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Mac OSでも利用可能! アイ・オーのUSBサブディスプレイ


 アイ・オー・データ機器の「LCD-USB7Xシリーズ」は、USB接続の7型ワイドディスプレイだ。本体色はホワイトとブラックの2種類をラインナップするほか、Mac OSにも対応し、サブディスプレイ環境を手軽に構築できるのが特徴だ。


デジタルフォトフレームライクな外観。ホワイト筐体もラインナップ

LCD-USB7Xシリーズ。直販価格は1万4800円で、ホワイトとブラック色を用意する
 USBサブディスプレイのブームの中、やや遅れる形で登場した本製品は、デジタルフォトフレームに似たシンプルかつ薄型の筺体と、USBサブディスプレイ初となるホワイトの筺体が目新しさを感じさせる商品だ。

 画面サイズは7型ワイド、解像度は800×480ドット。他社製品とほぼ同じ仕様で、これといった違いはない。800×600ドットの解像度を持つセンチュリーの「LCD-8000U」と比較すると、縦方向に120ドット狭いが、応答速度は25msと、USBサブディスプレイとしては標準的である。

 前回レビューしたバッファローの「FTD-W71USB(記事URL)」は、液晶ディスプレイライクな外観を持ち、アーム式のスタンドも付属していた。一方、本製品は3段可変の簡易スタンドのみというシンプルな構造で、本体の厚みは約21mmと薄い。ディスプレイを小型化したというよりは、デジタルフォトフレームに近い外観だ。バッグの中に入れてあまりかさばらず、持ち運びも容易である。

 デザインについてもこだわりが見られる。前面右下にレイアウトされていることの多い輝度調整ボタンが、本製品では裏側に配置されている。表側はなるべくスッキリさせておこうという配慮だろうか。また、ベゼルにはメーカーロゴさえもなく、すっきりしている。90度回転させて使う場合も、メーカーロゴが横倒しになっていて違和感を感じるということもない。


背面から見たところ。スタンドはフォトフレームライクなシンプルな構造 90度回転させてタテ置きにすることもできる。画面自体はユーティリティから回転させてやる必要がある 裏面の輝度調整スイッチはスライド型で、Low/Mid/Hiの3段階

 本体の面積は187×126(縦×横)mmと、大きめのベゼルを持つ他社製品と比べて、かなりすっきりしている。重量は390gと、小型のペットボトルを少し重くした程度だ。

 スタンドは、フォトスタンドの背面スタンドに似た仕様で、3段階に伸縮するほか、折りたたんで完全にフラットにすることもできる。また、縦置きにする際は90度回転させて利用できるなど、シンプルながら使い勝手には優れている。

 ただし、本体の高さが調節できないため、例えばメインで使用するディスプレイとキーボードの間に置く場合、どうしても画面の下部が隠れる形になってしまう。置き方については、購入前にじっくり検討しておいたほうが良さそうだ。

 なお、冒頭でも書いたが、ホワイトの筐体色をもつUSBサブディスプレイは、現在発売されているUSBサブディスプレイの中で、筆者が知る限り本製品が初である。PC本体およびプライマリのディスプレイと色を合わせるのであれば、ブラックよりもホワイトのほうがおそらく需要は高いはずで、これまで存在していなかったのが不思議なほどだ。なお、アイ・オーに続いてハンファ・ジャパンからもホワイトモデルが発表されている。


正面から見たところ。メーカーロゴすらないシンプルさ 傾きは3段階で可変する。写真はもっとも直立させた状態 傾けた状態

構造上、高さ調節はできないため、ディスプレイとキーボードの間に設置した場合は画面の下端が隠れてしまう 側面と底面部の接地面にはそれぞれ滑り止めの脚がついている こちらは底面部

ドライバ自動インストール機能やMac OS対応も魅力

ユーティリティについてもDisplayLink社製のOEMで、設定できる項目は他社製品と変わらない
 性能面に関してだが、これも他社製品と同じくDisplay Link社のチップを採用しており、ユーティリティついても同様だ。実際に試用してみても、ユーティリティの使い勝手やパフォーマンスに差はなく、ミラー表示や回転設定が可能な点なども同一だ。

