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デジカメ撮影&散歩を楽しくする手のひらサイズのGPSユニット!
ソニー「GPS-CS3K」


 ソニーの「GPS-CS3K」は、ポケットにすっぽり収まる小型筐体を採用したGPSユニット。電源をオンにしておくだけで位置情報を自動的に測位し続け、あとからPC上で移動経路を確認できるという製品だ。

 従来モデルと比べて、小型液晶ディスプレイやメモリカードスロットを新たに搭載したことで、単体での使い勝手も向上している。今回は都内を歩きながら、その精度や使い勝手を試した。


単3形乾電池1本で駆動可能。動作確認に便利な小型液晶を搭載

ソニーのGPSユニット「GPS-CS3K」。標準価格は1万8900円
 「GPS-CS3K」は“GPS”の名称こそついているが、道案内や周辺情報を確認するといった機能はなく、現在位置の測定に特化した製品だ。

 本体サイズは57×23×80mm(幅×奥行×高)で、重さは約70g(電池含まず)と軽量コンパクト。手に持った感覚は、折りたたんだ状態の携帯電話に近い。デザイン的に丸みを帯びており、手のひらで包んだ際の感触が非常に良いのも印象的だ。

 従来モデルから大きく変化したのは、本体正面に小型液晶を搭載したこと。これにより、動作ステータスが簡単に確認できるようになった。このほか電源ボタン、4つの操作ボタン、操作ホールド用のスライドスイッチが各部に配置されている。

 本体背面はカバー状になっており、内部に単3形乾電池1本をセットする。アルカリ乾電池では最大15時間の連続測位が可能で、ニッケル水素充電池にも対応する。

 また、SDカードおよびメモリメモリースティック Duoに対応したカードスロットを搭載しており、位置情報をデジカメ画像へ付与する際に使用する。測位情報自体は本体内蔵メモリ保存されるので、メモリカードを常時挿入しておく必要はない。このほか、ストラップ取付部もカバー内部にある。

 一方、USB(ミニBタイプ)端子は本体下部に独立しており、通常は専用カバーで覆われている。PCとの接続時はこちらのカバーだけを一時的に外せば良い。


側面のボタン 裏面のカバー内部。SDカードおよびメモリメモリースティックDuo両対応のカードスロットがある

気になる測位精度をチェック

電源オンと同時に測位がスタートする
 使い方も非常に簡単で、タイムゾーンの設定さえ済ませておけば、あとは電源をオンにするだけで測位がスタートする。画面には人工衛星のイラストとともに「Searching」の文字列が表記され、この間は基本的に待っているだけで良い。しばらくすると、緯度・経度情報が表示され、ここから位置情報の連続保存がはじまる。

 ちなみに、測位結果が表示されるまでの時間は環境によって異なるようだ。筆者がはじめて電池をセットして使い始めた際には1~2分程度の時間がかかった。ただ、1度測位が開始されれば、あとは電源を入れ直しても数十秒程度で新たな測位データが画面に表示された。

 逆に、日を改めたり、電源オフ時にいた場所から数km~数十km離れて電源を再び入れる際には比較的時間がかかるように思う。周辺建築物や立ち木の存在など、上空がどの程度見えるかといった要件もあるため、一律的な時間表現をできないのがなかなか難しい部分だ。

 筆者が使った限りでは、電源オンと同時に上着のポケットへ収納し、測位開始を確認せずに移動を開始した場合でも、数分から数十分後には測位がスタートしていた。毎朝の通勤時にGPSを使うのは難しいかも知れないが、時間的余裕のある散歩などの場合には十分実用的な測位時間だと思う。


測位が成功すると緯度・経度が表示される 側面ENTERキーを押すことで表示が切り替わる

 測位がスタートすれば、あとは非常に快適だ。画面上には電波強度、緯度・経度の数値がリアルタイムに表示され、本体横のENTERキーを押せば表示を切り換えたり、日時も確認できる。

 建物内や地下街などGPSの電波が届かない場所に入った場合も、大きな問題はない。画面での緯度・経度はもちろん確認できなくなるが、屋外にでれば問題なく測位が再開される。意図的に測位したくない場合を除いて、電源をオン/オフさせる必要はほとんどないといって良い。

