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Wiiで使える! ロジクール「ワイヤレスWiiキーボード」
キーボード経由でWiiの文字入力が可能に


 今回紹介するのは、ロジクールから発売された「ワイヤレスWiiキーボード(NTKB-10000)」。その名の通り、任天堂のゲーム機「Wii」で利用可能な製品だ。キー配列を含めた使用感に加え、その他の機器で利用できるかを実際に検証した。


独自キーを装備したワイヤレスWiiキーボード

ロジクールの「ワイヤレスWiiキーボード(NTKB-10000)」。標準価格は4980円
 ワイヤレスWiiキーボードは、単3形乾電池2本で動作する無線式のキーボード。PC向けキーボードでお馴染みのテンキーやパームレスト、マルチメディアキーが省略されていることもあって、本体サイズは300×167×19mm(幅×奥行×高)と比較的コンパクトな形状、かつ薄型に仕上がっている。

 重量は420gで、手に取ってみるとかなり軽い。膝の上に置いて利用する用途などでも問題ない重さだろう。無線の周波数帯は2.4GHz帯で、操作可能距離は最大10m。これだけの距離があれば、さまざまな部屋で問題なく利用できるはずだ。

 キーボードを利用する上で気になるキー配列もチェックしてみよう。本製品には84個のキーがあるが、アルファベットを入力する上ではPCとの差はほとんどない。Fキーのキーピッチは約19mmで、“@”や“]”キーのサイズもほぼ同一だ。また、F1~F12キーは縦のピッチこそ短いが、12個すべて、他のキーと組み合わせる必要なく直接入力できる。

 ESCやENTERキーなどは当然あるが、一方で省略されているのが左Altと右CTRL、INSERT/PRTSCN/PAUSE/Windowsキーなど。日常的な操作性という意味では、左Altキーがないのがもっとも大きな差だろうか。ただし、Wiiでは「Alt+F4」などの操作はほとんど発生しないはずなので、実利用の面で問題ないと考えることもできる。なお、PGUP/PGDN/HOME/ENDの4種類は、カーソルキーと「FN」キーの組み合わせで入力できる。

 一方、本製品の独自キーとして、「OK」「QUIT」「戻る」「進む」がある。前の2つは文字入力、後ろ2つはWiiの「インターネットチャンネル」で利用できる。


左下にあるズームアウト/インキー。左ALTキーは省略されている カーソルキー付近にはOK/FNキー。QUITキーはキーボード左上のESCキーの右横にある Wiiリモコンとのサイズ比較

USBポートに挿すだけでOK。実利用にはWiiリモコン併用が必須

 では実際にWiiと接続して利用してみよう。セットアップは、Wii本体背面にあるUSBポートに製品付属のUSBレシーバーを挿入するだけで完了する。なお、キーボードの利用には2007年10月に公開されたファームウェア「3.1」が必要になり、それ以前のバージョンの場合には事前にWiiを更新する必要がある。

 電源スイッチはキーボード裏面に配置され、使用時に電源をオンにして使うのが効率的だろう。また、スイッチ横にはLEDがあり、電源オン時には10秒程度点灯する。このほか、無線ペアリング時に押下するコネクトボタンも用意されている。なお、製品にはキーボード用の単3形乾電池が同梱している。


Wii本体部に接続するUSBレシーバー。乾電池と比較してもコンパクトだ 背面には電池収納部や電源スイッチ、LED、ペアリングボタンがある USBレシーバーは裏面に収納可能

ワイヤレスWiiキーボードで入力中の画面
 今回は、Wii伝言板からのメッセージ作成を試してみた。キーボードを接続した状態でも画面に変化はない。Wiiが持つ予測変換機能も利用でき、例えば「こんに」と入力すれば「こんにちは」が変換候補に表示される。

 文字入力直後にカーソルキー左右を押すことで、予測変換候補リストにカーソルが移動。逆にスペースキーの押下、あるいはカーソルキーの上下で通常の変換候補リストにカーソルが移動する。この際、カーソルキーの左右で文節を1文字ずつ移動させることも可能だ。なお、「こんにちは」と入力した状態で、F7キーもしくは「CTRL+I」キーを押下して「コンニチハ」へ変換する、といった機能はないようだ。

