Broadband Watch logo

タッチパネル液晶で軽量コンパクト! パーソナルナビ「NV-U3V」


「NV-U3V」の本体色はブラックとブラウンの2種類。オープンプライスだが、ソニースタイルでの価格は6万4800円で、ワンセグ非搭載の「NV-U3」は5万4800円である
 今回紹介するアイテムは、ソニーのパーソナルナビゲーションシステム「nav-u」シリーズ3代目にあたる「NV-U3V」である。4.8V型の大型ディスプレイと容量4GBのフラッシュメモリを備え、日本全国が一望できる800kmスケールから精密な25mスケールまで表示できる地図データを内蔵した製品だ。

 さらにGPSと自律センサー群による精密な位置検出とナビゲーションに加え、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、写真とガイドブックの閲覧機能を搭載。今回試用した「NV-U3V」では、ワンセグ視聴も可能だ。車での移動だけでなく、出張や旅行、あるいは普段の外出時にも活躍してくれる注目のポータブルデバイスである。

 本体のほぼ全面を占める4.8V型のディスプレイはタッチパネル。左側に固定アイコンが2つあるほかは、必要に応じて画面に表示される項目に指先で触れる方式だ。地図のスクロールは指をスライドさせるだけで良く、頻繁に使う機能の呼び出しには図形を描くように指を動かすジェスチャーが使用できるので素早い操作が可能となっている。

 付属のクレードルで車のダッシュボードに固定し、実際に使用してみると、NV-U3Vがポータブルなナビゲーションシステムだということを忘れてしまいそうになる。交差点に近づくと画面表示が分割され、車線の情報や標識などが表示される。もちろん、女性の声によるキメ細かい音声ガイダンス付きだ。


交差点にさしかかるとディスプレイ左側に詳細図や標識などが表示される。女性の声による詳しいガイダンス付きだ GPSアンテナは背面中央に配置。手前にある銀色のボタンを押すと90度垂直に起き上がる可動式だ 背面のGPSアンテナを引き起こし、付属ホームスタンドにセットする。ワンセグの視聴などに向いたスタイルだ

車載用クレードルは、粘着性の吸盤で固定する方式。ダッシュボード周辺に滑らかで平らな面があれば確実に設置できる 左からワンセグ用外部アンテナ端子、ステレオヘッドホン端子、プッシュロックつきのメモリースティックDuoスロット PCと接続するUSBポートは下側面にある。右はACアダプタ接続端子とリセットボタン

マップ表示は広域800kmスケールから詳細25mスケールまで。通常の地図と同じ平面図と3種類の3D表示が選べる
 ルート検索機能は推奨ルート、有料道優先、一般道優先、一般道距離優先の4種類。事前に登録した場所やマークに加え、内蔵された住所、電話番号、施設名などの数千万件におよぶ内蔵データ、さらに画像つきガイドブックから行き先の検索が可能。10カ所までの経由地を指定できるし、ルートから外れても自動的に新しいルートが検索してくれる。使い心地は一般的なカーナビケーションシステムとまったく変わらない。

 マップは平面図、それに斜め上から見下ろす3D表示が3種類。立体ランドマーク、地図記号、信号なども表示される。また、右左折が必要なポイントでは画面が分割され、詳細図や標識、また場所によってはリアルな実写風の画像が映し出されたりもする。スケールは800kmから25m。日中と夜間それぞれの配色を指定できる。視認性と実用性が高く、非常にわかりやすいマップ表示と言えるだろう。

 NV-U3Vが車載式ナビゲーションシステムにおよばない点は、ディスプレイサイズが小さいことくらいである。しかし、車外に持ち出して単体での使用が可能な点に加え、PCとの接続が可能となると、このコンパクトなボディが魅力的に見えてくるのではないだろうか。


行き先検索のメニュー画面。現在位置から近いスポットを探す最寄検索、自宅やよく行く場所を登録するお気に入りが利用できる 住所や電話番号のほか、ジャンルや名称など、数千万件にもおよぶ膨大な内蔵データから行き先を検索することが可能だ 食事や買い物、スポーツ・娯楽など、目的を選ぶだけで行き先候補をリストアップしてくれるジャンル検索は非常に便利

PetaMap。オフィシャルから口コミまで、様々なエリア情報を共有するソーシャルマッピングサービスだ
 PCと組み合わせたポータブル機器としての本領は、「PetaMap(URL)」を利用することで発揮される。PetaMapは、地図をベースにさまざまな地域情報を共有できるソーシャルマッピングサービスだ。オフィシャルなエリア情報から口コミ情報まで、さまざまな地域情報が地図上に蓄積されている。

