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Windows Aero調キーボードが魅力のMS「Wireless Laser Desktop 7000」


「Microsoft Wireless Laser Desktop 7000」。標準価格は15,540円
 マイクロソフトが5月23日に発売した無線キーボードとマウスのセット「Microsoft Wireless Laser Desktop 7000」は、半透明素材を用いたキーボードと充電式マウスを採用し、これまでのマイクロソフト製品とは一風変わった趣を持った製品だ。今回は、従来製品との試用感を比較しながら、改善ポイントを実際にチェックしてみた。


半透明素材でキーボードを縁取り~フリップ3Dキー付き

キーボード最大の特徴である半透明の外枠。見た目の新鮮さは抜群だ
 Wireless Laser Desktop 7000は、キーボードとマウスがセットになった製品の名称であり、キーボードとマウスにはそれぞれ固有の製品名も割り当てられている。例えば、キーボード側は「Microsoft Wireless Laser Keyboard 7000」という名称で、ドライバインストール時に同名称を指定する必要がある。製品名に関しては、本体裏面のシールに記載されている。なお、キーボードは単3形乾電池2本で動作し、利用可能な時間は最長6カ月。

 キーボードの最大の特徴は、やはりその外観だろう。黒地の半透明プラスチック素材で外周部が縁取られており、他の製品とは一線を画していることが一目瞭然である。これはWindows Vistaで採用するウィンドウの半透明処理「Windows Aero」をモチーフにしたもので、白っぽい机上に置いた場合、特に際立つ意匠だ。

 半透明の外枠部は、キーボード上部でやや本体側に切れ込んだデザイン。この部分は「タッチ センサー ホットキー」として使用できる。これは、任意のプログラムを事前に設定することで、ワンタッチで起動できるお馴染みの機能だ。なお、タッチセンサー機構となるため、押下するというよりは、指で1秒程度触れるだけで動作してくれる。そして、プログラム起動時には「カチッ」という電子音がキーボードから聞こえてくるので押下したかどうかを判別できるわけだ。


半透明部分の材質は薄め タッチ センサー ホットキーの部分も透明感あるデザイン(奥には透明感の確認用に電池を置いてみた)

キー配置がゆるやかにカーブしていることがわかる
 キーボードの要である入力部についてもチェックしてみよう。製品は、全体のキー配置がスペースキーを頂点にするよう、ややカーブしている独特のスタイルで、ホームポジションに手を置いたときの姿勢が人間工学的に有利になる、エルゴノミクス形状を採用。マイクロソフト製キーボードの肝と言える部分であり、ファンも多い部分だ。

 キータッチおよびストロークも従来のマイクロソフト製品から大幅に変化。キートップ自体が薄型したためかストロークも短くなった印象で、どちらかと言えば、ノートPCのキーボードをイメージさせる仕上がりと感じさせられる。前モデルと思われる「Microsoft Wireless Laser Desktop 6000」などと比べて、指を移動させる量がわずかながら減った印象があり、個人的にはこの変更を好意的に受け止めている。

 ちなみに一部のキー側面にはCtrlキーやWindowsキーと組み合わせて入力するショートカット操作が刻印されている。「Ctrl+Cでコピー」「Windows+Lで画面ロック」など、特に利便性の高い機能が集中的に記されているので、初心者などには嬉しい配慮と言えるだろう。


キー側面には「コピー」「貼り付けなどショートカットのヘルプを直接刻印 右側のAltキー横に追加されたフリップ3Dキー。これまでは右Windowsキーがあった場所にある

 また、これまで右Windowsキーが割り当てられていた部分が、フリップ3Dキーへと改められた。これによって、Windows Vistaで導入されたウィンドウの切替スタイルをワンボタンで呼び出せる。具体的にはキーを押すとフリップ3Dモードへ移行。それ以降はキーを押すたびに最前面となるウィンドウが切り替わっていく。元の状態に戻す場合はEnterキーを押せば良い。

 入力性を重視する人に気になりそうなのが、Escや各種ファンクションキーの小型化だ。いずれも半角/全角キーなどより一回り小さいサイズになっている。かな漢字入力でファンクションキーを多用する人にはやや気になる部分だろう。また、パームレスト部の素材も変更されたようで、クッション性がほぼなくなっている印象だ。

 また、各種ホットキーも従来品より小型化された。Wireless Laser Desktop 6000と比較した場合、ユーザーが登録できるホットキーが5種類から3種類になり、「前に進む」「ログオフ」などが省略され、配置場所も変更された。この影響もあってか、横幅も短くなった。一方、「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000」ではなぜか省略されていた「次のトラック」「前のトラック」は復活している。


Escやファンクションキーの小型化は意見が分かれそうな部分だ 前身モデルといえる「Wireless Laser Desktop 6000」との対比。横幅が短くなっている

マウスは専用台を使った充電にも対応

Microsoft Wireless Laser Mouse 7000が付属
 続いてはマウスに目を向けてみよう。本製品同梱のマウスは「Microsoft Wireless Laser Mouse 7000」。レーザー方式のセンサーが採用され、単4形ニッケル水素充電池1本で動作する充電式の製品だ。これまでマイクロソフトのデスクトップ向けマウスといえば単3形乾電池2本を使用するものが多かったため、単4形電池1本に変更されたことで特に軽量化された印象だ。