 携帯する方法もかなり自由度がある。衣服の胸ポケット、ジャンパーのポケット(お腹の前にある部分)、ショルダーバックの中やポケットなどいくつか試してみたが、精度の低下を感じるケースはあまりなかった。ただ、GPSアンテナ部は本体上面の斜めカット部分(GPSのイラストが描かれている部分)にあるので、ここを上空に向けるようにしたほうが良いのは間違いない。付属品であるベルト通し付き専用キャリングケースを使うのも良いだろう。


メモステ/SDカード内画像への位置情報付加がGPS単体で可能

メニュー周りは基本的に英語表記
 測位中でも、本体側面のボタンを使って各種の操作ができる。メニュー周りの表記は英語だが難しい用語はほとんどなく、PCや携帯電話に慣れた人であればマニュアルレスで操作できるかもしれない。

 このメニューから、デジカメ画像ファイルへの位置情報付加も直接実行できる。普段通りデジカメでの撮影を楽しんだあと、カメラからメモリカードを取り出し、本体裏面のスロットに挿入しよう。その上で「Matching」を選択すると、撮影したJPEG形式の画像ファイルと測位データの時間が照合され、該当するファイルに位置情報が書き込まれる。正しくマッチングするためには、デジタルカメラ側の日時も正確に設定しておく必要がある。

 また、マッチング作業はPCでも行える。付属CD-ROMからGPSログの管理ソフト「GPS Image Tracker」をインストールしておくと、本製品をUSBケーブルでPCに接続すると同時にソフト起動。マッチングさせたい経路がリストアップされるので、あとは別途取り込んでおいた画像を選択すればOKだ。この場合は、動画やRAW画像ファイルにも位置情報を付加できる。


メモリカード内画像へ位置情報を付加する際の表示画面 PCでは「GPS Image Tracker」を使って、取り込み済み画像へ位置情報を付加可能

 位置情報を付加した画像の用途として、もっとも手軽なのが画像管理ソフト「Picture Motion Browser(PMB)」からの「マップビュー」だ。位置情報付きの画像はサムネイルに方位磁針マークが表示されるので、選択の上ツールバーからマップビューのボタンを押せば、撮影場所の地図をポップアップ表示してくれる。

 付属ソフトの1つ「Super Mapple Digital Ver.9 for Sony」からも、位置情報つきの画像を閲覧できる。手順も簡単で、アプリケーション上に画像ファイルをドラッグ&ドロップすれば、当該箇所の地図上にサムネイル画像をオーバーレイ表示してくれる。さらに図形などを書き込めるので、オリジナル地図作りにチャレンジしても良いだろう。


位置情報付き画像を楽しむには「Picture Motion Browser」を使うのが手軽 「Super Mapple Digital Ver.9 for Sony」へ画像をドラッグ&ドロップで、撮影場所をサムネイル表示してくれる

歩数計感覚での使用にも便利

東京・有楽町駅から北に向かって歩き、秋葉原駅周辺をぶらついた際の測位データ(水色のルート)。皇居周辺に飛び出しているのは測位ミスの部分だが、それ以外はほぼ正確。全体としては十分意味あるデータになっている
 本製品を実際に試用してもっとも魅力的に感じたのが、その気軽さだ。ポケットに難なく収納できるサイズ、カバンなどに入れっぱなしにしてもほぼ問題ない感度、さらに実用的な動作時間を入手性の高い単3形電池1本で実現しており、普段使用する上での障壁が限りなく抑えられている印象だ。

 この気軽さゆえに、筆者個人はなんとなく歩数計に近い存在のように思っている。ただ、標準価格1万8900円という価格が、購入を決断する上で悩ましい部分ではある。

 測位精度には、ほとんど不満はない。今回は皇居周辺から有楽町駅、東京駅、秋葉原駅界隈を数時間歩いてみただけだが、ほぼ正確に測位できていた。明らかに測位ミスだったのポイントもあったものの、移動経路全体から見ればほぼ無視できるレベルだった。

 GPS-CS3Kは1日12時間程度測位した場合でも、最大で3カ月分のデータを内蔵メモリに保存できるという。毎日持ち歩くカバンに入れて移動中の履歴を保存するのはもちろん、行楽先での散歩や撮影旅行の履歴をチェックするのにもピッタリな製品と言えるだろう。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.sony.jp/gps/products/GPS-CS3K/
  ソニー
  http://www.sony.jp/

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(森田秀一)
2009/04/01 11:30
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