 キーボードの操作感自体もクセがなく、非常に素直な印象だ。キーストロークは約3mmで、押下の感覚はノートPCのキーボードそのままと言って良い。文字入力だけなら、省略されたキーの影響もほとんど感じないだろう。なお、独自キーであるOKやQUITは文字入力画面の終了に利用できる。

 「インターネットチャンネル」でのキーボード利用感も、メッセージ作成と同等だ。上下左右のカーソルキーでページをスクロールできるほか、検索窓からの文字入力にも対応する。また、本製品の独自キーを利用したページの拡大・縮小、前画面へ戻る操作も容易に行える。

 一方、気になったのはキーボード単体でメッセージ作成を終了できないという点だ。例えば、メッセージ作成後にキーボードのOKやENTERボタンを押してもメッセージは送信できず、Wiiリモコンで画面に表示された「おくる」アイコンを選択する必要がある。また、インターネットチャネルではリンクにフォーカスをあてる概念がないようで、リンクの選択にはWiiリモコンで位置調整やボタン押下をする必要があった。


キーボード接続の有無に関わらず、予測変換が利用可能。この画面でENTERキーを押すと改行。「OK」や「QUIT」を押すことで文字入力が終了する メール送信時の画面。この段階では、キーボードの利用に対応せず、送信を含めてWiiリモコン側で対処する必要がある こちらはインターネットチャンネルの画面

PCや他のゲーム機での利用もチェック

Windows PCにUSBレシーバーを接続すると、標準ドライバが読み込まれた
 本製品は任天堂の公式ライセンス品であり、Wiiでの利用を目的としたものだ。しかし、汎用的なUSBインターフェイスを採用しており、動作保証外とは言え、他の機器で利用できるかも気になるところだ。

 まず、PCでの動作を確認してみたところ、一部キーが省略されているため、通常のキーボードとまったく同じ操作感とまではいかないが、特に問題なく利用ができた。Windows Vista Ultimate(64bit版)をインストールした自作PCで試用したが、USBレシーバーを挿入すると標準ドライバが自動で読み込まれた。

 なお、Internet Explorer 7環境では、本製品の独自キーである「OK」はALT+ENTER、「QUIT」はALT+BACKSPASEとして認識されており、OKボタンを押した際には全画面表示に切り替わった。

 一方、他の家庭用ゲーム機ではどうだろうか。まず、PS3に関しては、ホームメニュー画面とブラウザ画面で試したが、ほとんどの部分で使用できた。ENTERやESC、F1~F4がPS3用コントローラのボタンに相当していたが、PSボタンに相当するキーは見つからなかった。

 Xbox 360での利用も可能で、11月19日に公開された「NEW XBOX EXPERIENCE」での操作や、メッセージ入力が問題なく行えた。Xboxガイドボタン関連の操作には対応しないが、本製品のA・B・X・YキーがXbox 360専用コントローラーのA・B・X・Y各ボタンに相当していた。


PS3の文字入力画面 こちらはXbox 360の画面

文字入力をとにかく重視する人に

説明書はふりがなつき。幅広い世代への配慮が感じられる
 以上、本製品を試用しての感想だが、現状ではWiiでの文字入力をとにかく重視するユーザー向けの製品であるといえるだろう。今回は試せなかったが、「街へいこうよ どうぶつの森」にも対応しており、同ソフト上ではまた異なったキーボード操作感が味わえるはずだ。

 またWiiにキーボードを接続したいが、大ぶりなPC向けキーボードには抵抗があるという人も検討する価値があると言える。テンキーがないとはいえ、コンパクトな製品であるため、収納性を重視する場合にも実際に店頭で確かめてみるのも良いと思う。

 筆者自身が今回試した範囲では、キーボード併用ならではのメリットを感じる部分が文字入力に限られてしまっているため、やや残念な印象もあった。しかし、他のゲーム機と同様、Wiiでも定期的にアップデートが行われ、魅力が日々高まっている。今後、キーボードのサポートが向上すれば、ワイヤレスWiiキーボードの価値もさらに高まっていくのではないだろうか。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.logicool.co.jp/index.cfm/gaming/wii/devices/4564&cl=jp,ja
  ロジクール
  http://www.logicool.co.jp/

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(森田秀一)
2008/12/03 11:09
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