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シンプルな機能で扱いやすい。ロジテックの防水ワンセグテレビ


ロジテックの「Dialive LTV-1S700WP」。7インチワイド液晶搭載のワンセグテレビだ。直販価格は3万9800円
 ロジテックの「LTV-1S700WP」は、ワンセグ放送の受信に対応したテレビだ。7インチという大型ワイド画面にステレオスピーカー、そして防水機能と充電式バッテリを搭載。据え置き、ポータブルどちらにも対応できるユニークな製品である。

 ワンセグと言えば、携帯電話をはじめとした小型携帯端末の付加機能というイメージが強いが、このサイズなら普通のテレビと同じ感覚で使用することもできる。キッチンで料理をしながら眺めるも良し、バスタブの横に置き、ゆっくり入浴しながら楽しむも良し。いつでもどこでも使えるフットワークの軽さが魅力の製品だ。

 ロジテックといえばパソコン周辺機器で有名なメーカーである。ところが、LTV-1S700WPはUSBポートなどのインターフェイスを装備していない。それどころかテレビモニタで当たり前と思われる、ビデオ入力端子やヘッドホン端子さえないのである。あるのは、ACアダプタを接続する端子とアンテナを接続する端子だけなのだ。


強い日差しの中でもクリアな画面。下方向からの視野が制限されているように思えるが、明るい状況でも見やすくするための工夫だろうか 7インチの大型ワイド液晶と左右2つのスピーカーを搭載。本体は横200mm、縦154mm。A5用紙とほとんど変わらないコンパクトサイズだ

前面パネルの画面下に配置されているボタンは6つだけ。選局ボタンはメニュー画面での項目選択にも使用する
 しかし、ただ単に画面が大きいだけのワンセグテレビではない。リチウムイオンバッテリを内蔵しており、4時間ほどの充電で、最大約3時間の視聴が可能。しかも本格的な防水機能を持つため、台所や洗面所、浴室などの水回り、あるいは雨の心配がある屋外などでも安心して使用できるのである。見たいときに見たい場所でテレビが見られる、まさに「どこでもテレビ」なのだ。

 機能が絞り込まれているおかげで操作が非常にわかりやすいという点も大きな特徴だ。ボタンは前面パネルの画面下に、たった6個並んでいるだけ。プッシュロック式の電源スイッチ、各種設定を行なうメニューボタン、それに選局ボタンが2つと音量調整ボタンが2つ、これがすべてである。

 付属の赤外線リモコンにはワンタッチで番組表を呼び出すボタンとダイレクト選局用の数字ボタンが追加されているが、基本的な操作は同じ。迷う余地がないほど単純明快そのものである。

 メモリカードなどに番組を録画するといった機能はないし、近頃の電子機器には珍しく、時計さえ搭載されていない。最初にメニューから受信地域を指定し、字幕やアイコンの表示方法を設定してしまえば、その後は複雑な操作は何ひとつ必要ない。スイッチを入れてチャンネルを選ぶだけという、昔ながらのテレビ受像器と同じ感覚だ。

 ボタンのレタリングも大きくはないが漢字とカナで表記されており、電気製品が苦手なお年寄りをはじめ、幅広い年代で気軽に扱える製品となっているのが大きな魅力と言えるだろう。


付属の赤外線リモコンは85×40×7mm(縦×横×厚)のカード型。番組表呼び出し用のボタンとダイレクト選局用の数字ボタンが追加されている 付属のACアダプタは刃が縦に並ぶタイプ。比較的大型だが幅が狭いので隣の挿し込み口を覆い隠すようなことはない

スリットの奥にあるスピーカーの口径は30mmほど。渦巻き状に溝が刻まれた防水カバーのようなものが見える
 7インチクラスの大きなワイド画面でステレオスピーカーを搭載した防水ワンセグテレビは珍しいのではないだろうか。しかも、表示のコントラストが高いため、とても見やすいのだ。明るく照明されたバスルームやキッチンだけでなく、屋外の陽光下で使用することも想定しているためだろう。

 スピーカーはボディの下、両端に配置されている。出力は0.3W+0.3Wと控えめながら、意外なほど大きな音が出せる。音量を上げても歪みが少なく、人の声が聞きやすいクリアな音質だ。映像を見ながら音声を聴くというテレビとしての基本性能を重視した作りには好感が持てる。

