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FM/AMアンテナ付属でハイコストパフォーマンスなUSBラジオ


プリンストンテクノロジーのUSBプラグ一体型FM/AMラジオチューナー「PCA-RCU」。実売価格は7000円前後だ
 プリンストンテクノロジーの「PCA-RCU(デジ造Radio版)」は、USBプラグ一体型のコンパクトなFM/AMラジオチューナーだ。きめ細かいスケジュール設定が可能な録音機能や、聴いている放送を巻き戻したり録音したりするタイムシフト機能を搭載する。

 ラジオをリアルタイムに楽しむだけでなく、録音した番組をポータブルオーディオプレーヤーに転送、再生するといった用途にも活用できる。気軽に使える抑えた価格も魅力のアイテムだ。

 パソコン用ラジオチューナーでは、パソコンが発する電気的なノイズの影響を避けるため、アンテナを離れた場所に置けるよう工夫された製品が多い。中にはチューナー本体とアンテナを一体化した風変わりなデザインの製品も見かけるが、PCA-RCUではプラグ一体型のコンパクトなチューナーユニットにアンテナをケーブルで接続するというベーシックなスタイルが採用されている。

 パソコンのUSBポートに直接挿し込める本体は全長9cmほどの丸みを帯びた長方形。一般的なUSBフラッシュメモリよりいくらか大きい程度である。白いボディにUSBプラグとアンテナからのケーブルを挿し込む3.5mmミニピンジャックがあるだけという非常にシンプルなユニットだ。


チューナーユニットにはアンテナが内蔵されていない。大きさは32×84.5×15mm(幅×奥行×高)。電源はUSBバスパワーだ パッケージにある通り、ラジオ放送をパソコンに録音し、ポータブルオーディオプレーヤーに転送、再生できるのが大きな魅力

左がFMラジオ用ロッドアンテナ。右がAMラジオ用ループアンテナ。どちらも2mほどのケーブルでチューナーユニットと接続する
 PCA-RCUは比較的リーズナブルな価格帯の製品ながら、FM/AMそれぞれの外部アンテナ、ケーブル、アダプタといった必要なアクセサリー類がひと通り付属しているのが特徴だ。チューナー本体と2本のアンテナは、付属の二又ケーブルを介して接続する。

 FMラジオ用は台座部分にマグネットが埋め込まれた全長14cmあまりのロッドアンテナ。ケーブルの先にあるコネクタはネジ山が切られたF型と呼ばれるタイプだ。二又ケーブル側のRCAコネクタとは付属アダプタを利用して接続する。F型はアンテナ用として広く利用されている形状なので、ほかのFMラジオ用アンテナやテレビアンテナなどの同軸ケーブルを接続することが可能だ。反対に本製品のアンテナを他のラジオやポータブルテレビなどに流用することもできるだろう。

 もう1つのAMラジオ用はミニコンポなどに採用されているループアンテナと呼ばれるタイプだ。縦10cm、横14cmほどの四角いフレームの外周に細いケーブルが巻き付けてある。アンテナは、フレームから内側に向けて突き出しているプレートを折りたたむことで自立が可能だ。こちらはRCAコネクタなのでアダプタを取り付ける必要はない。


FM用、AM用、それぞれのアンテナは付属の2又ケーブルで1本にまとめられ、チューナーユニットのミニピンジャックに接続する 赤いコネクタはAM用、白いコネクタはFM用。FM用の接続にはF型とRCAコネクタを変換するアダプタを利用する

 アンテナのケーブル長はFM用、AM用どちらも2mほど。じゅうぶんな感度が確保されているらしく、筆者の環境ではパソコンから40~50cmほど離してノイズの混入を避けさえすれば、室内のどこに置いても受信状況は安定していた。

 コンパクトなチューナー本体は重量約20g。アンテナ2本に接続ケーブルを加わえても負担になるような重さではないが、PCA-RCUはモバイル環境ではなく、むしろデスクトップで本領を発揮する製品のようだ。


アンテナの接続はお馴染みの3.5mmステレオミニピンジャック。ヘッドホンを挿し込んでも鳴らないので念のため(笑) パッケージには2本のアンテナ、2又ケーブル、接続アダプタのほか、短いUSBケーブルも付属している

付属の専用ソフトウェア「デジ造 RadioPlayer」はオーディオ機器のコントロールパネルを思わせるウィンドウデザインだ

左端にある開閉ボタンをクリックすると、カバー部分が手前にせり出し、右方向にスライドして数字キーが現れる
 スポーツ中継やニュースをリアルタイムで聴く場合やバックグラウンドとしてラジオ放送を聴き流すのなら、多少受信状況が悪くても気にならないだろう。しかし、音楽番組で曲が途切れたり、語学学習番組で言葉が聞き取れなくなるのは問題だ。それならば安定して受信できる場所で録音した音声をポータブルオーディオプレーヤーなどに転送、再生するほうが合理的なのではないだろうか。この方法なら受信環境が不安定な移動中だけでなく、地下や鉄筋コンクリートの建物内といった、通常はラジオ波が届かない場所でも聴けるというメリットもある。

 PCA-RCUに付属するアプリケーションには、受信した放送をあらかじめ設定したスケジュールに従って自動録音する機能が搭載されている。記録ファイルはWMA、AAC、WAVの3種類。いずれも汎用性が高く、他のパソコンやポータブルオーディオプレーヤーで利用するのに便利な形式だ。特にiPodに関してはメニューに専用の項目が用意されており、設定の手間が省けるよう配慮されている。この機能を活用すれば、パソコンをラジオ番組のサーバーとして利用できるようになるのである。

 専用ソフトウェアは「デジ造 RadioPlayer」と名付けられている。前述の通り、iPodなどに対応した自動録音機能が大きな特徴だが、リアルタイムでラジオを聴くための機能が充実している点も見逃せない。メインウィンドウはオーディオ機器のコントローラーやスマートフォンを思わせるコンパクトなパネル風。左側には携帯電話のような受信状況や各種ステータスが表示され、中央の三日月形のボリュームコントロールや下部のスライド式タイムシフトコントロールも扱いやすい。

 数字キーは見あたらないが、右端の開閉ボタンをクリックすると表示される。パネル右半分が1度手前にせり出し、それから右方向へとスライドして行くという凝った演出だ。視覚的に楽しめる、わかりやすいデザインが印象的である。

 ちなみに「デジ造 RadioPlayer」だけでなく、Windows Vista Media CenterからでもPCA-RCUが受信したラジオ放送を楽しむことができる。同環境をお持ちの方は試してみるのも良いだろう。


受信できる放送局を自動的に探し出すオートスキャン機能を搭載。地域ごとに異なったリストを作成することもできる 録音ファイル形式はWMA、ACC、WAVの3種類に対応。Ohterの項目にはiPod用のプリセット設定が用意されている スケジュール機能は録音中と録音後の動作指定のほか、1度のみ、毎週、毎日といったきめ細かい予約設定が可能となっている

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.princeton.co.jp/product/multimedia/pcarcu.html
  プリンストンテクノロジー
  http://www.princeton.co.jp/


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(斉藤成樹)
2008/11/26 11:22
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