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歩いてイスカンダルを目指す! 「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト」


 バンダイから人気アニメ作品を題材にした歩数計「遊歩計シリーズ」が登場した。3軸加速度センサーを採用し、歩数計の基本機能を充実させつつも、累積歩数に応じて物語やミニゲームを楽しめるというエンタテインメント要素を持った製品だ。


アニメ作品をモチーフにしたバンダイの歩数計「遊歩計」シリーズ

「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト~歩いてイスカンダルへ~」。標準価格は4725円
 遊歩計シリーズは、今回取り上げる「宇宙戦艦ヤマト~歩いてイスカンダルへ~」に加え、「母をたずねて三千里~お母さんに会うまで僕は絶対にあきらめない!!~」をラインナップ。どちらもアニメーション作品を題材にした歩数計だ。

 本製品の特徴は、それぞれの作品に応じて、ストーリーが設定されている点にある。「宇宙戦艦ヤマト」版では、「謎の異星人・ガミラス帝国による遊星爆弾攻撃」という名の不摂生/暴飲/暴食/運動不足に始まり、「放射能」が内臓脂肪、「もはや滅亡寸前の地球」が自分自身となっている。そして、「そんなとき、14万8千光年の彼方にあるイスカンダル星から『内臓脂肪除去装置 メタボクリーナーD』の情報がもたらされる……」というプロローグからはじまるのである。

 「歩数波動エンジン」や「人類滅亡まであと90日」など、原作を絶妙にアレンジしたキーワードが取扱説明書に並んでおり、思わず笑ってしまう。ちなみに原作とは異なる90日という日時制限は、ウォーキング効果を実感するために必要とされる日数から定められたという。

 遊歩計の外観は、一般的と言って良い。サイズは68×45×15mm、重量38g(CR2032電池1庫含む)と、まさに手のひらサイズで、表面には24×33mmほどの液晶画面、それに3種類のボタンが備わっている。このほか、本体下面にストラップ取付部、裏面にスピーカーや電池蓋、リセットボタンなどがある。


手のひらに収まるサイズ 本体下面にストラップ取付部 スピーカーなどがある本体裏面

トップ画面の状態にしておくと、歩数が計測されていく。画面上の数字(ここでは6959と表示されている部分)は当日の累計歩数

森雪をはじめとした原作キャラが励ましてくれる
 初めて利用する場合は、電池絶縁シートを引き抜いた後に、先の細い棒などでリセットボタンを押す。続いて、歩数計測に必要な日付・時間、および体重を入力していく。そして最後に、1日あたりのノルマ歩数を設定する。歩数計測時に表示される「イスカンダルまでの残り距離」は、このノルマ歩数から換算されるのだという。

 初期状態では1万歩となっているが、1000歩単位で調整も可能だ。ノルマ歩数は初期設定時以外にも何度か変更できるチャンスがあるので、自分に合った歩数を見つけていくと良いだろう。

 設定が完了すれば、あとは歩数を計測していくのみ。宇宙戦艦ヤマトのイラストが表示された「トップ画面」の状態であれば、計測が自動で行われていく。また、本製品は3軸加速度センサーを採用し、背広やズボンのポケット、またカバンに入れた状態でも計測が行える。

 計測した歩数を、日にちをさかのぼって確認もできる。トップ画面上では当日の歩行数が表示されており、歩行履歴を確認したい場合には画面に表示された4種類のモード別アイコンから、「歩数計モード(足跡マーク)」を選択すれば良い。現在時刻の確認画面が表示されたのち、さらに決定ボタンを押すと、当日の身体活動量および消費カロリーを確認できる。

 カロリー表示はお馴染みと言って良いが、本製品では「EX(エクササイズ)」という身体活動量が表示される。これは、厚生労働省が策定した生活習慣病対策指針「健康作りのための運動指針2006」に盛り込まれたものだ。この指針では、「週23EX以上の活発な身体活動」が目標とされてるが、遊歩計ではその達成度を測れるというわけだ。

 このほか、決定ボタンや選択ボタン(右矢印ボタン)を押すごとに、製品使用開始時からの累積歩数、最新1週間分の累積歩数と身体活動量、過去14日分の日別歩数・身体活動量をチェックできる。

 また歩数計モードでは、原作キャラクターが今日の歩数についての評価してくれる機能もある。森雪、古代進、島大介の3キャラクターから選べ、それぞれの個性的なメッセージが読める。ファンには何とも嬉しい部分だろう。


製品使用開始時からの累積歩数に加え 週単位での歩数、身体活動量などを確認可能 直近2週間分は1日単位で履歴が保存されている

累積歩数に応じて原作イベントが登場。戦闘も発生!

