■ 家庭用テレビアンテナ端子に接続し、ワンセグ受信をサポート
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製品パッケージ
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エレコムのワンセグアンテナケーブル「MPA-ATシリーズ」は、ワンセグケータイやUSBワンセグチューナーのアンテナに取り付け、もう一方の端子を自宅のテレビアンテナ端子に接続することで、室内におけるワンセグ放送の映像を鮮明にできるという製品だ。ワンセグケータイの可搬性を犠牲にする代わりに、室内でのワンセグ放送をほぼ確実に視聴できるようにするコンセプトの製品である。
せっかくワンセグケータイを買ったのに、自宅でワンセグ放送を見ようとしたら電波が入らず、まったく使い物にならなかった経験を持つ人は少なくないと思われる。また、受信感度がギリギリの場所で番組を視聴していて、クライマックスになった瞬間に画面が固まってしまったという悲しい経験は、多くの人にあるのではないだろうか。
ワンセグ放送の電波が入りにくい場合、自ら場所を移動するといった根本的な手段を除き、個人レベルではこれまで打つ手がなかった。しかし、本製品を用いれば、電波が入らない室内や、窓から離れた場所であっても、アンテナにクリップを挟むだけで、ワンセグ放送を視聴できる確率が高くなる。
ちなみに、ワンセグ端末と家庭用のテレビアンテナを接続し、安定視聴を可能にするコンセプトは、過去にも存在している。現在市販されているUSBワンセグチューナの一部に添付されている、家庭用のテレビアンテナ端子に接続できるオプションケーブルがそれだ。標準アンテナをオプションケーブルに交換することで、ワンセグ放送を視聴できないという最悪の事態を回避できるようになっていた。
本製品は、こうしたオプションケーブルと同じく、テレビアンテナ端子に取り付けるという基本的な仕組みは維持しながらも、装着方法にクリップを採用したことで、ワンセグケータイやワンセグ電子辞書、USBワンセグチューナーなど、多くの端末で使える汎用性を持たせている。コロンブスの卵的な発想の製品とも言えるだろう。
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3/5/10mの3製品をラインナップ。一端はクリップ、もう一端はテレビアンテナ用のF型プラグを採用
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金属製のクリップ。指でつまんで開閉する
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■ クリップで挟む単純な利用法ながら、効果は絶大
製品の両端を見ると、一方がクリップ、もう一方がアンテナ接続用のF型プラグになっている。使用方法はシンプルそのもので、まずワンセグ機器側のロッドアンテナを引き出し、本製品のクリップを挟む。そして、もう一方のF型プラグを地上デジタル放送の受信が可能なテレビアンテナの口に差し込むだけで良い。普段使用する際は、テレビアンテナ側は接続したままにしておき、ワンセグ放送を観る時だけアンテナをクリップで挟むようにすれば良いだろう。
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アンテナに挟んで使用するため、アンテナ内蔵のワンセグ機器には非対応
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F型プラグは家庭用テレビアンテナ端子に差し込む
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ワンセグケータイに装着したところ。受信感度が悪い場所でもクリアな映像を楽しむことができた
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早速実験してみよう。実際に、ワンセグ放送のワンシーンを表示したまま画面が固まった状態にあるワンセグケータイに本製品を装着してみたところ、間を置かずに映像表示が復旧し、スムーズに視聴できるようになった。クリップで挟むだけの手間にもかかわらず、その効果は絶大だ。
また、電波の受信自体がうまくいかず、チューニングすらうまくできなかったワンセグ電子辞書に本製品を装着した場合も、きちんと電波が受信できるようになり、安定した視聴が可能になった。クリップを外すと途端に視聴できなくなるなど、その効果が明らかに実感できるレベルだ。
もちろん、無線が有線になるということもあり、取り回しは極端に悪くなる。とは言え、今回の実験中、ワンセグ放送が途切れることは皆無であるなど、信頼性は非常に高いと感じられた。本製品なしでも電波をある程度受信できる環境の場合でも、録画を行う際などは保険として装着しておくのも良いだろう。
注意点としては、外部アンテナに取り付ける仕組みであるため、アンテナを内蔵している機器では利用できない点が挙げられる。アンテナ内蔵のワンセグケータイを利用しているような場合は、残念ながら諦めるしかないだろう。
■ 室内での視聴を諦めていたユーザーにとって福音となる製品
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ワンセグ電子辞書に装着したところ。ちなみに、機器側のロッドアンテナはすべて引き出さなくとも、とりあえずクリップで挟めるぶんだけ引き出せば問題ない
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冒頭でも書いたが、ワンセグ放送の電波が入らないというシチュエーションにおいて、従来は場所ごと移動しない限り、個人レベルではまるで打つ手がなかった。録画対応のワンセグ機器を持っているユーザーの中には、わざわざ電波が入る部屋に移動してテレビ番組を録画したのち、自室に戻って鑑賞するという工夫を試みているユーザーもいると聞く。
そうしたユーザーにとって、今回のワンセグアンテナケーブルは、まさに福音とも言える製品だ。もちろん、ケーブルの届く範囲内にテレビアンテナの端子が装備されている必要はあるし、有線ならではの取り回しの悪さはあるものの、人によってはワンセグ端末こそが唯一のテレビデバイスという場合もあるだろう。そうしたユーザーにとっては、ケーブルを引き回す手間など、さしたる問題ではないと思われる。
アイデア自体はシンプルだが、文字通り、コロンブスの卵とも言えるこの製品。ケーブル長は3/5/10mと、部屋の広さに合わせて3製品がラインナップされている。価格も1000円台からと安いため、ワンセグ放送の電波が届かず、自室での視聴をあきらめているというユーザーは、ぜひとも試してみて欲しい。
■ URL
製品情報
http://www2.elecom.co.jp/avd/cable/mpa-at/
エレコム
http://www.elecom.co.jp/
(山口真弘)
2008/08/06 11:09
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