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指紋認証でセキュリティを強化! バッファローのUSBメモリ


 バッファローの「RUF2-FHS」。直販サイトの販売価格は1万800円(512MBモデル)から3万3800円(8GBモデル)。対応OSはWindows Vista/XP/2000 SP3以降/Server 2003

本体中程にあるバー型の指紋読み取りセンサー。指先を軽く押し当て、垂直方向にスライドさせるだけで認証される
 バッファローの「RUF2-FHS」は、高度なセキュリティ機能を持ったUSBフラッシュメモリだ。素早くユーザーを識別する指紋認証システムと、ハードウェアによる自動暗号化システムを搭載し、簡単な操作で記録されたデータを不正なアクセスから保護できる。利便性と安全性を両立させたポータブルストレージデバイスだ。

 USBフラッシュメモリは軽量コンパクトで気軽に持ち歩けるぶん、何らかのトラブルに見舞われる可能性を考えておかなければならない。物理的な損傷でハードウェア自体が使い物にならなくなるのであればまだしも、紛失や盗難となると深刻だ。場合によっては無関係の人物に内部のデータが読み出されてしまう恐れもある。

 また、ビジネスユースでは外部に伏せておきたい重要な情報が漏洩するといった事態に発展しかねない。プライベートでもメールやアドレス帳、個人的なメモ、場合によってはパスワードや暗証番号などを記録していることがあるだろう。他人に見られて困るような情報がなかったとしても、プライバシーを覗かれるのは決して気分の良いものではないはずだ。

 RUF2-FHSでは、フラッシュメモリ内に記録された情報を保護するために、高度なセキュリティシステムを搭載している。その1つが指紋による認証だ。目の虹彩や網膜、手のひらの静脈パターン、声紋などによる認証と同じく、ヒトの身体に備わった固有の特徴を識別して正しい使用者かどうかを確認する生体認証、あるいはバイオメトリクス認証と呼ばれるセキュリティシステムである。

 誰にでも扱えるパスワードや暗証番号とは異なり、他人がなりすますことはできないし、記憶違いや度忘れとは無縁。入力ミスでイライラさせられることはない。さらにキーボードやタッチパネルなどを操作する必要がないため、素早い認証が可能というメリットも見逃せない。


指紋認証や暗号化システムを内蔵しているにもかかわらず、全長78mm、重量約15gと一般的なUSBフラッシュメモリと変わらない 指紋認証時は本体に直接触れる必要がある。デスクトップパソコンなどでは延長ケーブルを使用して手元に引き出すと良いだろう

指紋の登録や認証はフラッシュメモリ内の管理ドライブに収録されているソフトウェア「finger.exe」で行う

指紋の登録はセンサーに指先を軽く押し当てて3度スライドさせる。角度と速度を安定させないとエラーが出やすいので注意が必要だ
 指紋識別は古くから個人特定に利用されている信頼性の高い方法だ。パソコンでも指紋認証デバイスを見かけるし、銀行のATMなどにも取り付けられている場合がある。本製品における指紋認証方式は、細長いバーの上に指先を当てて撫でるようにスライドさせるタイプだ。

 本体中央にくぼみがあり、ここに指紋読み取りセンサーが取り付けられている。プレートに指を押し付けて読み取るタイプとは違い操作痕が残らない。コンパクトなだけではなく、より安全性の高い方式と言えるだろう。これと似たタイプが携帯電話のセキュリティシステムに採用されていたこともあるのでご存じの方も多いはずである。

 本体のデータ記録領域は、指紋認証か別途設定したパスワードによる認証をクリアしないとパソコン上で記憶装置として認識されない。加えて、内蔵ハードウェアが書き込み時にデータを暗号化し、読み出し時にそれを元に戻すという作業を自動的に行っており、高い安全性が確保されている。仮に本体を分解して内部のメモリチップだけを取り出したとしても、そこから意味のある情報を引き出すのは至難の業だろう。

 指紋登録の手順は簡単だ。パソコンにソフトウェアをインストールする必要はなく、初期状態のRUF2-FHSをUSBポートに挿し込むだけである。ウィンドウに表示される両手のイラストから指を選んだのち、センサーに軽く指を押し当ててスライドさせるという作業を3度繰り返す。読み取りの際、指を動かす方向はどちらでもかまわないが、角度と速度を安定させないとエラーが出やすいので注意が必要だ。

 識別精度は相当に高そうである。このため、登録済みの指紋でも指先が汚れていたり、あるいは小さな切り傷や擦り傷を負っただけで認証されなくなってしまう恐れがある。最大10個の指紋を登録できるので、万一に備え、少なくとも2本の指を使えるようにしておくと良いのではないだろうか。

 指紋登録後は、通常のUSBフラッシュメモリと同じように使用できる。指をスライドさせるという作業が加わるものの、これだけで安全が確保できるのだから負担とは言えないだろう。パソコンへのログインやWebサイトへのサインインに指紋認証を利用した経験があればご理解いただけると思うが、パスワードを入力するよりはるかにスピーディーで簡単。慣れてしまうと手放しがたくなるほどの快適さである。

 RUF2-FHSの指紋認証システムはフラッシュメモリ内の管理用ドライブに収められており、ここから自動起動する。つまり、パソコン側に専用のソフトウェアをインストールする必要がないのだ。自宅やオフィスだけでなく、ネットカフェなどに置かれた公共のパソコンでもそのまま利用できるのは非常にありがたい。

 また、内蔵ソフトウェアだけではカバーしきれない詳細な設定や管理を行うためのアプリケーションも2種類が用意されている。製品パッケージには同梱されていないが、バッファローのWebサイトら無償ダウンロードできる「SecureLock Manager Lite」を使えば、マスターキーファイルによる認証や指紋の管理、またパスワードリトライ回数の設定などが可能だ。


「SecureLock Manager Lite」は無償で使用できる。淡色で表示されている機能は有償版「SecureLock Manager」のみのサポートとなっている 「SecureLock Manager Lite」ではRUF2-FHSに登録された指紋やパスワードの管理が行える。必須ではないが用意しておきたいアプリケーションだ

 もう1つの「Secure Lock Manager」は「SecureLock Manager Lite」の機能制限を解除した有償版。こちらでは通常では書き込めない管理用ドライブへのデータ保存や容量変更、パスワード運用の詳細設定、また操作ログの表示といった機能もサポートされている。

 RUF2-FHSは512MBから8GB、計5モデルのラインナップ。指紋を読み取るセンサーやハードウェア暗号化システムを搭載しているにもかかわらず、通常のUSBフラッシュメモリと変わらないコンパクトなサイズにまとめられている。製品パッケージには本体とつないでキャップの紛失を防止する短いストラップ、それに長さ30cmのUSB延長ケーブルが同梱されていた。USBポートが背面に配置されているようなパソコンでは、直挿しするよりもこの延長ケーブルを利用したほうが使い勝手は良いようである。


USBプラグ部分を保護するキャップは本体尾部に挿し込むことができるタイプ。ストラップ付きなので紛失の心配はない 製品パッケージには本体とキャップとをつなげる短いストラップ、長さ30cmのUSB延長ケーブルが同梱されている

関連情報

URL
  製品情報
  http://buffalo.jp/products/catalog/flash/ruf2-fhs/
  バッファロー
  http://buffalo.jp/


Amazon.co.jpで購入する(512MBモデル)



(斉藤成樹)
2008/07/09 11:07
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