 NV-U3Vには、温泉やグルメ、ゴルフ場情報など、多数のガイドブックが内蔵されているが、これらにPetaMapのデータを追加し、行き先として設定することも可能になるのである。

 PetaMapの利用には料金はかからない。会員登録後、サイト内で好みのデータを探してマイページのリストに追加、PCにダウンロードするだけである。NV-U3Vへの転送は専用アプリケーション「nav-uツール(URL)」を利用しても良いし、オプションのメモリースティックDUOを利用しても良い。


本体内に温泉、ゴルフ、グルメなど多数のガイドブックを内蔵。さらにPetaMapのデータを追加してカスタマイズできる 「nav-uツール」。ガイドブックの追加のほか、バックアップやアップデートなどの機能を備えた専用アプリケーションだ

3D詳細表示のナビゲーション画面。ディスプレイは小さめだが視認性が高く見やすい。使い心地はカーナビとまったく変わらない
 今回試用したNV-U3Vのサイズは、約150×約87×約25.7mm(幅×高さ×奥行)で、重量は約280g。フラットなボード状なので車内で場所を取ることはないし、携帯時にはポータブルゲーム機のように両手で持ち、親指で操作するのにも向いている。

 GPSアンテナは本体裏の中央部。車載用クレードルやホームスタンドを取り付ける場合は下側面にあるボタンを押し、タッチパネルとは垂直に90度起き上がらせる。こうすることでアンテナ面が上を向き、電波を受信しやすくなるのだろう。

 ちなみにNV-U3Vには、GPSだけでなくジャイロセンサー、加速度センサー、気圧センサーを組み合わせた複合自律機能「POSITION plus G」が搭載されているため、トンネル内や高層ビル街などの上方に障害物が多い場所でも精度の高い位置検出が可能となっている。


電源スイッチはスライド式。左の小さな円形部分はディスプレイの明るさを自動調整するためのセンサーだ 車載用クレードル。左から出ているのがシガーライターソケットからの電源、右がVICS対応ビーコンユニットのケーブルだ

ナビゲーション以外に音楽とビデオの再生、写真の閲覧機能を搭載。またNV-U3Vではワンセグの視聴に対応する

別売のVICS対応ビーコンユニット「NVA-VB7」。リアルタイムに渋滞情報を受け取ることができる。ソニースタイルでの価格は1万9800円
 ナビゲーション以外の機能としては、ミュージックプレーヤー、ビデオプレーヤー、フォトビューアーのほか、ガイドブック閲覧機能を搭載。さらにNV-U3Vではワンセグ放送が視聴できる。録画機能などはないが、明るく鮮やかな4.8V型の大画面で楽しめるのが魅力だ。伸縮式のホイップアンテナを内蔵するほか、外部アンテナに対応しているので、セカンドテレビとして常用することもできる。

 PCとの接続は付属のUSBケーブルを使用する。音楽、ビデオ、写真などのデータは本体内ではなく、別途用意したメモリースティックDuoに保存する。専用アプリケーションでは、内部データのバックアップ、マップデータやファームウェアのアップデートなどもサポートしている。

 付属品は車載用の吸盤付きクレードル、車のシガーライターソケットから電源を取るアダプタ、卓上ホームスタンド、ACアダプタとAC電源ケーブル、USBケーブル、それにソフトキャリングケースとハンドストラップ。また、オプションとしてVICS対応ビーコンユニットと外部GPSアンテナも用意されている。

 筆者個人としては車載ナビゲーションシステムとしてだけでなく、徒歩や自転車での移動でどの程度のパフォーマンスを発揮してくれるかに興味があったのだが、その精度の高さと使い勝手の良さに驚かされた。内蔵のリチウムイオンバッテリで連続2時間程度(省電力モードは約3時間)は動作する上、ACアダプタ、車載用DCアダプタ、USBのいずれでも充電が可能なので、電源の確保に悩まされることもないだろう。非常に実用性が高いポータブル機器という印象である。

 ガイドブックを見て行き先を決める。ルート案内に従って目的地周辺の駐車場に車を停める。車外に持ち出し、進行方向に合わせてヘッドアップする詳細な地図を見ながら、そこに表示される観光スポットやショップを巡る。これらすべてがNV-U3だけでこなせてしまうのである。ダッシュボードに固定されたナビゲーションシステムの先を行く柔軟性が魅力の1台だ。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/me/products/nv-u3/index.html
  ソニー
  http://www.sony.jp/

関連記事
ソニー、PetaMapと連携したポータブルナビ「nav-u」新製品


「NV-U3V(ブラックモデル)」をAmazon.co.jpで購入する



(斉藤成樹)
2009/01/28 10:54
BB Watch ホームページ
Copyright (c) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.