 ボディカラーは清潔感がある透き通るようなホワイト。キッチンやバスルームにぴったりと言える。幅200mm、高さ154mm。ほぼA5用紙のサイズだ。厚さは38mmで、重量は約600g。凹凸の少ないフラットな形状なので気軽に持ち歩くことができる。専用キャリングケースなどは用意されていないが、携帯端末用のケースや100円ショップなどで手に入るクッション入りのポーチなどを流用すれば良いだろう。

 本体はそのままでも自立が可能だが、底面に組み込まれている収納式のスタンドを背面側に引き起こすと安定性が増す。キッチンやバスルームの壁面に取り付けるには付属のプレート台座が便利だ。裏面の粘着パッドでフラットな面に貼り付け、本体をひっかけるように固定できる。


メニューボタンで呼び出されるメインメニューは全項目が1画面に収められていて、ページ切り替えなどの操作が必要ない 項目によってはサブウィンドウが現れ、ガイダンスを表示してくれる。文字が大きく、非常に見やすい親切なデザインだ

本体右側面にあるアンテナコネクタ。伸縮式のロッドアンテナとケーブル接続式の外部アンテナが接続できる
 また、LTV-1S700WPには2種類のアンテナが付属している。1つはネジ込み式コネクタで固定するロッドアンテナ。引き伸ばすと全長約25cm、本体と一体化するのでポータブル用として重宝するだろう。

 もう1つは約5mのケーブルで接続する据え置き用の外部アンテナだ。こちらは全長17cmあまり。台座の底に磁石が取り付けられていて、スチール製の家具などに固定できるほか、付属の粘着パッド付き設置プレートも利用できる。窓際など受信条件の良い場所に取り付けておけば安定した映像を楽しめるはずである。

 本体の防水性能はIPX7相当。定められた条件下であれば、水没させても有害な影響がない防侵型と呼ばれるレベルである。実用上は水中に沈められるわけではないが、水濡れに関する心配は皆無と言って良い。キッチンやバスルームで水しぶきがかかってもまったく問題ないし、屋外で不意の夕立ちにさらされてもヘッチャラだ。

 外部入出力端子数を最低限に抑えたのは、この防水性を確実なものにするためではないだろうか。外装に開口部が多くなれば、なるほど防水機器としての耐久性と信頼性は低くなるからである。

 水濡れに強い防沫型赤外線リモコンを採用したあたりにも防水に対するこだわりが感じられる。ただし、水の侵入を防ぐには本体横にあるACアダプタのパッキンをしっかりと閉め、バッテリ駆動で使用する必要があるという点には注意していただきたい。


外部アンテナは全長約17cmのホイップ型。台座に磁石が組み込まれ、根本部分が折り曲げられるので自由な場所に設置できる ACアダプタ用のコネクタは柔らかいゴム製のパッキン付き。これを閉めないと防水性が発揮できないので注意が必要だ

付属品には本体を壁面などに取り付ける四角い台座や、外部アンテナ設置用の丸いプレートなどが含まれている
 実を言えば、当初はヘッドホン端子くらいあっても良いのではと思っていた。しかし、しばらく使用していると考えが変わってしまう。周囲を気にせず、自分1人で楽しむのなら携帯電話や小型のワンセグテレビを使えば良いのである。ビデオ入力端子についても同様。出先で撮影したビデオ映像のモニタというニーズもあるだろうが、これはカメラのファインダーで確認すれば良いし、大きな画面に表示させたければ帰宅してからテレビに接続すれば良い。

 近頃の多機能テレビに慣れてしまっている筆者ではあるが、この単純明快な製品には非常に満足できた。ノートパソコンの隣に置いて仕事の合間に情報番組を見たり、バスタブに浸ってドラマを見たり、あるいは近所の公園に出かけ、芝生に寝転がりながらスポーツ中継を見るなど、常に持ち歩く習慣が付いてしまったほどだ。これもテレビとしての基本機能がしっかりとしているからだろう。「simple is best」が実感できるアイテムである。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.logitec.co.jp/products/1seg/ltv1s700wp.html
  ロジテック
  http://www.logitec.co.jp/


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(斉藤成樹)
2008/06/18 11:09
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