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出っ張り約5mm! バッファローのマイクロUSBメモリ


記憶媒体としてmicroSD/microSDHCを利用したメモリ

RMUM/BKシリーズ。1GBモデルの価格は1575円。本体色は黒と白で、容量は1GBのほか、2/4/8GBを用意する
 バッファローの「RMUMシリーズ」は、USBコネクタに挿した状態で5mmしか出っ張らない超小型筐体が特徴のメモリだ。PCに装着した状態で持ち歩くことができるので、ノートPC、特にディスク容量の少ないネットブックなどにぴったりだ。

 この製品、一般的なメモリのように記憶媒体にフラッシュメモリを使用するのではなく、microSD(上位モデルはmicroSDHC)を記憶媒体として採用している。microSDは着脱が可能なほか、大容量の製品との換装も可能になっている。

 つまり、カテゴリ上はメモリに分類されているものの、「microSD&USBカードリーダー」と呼んでも差し支えない製品なのだ。実際、グループのバッファローコクヨサプライからはmicroSDを省略したUSBカードリーダライター「BSCRMSDCシリーズ」が発売されている。

 ここ数年、メモリの価格下落は著しく、その時点で最もリーズナブルと思われる容量のモデルを購入しても、半年後には同じ価格でその何倍もの容量のモデルが買えてしまうことは珍しくない。その点、本製品であればグレードアップも容易で、長く使うことができる。本製品では常に大容量のmicroSDを利用し、換装によってお役御免になった低容量のカードは携帯電話の外部記憶媒体として使う、といったオペレーションも考えられそうだ。


露出はわずか5mm。「USBポートに常時装着」が前提の仕様

製品本体。本体上面にある黄色いツメを押すことでmicroSDがイジェクトされる
 製品本体は、「マイクロUSBメモリ」と銘打たれている点からわかるように、本体よりもUSBコネクタ部のほうが大きいという極小サイズだ。俗に「Nanoサイズ」と呼ばれる、無線マウスの超小型レシーバーよりもさらに小さく、USBポートに装着した状態では5mm程度しか露出しない。装着したままPCを持ち運んだり、バッグに入れてもまったく平気だ。

 さて、本体が5mmしか出っ張らないと聞いて、「一体どこにmicroSDを挿入するのだろうか」と思われる向きもあるかもしれない。本製品では、USBコネクタ内側の空間にmicroSDのスロットが設けられており、ここにmicroSDを挿入するようになっている。

 つまり、外側からmicroSDを挿入するのではなく、USBコネクタの先端からmicroSDを挿入したのち、そのUSBコネクタをPCのUSBポートに挿入するといった段取りになる。構造的には、USBポートからいったん本体を取り外さないと、microSDは抜き差しできないようになっているのだ。

 この構造では、ひんぱんに抜き差しをしていると、何かの拍子にmicroSDが抜け、「USBポートの奥に取り残されてしまうのではないか」という懸念もありそうだが、レバーでイジェクトしないと取り外しが難しい構造になっているため、そうした心配は皆無だ。

 もっとも、本製品ではあまりひんぱんにUSBポートから抜き差しするのではなく、常にUSBポートに装着しておくといった使い方が前提になっている。実際、ひんぱんな抜き差しが前提なのであれば、むしろ筐体サイズがある程度あったほうがハンドリングしやすいので、本製品以外の製品をチョイスするほうが良いかもしれない。


正面から見たところ。USBコネクタの先端、上下に区切られた上の側にmicroSDを挿入する 1/2GBモデルでは記憶媒体にmicroSDを使用。4/8GBモデルではmicroSDHCを使用している

ロジクールの無線マウス「VX Nano」のレシーバ(右)との比較 一般的なUSBメモリ(右)との比較。サイズの差は一目瞭然だ

読み書き速度は標準的。キャップがやや緩めなのがネック

 参考までに、読み書きの速度もチェックしてみた。HDBENCHを使った測定では、リードが約15MB/sec、ライトが約7MB/secという結果になった(いずれも転送するファイル容量は100MB)。高速タイプのメモリに比べると見劣りするが、USB 2.0に準拠したメモリとしては許容範囲だろう。

 ちなみにこれは標準添付されている1GBのmicroSDの場合で、手元にあったサンディスク製のmicroSDHCカード(Class4対応、6GBモデル)に換装して再測定すると、リードが約19MB/sec、ライトが約13MB/secまでスピードアップした。このことから、カードリーダ部がボトルネックになっているわけではなく、microSDの性能に依存していることがわかる。なお、4/8GBモデルに付属するのはmicroSDHC(Class 4対応)となり、microSDの計測結果と異なる場合もある。

 また、実際に使っていて気になったのは付属のキャップだ。構造上、USBコネクタに「パチン」とはまるわけではない上、成型がやや緩いようで、つねに脱落の危険がつきまとう。

 ストラップホールが設けられているのはメモリー本体側で、本体の紛失を防ぐ意味でこの仕様は間違いではないのだが、キャップ側はなにかと紛失しやすい構造であるとも言える。もっとも、PCにつねに装着した状態にしておくのであれば、キャップはほとんど使わない可能性が高いので、クリティカルな問題にはならないだろう。


microSDを挿入しているところ。やや硬い キャップが付属する。やや緩く、抜けやすいのが難

余剰ポートを利用した容量アップにおすすめ

PCのUSBポートに取り付けたところ。露出はわずか5mm強だ
 近頃のノートPCでは、Bluetoothや無線LANなどの通信モジュール、カードリーダライターの内蔵が進んだことや、搭載するUSBポートの数が増加したこともあり、USBポートはそこそこ潤沢に利用できる状況にある。数年前のように、わずか1~2のUSBポートを複数のデバイスで争奪するような状況は、あまり起こり得なくなっているわけだ。

 そうした意味で、余剰のUSBポートを利用して記憶容量をアップさせるこの製品は、時代のニーズに合っているとも言える。携帯電話の外部記憶媒体の多くがmicroSDになっている現在、これらの機器をつなぐデバイスとしても活躍してくれるだろう。価格的には冒頭で紹介したバッファローコクヨサプライのカードリーダーとmicroSDをバラで購入したほうがリーズナブルな場合もあるので、購入の際には合わせて検討するようにしたい。


関連情報

URL
  製品情報
  http://buffalo.jp/products/catalog/flash/rmum_bk/
  バッファロー
  http://buffalo.jp/


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(山口真弘)
2009/01/21 11:02
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