 デザイン的には右手での使用が前提。ホールディングした状態で親指の上側にあたる部位が張り出しているので、マウスを大きく動かす場合にはこの部分へ指を引っかけると感じになるだろう。ただし、本体表面の仕上げが比較的ツルツルすることもあって、薬指側からのホールドがしにくくなったように思う。

 また、個人的にはホイール部の変更にややとまどいを覚えた。人差し指のかかる部分が細型化し、鋭利になった印象だ。そのため、ホイールの押し込み操作時にやや痛みを感じてしまう。ただ、これは年齢といった個人差にともなう事象でもあるはずなので、店頭サンプルなどで実際に試して欲しい。


底面から電池ボックスやスイッチにアクセスできる Microsoft Wireless Laser Mouse 6000(右)との比較。ホイールが細くなったため、押し込み操作のフィーリングが変わった

 そして、これまでの製品として決定的に違うのが「ACアダプタで充電できる」という仕様だ。製品パッケージには専用充電台とACアダプタが同梱されており、マウスに収納した単4形ニッケル水素充電池を充電する仕組みになっている。ただ、使用されているのはあくまで汎用的な単4形電池のため、同形のアルカリ乾電池などで代用することは可能と思われる。

 製品の性質を考えれば、充電台はパソコン周辺に常時配置して、昼休みなどの合間を使ってこまめに充電するのが筋だろう。しかし、パソコン周辺のコンセントが足りず、タコ足配線せざるを得ない筆者としては、これ以上ACアダプタ使用機器を増やしたくないというのが本音。このように「アルカリ乾電池で使いたい」というユーザーも少なからずいると思われるので、より詳細なサポート情報をパッケージなどにもあらかじめ明記してほしいところだ。

 補足となるが、ユーティリティ「IntelliPoint」をインストールしたら、ホイールクリックに「次のウィンドウ」機能を1度割り当ててみてほしい。クリックのたびにアクティブウィンドウが直接切り替わる機能だが、キーボードのAlt+Tab機能とはまた異なる挙動になっており、たいへん便利だ。


充電用ACアダプタと充電台が同梱 充電中はLEDインジケータが明滅する

ワイヤレスアダプタもバージョンアップ

「Microsoft Wireless 2.4GHz Receiver V3.0」というUSB接続レシーバが付属
 キーボードとマウスのワイヤレス接続に欠かせないのが、PCのUSBポートに接続するアダプタだ。Wireless Laser Desktop 7000には「Microsoft Wireless 2.4GHz Receiver V3.0」というドングル状のアダプタが付属している。文字通り2.4GHz帯を利用しているため、従来製品と比較してワイヤレスの利用可能範囲がアップ、半径約10mに拡大されている。

 このアダプタは、USBポートに直付けして利用する。従来モデル「Wireless Laser Desktop 6000」には数メートルあるUSBケーブルの先にワイヤレス用の基部が設置されていたため、大幅に変更された部分と言えるだろう。なお、LEDインジケータを兼ねたボタンが1個ついており、ワイヤレス接続のペアリング作業時などに押す必要がある。

 ケーブルがないため、デスク周辺の配線がすっきりするのが特徴だが、PC背面のUSBポートなどに接続する場合は万一のペアリング作業が面倒かもしれない。また旧来タイプはCapsロック状態などを示すLEDインジケータが用意されていたが、それも省略された(切替時にはモニタにメッセージが表示される)。現状では一長一短あるというのが正直な印象だ。

 ただ、「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000」に同梱した「Microsoft Wireless 2.4GHz Receiver V1.0」と比較して、横幅が1mmほど小型化し、隣接するポートにわずかとは言え干渉しづらくなるなど地道にバージョンアップしていることが伺える。

 ちなみに、このアダプタは比較的汎用性があるようで、2.4GHz帯を利用する旧製品も利用可能なようだ。筆者の環境では「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000」のマウス部である「Natural Wireless Laser Mouse 7000」を接続して問題なく利用できた。ただし、未保証の活用法であることは言うまでもない。


「Microsoft Wireless 2.4GHz Receiver V1.0」(右)との比較。横幅が1mmほどだが短くなり、隣りのコネクタに干渉しにくくなった 正常稼働中はLEDが点灯。ペアリング作業時には明滅する

カーブ形状キーボードを利用したい人におすすめ

 以上、実際の使用感を旧製品と比較しつつ紹介してきたが、個人的には旧製品と比較して大胆な変更点も多いため、慣れるには少々時間が必要だと思っている。特にマウスのホールド感については、個人的な印象のせいもあってとまどい気味だ。充電機能もマウスのみが対象でキーボードは従来通りアルカリ乾電池を利用するなど、統一感に欠けると見ることもできる。

 ただ、この製品最大の特徴は、やはり独特のカーブ形状キーボードだと言えるだろう。ホットキー数などのわりには比較的コンパクトなデザインで、半透明外枠を採用した外観は見た目のインパクトも強い。15,540円と決して安い製品ではないが、ワイヤレス製品を検討中でなおかつカーブ形状に興味がある人ならば、店頭などで1度使用感を試してみると良いだろう。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.microsoft.com/japan/hardware/laser/wi_laser_desk7000.mspx
  Microsoft Hardware
  http://www.microsoft.com/japan/hardware/default.mspx


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(森田秀一)
2008/06/04 11:03
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