で録画した番組を外出先のノートPCなどでも楽しめるというわけだ。
ムーブには「PCastTV for ワンセグ」および「ムーブツール」を利用することになる。PCastTV for ワンセグのサブウインドウに表示された録画番組一覧から、ムーブしたいコンテンツを選択。あとは外部メモリの接続状況に応じて自動的に転送がスタートする仕組みになっている。
なお、外部メモリに録画番組をムーブする際には、ムーブに利用するカードスロットやリーダーライター側が著作権保護機能をサポートしている必要がある。今回、本製品を利用したソニーのノートPC「VAIO VGN-TX90S」の場合、メモリースティックとSDカード用のスロットをそれぞれ搭載しているが、このうち、SDカードスロット側は著作権保護機能をサポートしていなかった。
このため、メモリースティックへのムーブは問題ないが、SDカードへのムーブはできなかった。著作権保護機能に関しては、製品ごとに対応状況が異なっているため、ムーブ機能の利用にあたっては事前に対応を確認するのが良いだろう。
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進捗状況や結果も表示してくれる
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ムーブした録画ファイルはPSPでも再生可能
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メモリースティックPro Duoにムーブした番組は、PSPで問題なく視聴できたほか、チューナー内蔵メモリへにムーブした番組を他のPCでも問題なく楽しめた。
USBが利用できる複数のPCで録画データを視聴するだけなら、PCのHDDではなくチューナー内蔵メモリへ直接録画データを保存してしまう方法がもっとも簡単だろう。これであればPCastTV for ワンセグがインストールしてあるPCに本製品を挿し直すだけで、ムーブ作業を毎回実行することなく再生できる。
ムーブについてこのほか注意したいのが、SDカードやmicroSDカードなどにムーブする際にインターネット接続環境が必要となる点。また、SDカードへいったんムーブした録画データを元のPCに書き戻すことができない点にも留意しておきたい。
なお、本製品はMac OSやWindows Vista 64bit版にも対応している。ただし、ムーブ機能は基本的にWindows限定の機能となるほか、Vistaの64bit版では利用できないので同環境で利用する際には注意が必要だ。
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ムーブした動画かどうかはリスト上のアイコンで判別できる
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いったんムーブしたファイルをPCへ書き戻す作業も可能
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■ デスクトップPCでも便利に使える~スロット節約効果もあり

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外部アンテナや台座が付属。使い勝手も良くなるので上手に利用したい
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ワンセグ放送を楽しむには放送電波を確実にキャッチすることも重要だ。その点についても本製品では充実している。製品パッケージ内には標準の伸縮式アンテナとは別に、外部アンテナや一般的なテレビアンテナを接続するためのF型コネクタ変換アダプタまで同梱されている。筆者の環境で外部アンテナを窓際に立てたところ、受信状態が目に見えて良くなった。電波の受信具合に悩んでいる人なら、まずは試してみよう。
また、ワンセグチューナー本体が隣接するコネクタ類に干渉してUSBスロット接続できない可能性も考慮して、USB延長ケーブル付き台座も標準添付されている。チューナー本体は小型とはいえ、USBケーブルのコネクター部と比べれば大ぶりなのは確か。設置の安定度や本体の抜き差しも便利になるので、台座はぜひ利用したいオプションだ。
これら付属品が充実していることから、本製品とデスクトップPCの相性も思いのほか良さそうだ。通常はデスクトップPCへ接続しておき、録画データも内蔵メモリに保存。必要な場合だけPCから取り外して、外出時にモバイルPCと一緒に携行するという選択肢もじゅうぶんあり得るだろう。今回ひと通り試用してみて、ムーブ作業に関しては注意が必要なものの、それ以外の部分では総じて不満点も少なかった。
またチューナーと大容量メモリの一体化によってUSBスロットを節約できるというのも忘れてはならないポイントだ。特にノートPCではUSBスロット数自体が限られているため、マウスや通信機器を接続しつつ同時にワンセグを楽しみたいといった人にも便利と言えるだろう。
■ URL
製品情報
http://buffalo.jp/products/catalog/multimedia/dh-kone4g_u2ds/
バッファロー
http://buffalo.jp/
(森田秀一)
2008/05/28 11:02
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