 本製品ではまた、バッファロー製品にも搭載されたドライバの自動インストール機能も用意している。これは本体ROM領域に保存したドライバを使って、初回利用時にユーティリティCD-ROMなどを利用することなく、PCとUSBケーブルで繋ぐだけで自動的に導入が可能になるというものだ。

 実際にインストールを試してみたが、利用規約に同意するためにOKボタンをクリックした以外は、自動でインストールを完了させることができた。光学ドライブを持たないネットブックや1スピンドルのノートPCなどで使うには便利だろう。このほか、本製品を持ち運んで、さまざまなPCに繋いで利用するといったケースにも大いにメリットがある機能だ。

 また、本製品の特徴としてMac OSに正式対応している点が挙げられる。現時点では、Mac OS X 10.4.8および10.5.5以降をサポートしている。ただし、前述のドライバ自動インストール機能には対応してない。

 ドライバ自体は別途アイ・オーのWebサイトから入手する必要があるが、Windows OSに加え、Mac OSに対応する本製品に魅力を感じるユーザーも多いだろう。ちなみに同時接続可能台数はWindows OSで6台、Mac OSで4台となっている。


USBケーブルは背面から向かって左方向に伸びる。背面に直角に突き出す形ではないので、奥行きをとらないというメリットがある
 電源に関してだが、本製品にはACアダプタや給電用の二股USBケーブルは付属しておらず、通常のUSBケーブルが同梱されるだけだ。これは消費電力が最大2.9Wと、最大3.2~5Wが必要な他社製品と比べて低いことの裏返しであるとも言える。

 ただ、付属のUSBケーブルは全長が約50cmと短いため、デストップPC本体を床に置いて利用している場合などには長さが足りない場合がある。恐らく、ノートPCを含めて、机の上に置かれたPCに接続することを想定しているのだろうが、個人的には少し短すぎると感じた。

 なお、USB接続のサブディスプレイは、基本的にUSBハブを利用した使い方は想定されておらず、PCに届かない場合にはUSBハブではなく、USBケーブルまたはUSB延長ケーブルを別途用意する必要がある。


本体をタテにした場合はUSBケーブルは下方向に伸びる形になる 厚みが2センチ強しかないので、バッグの中に入れてもかさばりにくい 背面にはケンジントンスロットが付属しており、セキュリティワイヤーを装着することができる

全体的な完成度が高い製品。電源ボタンの有無は評価が分かれる

サイズもコンパクト。持ち運び用のポーチがあっても良かったかもしれない
 以上、本製品を試用してみたが、使い勝手に関する部分で1つ気になったのは、本体に電源ボタンが用意されていない点だ。筆者の場合、就寝時にはPC自体の電源は入れたままにし、ディスプレイの電源だけをオフにするという使い方をしているが、本製品はこうしたスタイルでの利用は想定していないようで、画面を消灯させたい時はUSBケーブルを抜くしかない。

 USBケーブルを抜いた場合、当然のことながらウィンドウの配置はリセットされてしまうため、例えば任意のウィンドウを本製品に表示させていた場合、再度繋ぐと隣のウィンドウに移動してしまっている。これはなんともストレスだ。もちろん、人によって利用シーンは異なるため、一概に評価はできないが、筆者のようにPCとディスプレイの電源を別々に管理しているユーザーは他社製品と比較する際には考慮したい点だ。

 ともあれ、全体的な完成度は高い上、本体色を選べる点も魅力と言える。また、他社のUSBサブディスプレイにはグレアタイプが多い中、反射が少ないノングレアタイプのパネルを採用している点も、個人的にはポイントが高いと感じる。USBサブディスプレイの購入を検討する際、候補に加えるべき製品と言えるだろう。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.iodata.jp/product/lcd/wide/lcd-usb7x/index.htm
  アイ・オー・データ機器
  http://www.iodata.jp/

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(山口真弘)
2009/04/15 11:08
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