ストーリーモードでは沖田艦長も登場
 遊歩計のキモとも言えるのが、「ストーリーモード」だ。このモードでは、規定の歩数に達するごとにイベントが発生し、錨型アイコンのストーリーモードを選ぶと、シナリオが進行する。イベント発生までの到達度はトップ画面下部のゲージで確認できるほか、ストーリーモードを表示すれば到達までの具体的な歩数、それにイスカンダルまでの残り距離も確認できる。

 ストーリーモードでは、舞台解説メッセージやキャラクターイラストとともに、宇宙戦艦ヤマト本編のストーリーを追体験できる。前述のプロローグでは、なかばジョーク的な文言が並んでいたが、ストーリーモード本編はいたってまじめな内容なので原作ファンも安心だ。敵の襲来を知らせる警報音などのちょっとした効果音も、物語を盛り上げてくれる。


キャラクター同士の会話なども織り交ぜられる アニメの雰囲気はそのままにストーリーは続いていく

 ストーリーモードでは、敵艦隊との戦闘イベントも発生する。武器を選択して敵を攻撃するのだが、強力な兵器を使うには相当数の歩数波動エネルギーが必要になる。全90日間という期限に対するイベント進行ペースや、1日あたりのノルマ達成度に応じてエネルギーが溜まる仕組みらしく、より能動的に歩くことがストーリーモードを進行させる上で有利になるようだ。

 同モードはマルチエンディング方式になっており、イベントクリアごとの評価や達成日数に応じて結末は変化するという。また、イベント発生に気付かなかった場合でも、超過した歩数は次回イベント用に累積されるので歩数が無駄になることはない。

 ストーリーモードの結果は、「第一艦橋モード」で確認できる。発生したイベントの名称や評価、歩数波動エネルギーの残量、ノルマ歩数がチェックできるので、合わせて活用したい。


シンプルなWeb連動機能~航行図も楽しめる

専用Webサイトとの連動機能もある
 本製品の特徴としてはまた、専用Webサイトとの連動機能が用意されている。といっても、USBケーブルでPCと接続するのではなく、Webブラウザのみで利用が可能なシンプルなサービスだ。

 利用には、遊歩計公式サイト内にある「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト~歩いてイスカンダルへ~」の専用ページから、無料のユーザー登録を行う必要がある。また、Yahoo! JAPAN IDによるログインにも対応しているので、すでに同IDを取得している場合には活用してみるのも良いだろう。

 専用Webサイトには複数のコーナーがあるが、基本となるのは「佐渡先生の部屋」。遊歩計に記録された歩数情報を手入力していき、運動データをより詳細に確認できるページだ。アナログ的な手法ではあるのだが、遊歩計単独では確認できないBMI(肥満度の指標)やkm単位の総歩行距離を数値として確認できるメリットがある。

 入力値は棒グラフで表示され、週/月/年単位での比較も可能。医師として原作に登場する佐渡酒造のコメントも読める。長期にわたって継続的にウォーキングするためのモチベーション維持に役立つだろう。


ログイン後の画面 遊歩計の表示を参照しながらデータを入力する 運動ペースをグラフィカルに確認できる。佐渡先生からのアドバイスも

 原作ファンであれば、「航行図」もチェックしたいコーナーの1つだ。これは、遊歩計の「第一艦橋モード」で確認できる2~14文字の平仮名パスワードを入力して、ストーリーモードの進行状況を確認できるコーナーだ。

 最大の特徴は、原作フィルムから抜き出したと思われる各カットを「イベントカード」として収集できる要素。遊歩計でのイベント評価が低いとカードに抜けが発生してしまうので、より多く集めるには繰り返し遊ぶ必要が出てくるだろう。そういった意味では極めてゲーム的な部分である。

 ちなみに航行図を楽しむには、佐渡先生の部屋で歩数データを入力しておく必要がある。ヘルプ文章などによると、パスワードは累積歩数の正確性を示すために使用されているとのことで、ズルはできない仕組みだ。


第一艦橋モードで表示されるパスワードを、「航行図」コーナーで入力 ストーリーの進行度やイベントカードの取得状況をチェックできる

いつでも身につけておける手軽さが魅力

イベント発生や画面遷移に応じて鳴る効果音音量はメニューから設定可能
 今回、遊歩計を10日ほど使ってみたが、率直な感想として「歩数計として便利」という点を挙げておきたい。利用する前までは、ゲーム機能が中心で肝心の歩数計測機能が不足気味ではないかと考えていたが、ほぼ杞憂だった。特に歩数データを日別に自動集計してくれる機能は興味深かった。

 また、「ポケットに入れておくだけ」という手軽さも魅力だ。本体自体がコンパクトなことも相まって、胸ポケットに収納したことを忘れてそのまま洗濯してしまうのでないかと心配してしまうほど。より日常的に使う場合はストラップなどを併用しても良いと思う。

 不満点を挙げるとすれば、遊歩計単独ではBMIや歩行距離が確認できない点だろうか。また、ケーブル接続などで歩数データを自動的に転送できる機能も欲しいとは思う。しかし、BMIおよび歩行距離の確認はWeb連動によってカバーされているし、不用意な機能追加は本体のコンパクトさや手軽さを失う可能性もある。使用者の好みもあるので、判断が大きく分かれそうな部分だ。

 筆者自身は宇宙戦艦ヤマトに熱狂した世代ではないが、連動Webサイトに表示されたキャラクターなどで作品への興味が沸いたのも事実。宇宙戦艦ヤマトへ入門するきっかけ、あるいは一風変わった歩数計が欲しいという人にとって、遊歩計は魅力的な選択肢と言えるだろう。



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関連情報

URL
  製品情報
  http://www.yuuhokei.com/yamato/index.php
  遊歩計 情報サイト
  http://www.yuuhokei.com/


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(森田秀一)
2009/01/07 10:49
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