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ゲーム機は仕事場においちゃイカン! 「AtermWL54TE」


筆者が導入した「AtermWR7600Hワイヤレスセット(TE)」。購入価格は25,800円
 1978年、昭和53年生まれの筆者にとって、遊びと言えばすなわちTVゲームを指す。コイツはもうどうしようもなく、私の人生に陰のようについてくる魔物で、ちょっと血迷ったときなどは、ゲームさえなければ、いや、ゲームと出会わなければ、今頃視力も1.5でパイロットになって世界中の大空を駆けめぐっているのではないかなどと、現実からするともはや狂気としか思えないような妄想に耽ることもある。実際は世界中の大空どころか、SH900iの2.4インチ液晶の中で「パイロットになろう!」で遊ぶのがせいぜいだというのに……。

 そんなわけで、どこかのミュージシャンが「東京生まれヒップホップ育ち」とか歌っていたが、これになぞらえて言えば、私は紛れもなく「横浜生まれファミコン育ち」である。社会人となった今は、さすがにそのゲームへの情熱も、ゲーム脳に侵された脳を休ませるべく睡眠欲に負けてしまうことが多くなったわけだが、たとえば、私の仕事場に、偶然にも最悪なことにプレイステーション 2(以下、PS2)があったとする。どうなるか。

 もうこれは火を見るよりも明らかなのである。そう。遙か遠い昔、夏休みの宿題をやらなければならず、せっぱ詰まっていた8月31日と同じ状態になるのだ。目前に迫った提出日を前に、妙に開き直って一言。「とりあえず、ゲームやってから考えるか……」。仕事にならんのである。だから、私は絶対に仕事場にゲーム機ならびにそれに準ずるものを置きたくない。いや、もう「~したい」とか「~したくない」というような“願望”のレベルではなく、「してはならない」といった方がより正しい。

 そんなわけで、別の部屋にPS2を置いているわけだが、これはこれで困ったことになる。LANケーブルの取り回しだ。そもそもルータやケーブルモデムは、すべて仕事部屋に引き込む前提で配置されているので、リビングまでは結構な距離がある。我が家はマンションなのでまだ良いが、2階に書斎、1階にリビングルームといった一軒家にお住まいの方には深刻な問題だろう。もうこうなると無線LANルータのカタログに登場するお決まりな利用シーンとなるが、気にせず突っ走れば、まさに無線LANの出番なワケである。

 今回、筆者が導入したのは、無線LANルータと無線LANアダプタがセットになったNECアクセステクニカのIEEE 802.11a/b/gに準拠した「AtermWR7600Hワイヤレスセット(TE)」だ。PS2に繋ぐのはもちろん、無線LANアダプタの「AtermWL54TE」になる。実は、ゲーム環境における無線LANはここまで述べてきたように、私にとっては重要な案件だった。このため、以前は新潟キヤノテックのIEEE 802.11bに準拠した無線LANアダプタ「NetHawk RF-110E」を使っていた。


AtermWL54TE。もちろん単体でも購入できる 有線LANインターフェイスを2ポート装備。PS2以外にHDDレコーダなどの機器も接続可能だ

筆者宅の設置状況
 ここからはNetHawk RF-110Eとともに、PS2利用時の使い勝手を見ていきたい。NetHawk RF-110Eは、ESS-IDやWEPキーの設定を済ませてしまえば後は基本的にPS2に接続しっぱなしでOKなので問題はないが、その設定自体が幾分面倒でもある。後に紹介するAtermWL54TEも、パソコン側に設定ユーティリティをインストールした上で、AtermWL54TEとLANケーブルで接続して本体設定をしなければならない点はあまり変わらない。しかし、NetHawk RF-110Eは設定ユーティリティがあまり親切ではなく、マニア向けな雰囲気。一方、音声ガイドも付属して、手取り足取り教えてくれるAtermはユーザビリティで一歩上をいっている気がする。

 また、昨今気になるのはやはり無線LANのセキュリティ。私は自宅の無線LANアクセスポイントのESS-IDとWEPキーを定期的に変更しているわけだが、これをやっちゃうと、パソコンはまだしも、PS2を接続した無線LANアダプタの設定を変えるのがえらく面倒。いつものようにPS2用ゲームソフト「SOCOM : U.S. NAVY SEALs」や「みんなのGOLF オンライン」、「バイオハザード アウトブレイク」などからネットワークに接続しようと思っても、つながらない。「そうだった、無線LANアダプタの設定を変えなきゃ」なんてことになって、セキュリティに気を使ったばかりに、ゲームへの意欲をえらく削がれてしまうのである。

 そういった意味では、AtermWL54TEでも設定を変更する必要があるが、ユーティリティがウィザード形式でやさしいので幾分良く感じた。AtermWL54TEのハードウェア面では、有線LANインターフェイスが2ポートになっている点と、無線LAN規格がIEEE 802.11a/b/gになっている点が大きな特徴だ。より家電感覚に扱えるのは、筆者の中ではAtermWL54TEの方だと感じている。


 また、筆者が導入した「AtermWR7600Hワイヤレスセット(TE)」ならば、前述の通り無線LANルータ「AtermWR7600H」とAtermWL54TEがセットになっており初期状態でESS-IDや暗号化設定を共有し、電源を入れるだけで接続できる親切設計となっている。セキュリティに関しても、初期状態のESS-IDはそれぞれ個別のものが割り振られているので、「買ってきてそのまま使ってたら悪さされちゃったー」なんてことになる確率もずいぶん低い(もちろん、MACアドレス制限などといったセキュリティ対策も必要だが)。さらに、メーカーから「FINAL FANTASY XI」と「みんなのGOLF オンライン」への対応もアナウンスされており、その点での安心感もある。

 しかし、無線LANルータ「AtermWR7600H」は、残念ながら5.2GHz帯を利用したIEEE 802.11aと2.4GHz帯を利用したIEEE 802.11b/gと同時通信はできず、aかb/gのどちらかを切り替えて利用することになる。私のオフィス兼自宅は駅前通りにあるせいか、IEEE 802.11bの電波が相当数飛んでいることもあり、傍受対策を兼ねてIEEE 802.11aを選択している。

 正直なところ、動画でも転送しない限りオンラインゲームのパケットでは最大54Mbps通信が可能なIEEE 802.11aの速度をはっきり体感することはできない。しかし、PS2に11a経由で通信をさせている“首都高にフェラーリよろしく”スペックの持てあまし感が私にはえらく心地良い。

 自宅で仕事、勉強しなければならないゲーマーの皆さん。PS2には無線LAN。仕事場とゲーム機は、離れて配置しましょう。そうでなければ、あなたの仕事上の健康を損なう危険があります。


関連情報

URL
  製品情報(AtermWR7600Hシリーズ)
  http://121ware.com/product/atermstation/product/warpstar/delta/wr7600h.html
  製品情報(NetHawk RF-110E)
  http://www.niigata-canotec.co.jp/product/rf110e/


(伊藤大地)
2004/05/26 11:03
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