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オフィスで自宅でマルチに使える! ノートPC用クーラースタンド


「Cool Stand 3」。MIBの直販価格は3980円。ノートPCを斜めに固定するプレート、回転台座、冷却ファンを組み合わせたスタンドだ
 ノートPCに数値を打ち込んだり、チャートを呼び出すと言った操作を行い、クルッと相手側に向けてディスプレイの表示を確認してもらう。プロジェクターなどを使うほどではない、小規模なプレゼンテーションや少人数での商談などでよく見られる光景だ。

 ただ、無闇にこれをやると不快な音を出してしまったり、テーブルに引きずった跡が残ったり、あるいは滑り止めのゴム足が剥がれ落ちてしまったりと、いまひとつスマートとは言えない事態に陥る場合がある。この動作を素早く確実に、作業や会話の流れを乱すことなくこなせるのが、MIBが発売したJETART社製のノートPC用クーラースタンド「Cool Stand 3(NC6000)」だ。

 ノートPCを斜めに傾けられる可動式のプレートと、360度クルクル回る台座を一体化。さらに、USBバスパワーで駆動する冷却ファンも装備している。環境対策で冷房を抑えたオフィスでも、安心して使用できる使い勝手の良い回転式クーラースタンドだ。


裏返すと360度自由な方向に方向を変えられるリング状の回転台。適度な抵抗感があるので不用意に回ってしまうようなことはない 天板の角度は20度~50度まで6段階に調整できる。コの字形の金具を突起に引っかけて支える、シンプルだが確実な方式だ

ゴムパッドとストッパーはリトラクタブル式。天板を閉じれば凹凸のない厚さ23mmのパネルになるので持ち運びにも便利
 Cool Stand 3のボディは、大部分が軽量なプラスチックで作られている。回転式の円盤がついた台座と、ノートPCを置く天板とを手前側のヒンジでつなぎ合わせた構造だ。裏にあるコの字形の金具を支柱にして、ちょうど本を開くような形で天板が起き上がる。角度は20度から50度まで6段階に調整可能だ。

 本体サイズは横300mm、縦276mm。パッケージの仕様表では11.1型から15.4型ディスプレイを持ったノートPCに対応するとなっているが、かなりの融通が利く印象だ。製品は、四隅にあるリトラクタブル式のゴムパッドと、ヒンジ近くにある2カ所のストッパーで支える方式なので、ここにバランス良く載せられるサイズであれば実用上の問題はないようである。

 重量は800gほど。折りたたむと厚さ23mmのフラットなパネル状になる。回転機構とクーリングファンが組み込まれているという点を考えれば非常に薄い。大きめのソフトアタッシェケースのほか、トートバッグやエコバッグにすんなりと収めることができるだろう。オフィスやロビーに備品として用意しておくだけでなく、取引先に出向いての商談やプレゼンテーション用として携帯するのも良いかもしれない。


天板中央、メッシュパネルの裏側に配置されたクーリングファン。直径約80mm、回転数は2000rpm。じゅうぶんな風量と低動作音を両立させている
 天板の中央、メッシュパネルの内側にはUSBバスパワーで駆動する直径約80mmの大型クーリングファンが取り付けられている。天板に載せたノートPCの底面に向けて空気を送り込み、大きな冷却効果を発揮するが、動作音が非常に低く抑えられているのが特徴だ。

 動作音は21.26デシベルというから、ささやき声と変わらない。オフィスなどなら会話や音声再生を邪魔することなく、完全にバックグラウンドノイズに紛れてしまうほどの静かさである。また、消費電力が0.14Aと低く抑えられており、他のUSB機器と共存させても容量不足に陥る心配がない。

 このファンにはスイッチなどはなく、ケーブルをパソコンのUSBポートに挿し込みさえすれば回転するシンプルな構造だ。電源用USBケーブルは長さ約40cmの直出し式。使わないときは裏側のスプールに巻き付けて収納できるが、天板を完全に折りたたむとケーブルが引き出せず、ファンが使用できなくなるので注意が必要だろう。

 もちろん、通常のノートPCなら送風による強制冷却は必須ではない。しかし、高画質のビデオ再生や3次元モデリングといった負荷の高い処理を多用するプレゼンテーションなどでは保険としての存在価値が無視できない。発熱によるハードウェアのトラブルを防止するという意味で安心感に繋がるはずである。なお、このファンの前面を覆うメッシュパネルは、レッドのほかにブラック、シルバー、オレンジのカラーバリエーションが用意されている。


ファンの電源はUSBバスパワー。ケーブル長は約40cm。冷却の必要がなければスプールに巻き付けてコンパクトに収納しておける 冷却効果を高めるためか、ノートPCを四隅のゴムパッドと2カ所のストッパーで支え、天板との間に隙間を作っている

パッケージに日本語パンフレットなどは同梱されていなかったが、MIBの製品紹介ページに目を通すだけで使い方は理解できるだろう
 MIBの製品紹介ページを見ると、オフィスでの小規模なプレゼンテーションやミーティング、あるいは向かい合っての商談といったシチュエーションを想定した製品のようだが、これ以外にもさまざまな用途が考えられる。

 まず、パッケージに添えられたイラストにもあるように、ユーザーの姿勢を正すという使用法。ディスプレイを高めの位置にすれば背筋を伸ばしたままで視線を水平に保てる。不自然に背中を丸めたり、頸部を傾ける必要がなくなるので、肩こりをはじめとした、いわゆるテクノストレス症候群の解消につながるというわけだ。

 寝室などでノートPCをテレビやDVDプレーヤーと兼用しているような場合は、可動式の台座として利用すると非常に使い勝手が良い。ベッド脇のテーブルに置いておけば、床に座りパソコンとして操作するとき、また、ベッドに横たわってテレビ放送やDVDの再生映像を観るときなど、状況によって方向や角度、ディスプレイの高さを素早く簡単に調整できるのだ。


安定性は少々欠けるようではあるが、30度程度の角度なら本体キーボードや内蔵ポインティングデバイスでの操作が可能だった 最大の50度まで引き起こすとパソコンがほとんど直立しているように見える。この角度では外部キーボードやマウスの接続が必要になる

 筆者個人としては、主にノートPCを2台、前後に並べて使う場合に活用させてもらった。狭いデスクを有効に使うため、奥のマシンで資料などを表示させながら、手前のマシンで文章を入力することが良くあるのだ。このとき、奥の1台をCool Stand 3に載せて置くと、もう1台を手前に置いてもディスプレイを見やすい高さに調整できる上、傾斜したキーボードが伸ばした手先で操作しやすくなるのである。

 角度を付けすぎると少々安定性に欠けるのが難点ではあるが、文書作成などには外部キーボードやマウスを接続してデスクトップ感覚で利用してしまえば良いのだ。MIB OnlineShopでの価格は3980円。軽量コンパクトながらアイディア次第でマルチに使えるコストパフォーマンスの高いスタンドである。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.mib.co.jp/product23.html
  MIB
  http://www.mib.co.jp/


(斉藤成樹)
2008/08/27 11:19
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