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CFメモリやPHSを自由に交換できる無線LANカード「WN-G54/CBMB」


アイ・オー・データ機器の「WN-G54/CBMB」。標準価格は9,765円
 アイ・オー・データ機器の「WN-G54/CBMB」は、CFスロットと無線LANカードを搭載した一挙両得な製品だ。CFスロットが付いている以外、本製品は無線LANカードとして新しい機能があるわけではないが、無線LANカードを取り外すことなくCFカードが装着できるのはなかなか便利なのだ。

 CFスロットにカード型PHSを装着すれば、無線LANもPHSも自由に使えるユビキタス端末のできあがり。デジカメ画像を取り込んで無線LAN経由でアップロード、なんて時にもカードを取り外す必要がない。モバイル用のPCではPCカードスロットが1つしかない場合が多い。このため、PHSと無線LANカードを頻繁に抜き差し交換している筆者のようなユーザーにとっては、WN-G54/CBMBは魅力的な製品なのである。

 無線LANは、理論値で最大54Mbpsの通信が可能なIEEE 802.11gに対応するが、欲を言えばIEEE 802.11aに対応して欲しかった。というのも、WN-G54/CBMBと同じ値段でIEEE 802.11a/b/gの全てに対応した無線LANカードが買えてしまうので、どちらを選ぶべきか悩んでしまった。

 けれどよくよく考えれば、公衆無線LANサービスなどで使うならIEEE 802.11bがあれば十分だし、家庭内でもよっぽど高速の通信をしたいとか、周辺で無線LANの電波が飛び交っているから11aが良いというケースでもなければ、11gでも十分かなと思う。11aが欲しいか、CFスロットの便利さが欲しいか、そこが製品購入の分かれ目かもしれない。

 スループットは、Bフレッツのベーシックタイプ回線を使ってフレッツ・スクウェアで測定した数値で、約10Mbps程度を記録。Super A/Gなどの高速化技術に対応した最新の無線LANカードと比べればさすがに見劣りはするが、普通に使うぶんには十分だろう。


マイクロドライブを装着したところ。アンテナ部分にすっぽり収まる PHSを付けてPCに装着。PHSのアンテナがあるため、はみ出し部分が大きい

何でも使えるCFスロット

CFメモリやマイクロドライブ、カード型PHSなどに対応する
 さてさて、この製品の目玉は何といってもCFスロットの自由度の高さだ。アイ・オーは以前にもCFスロットを搭載した無線LANカード「WN-B11/CMB」を発売している。こちらは、IEEE 802.11bのみに対応し、CFスロットも通信カードに限定されていた。さらにWN-B11/CMBの場合、CFスロットに装着するPHSカードを交換するには再度ユーティリティをインストールする必要があった。

 もちろん、通信カードを頻繁に変えることも少ないはずなので、さほど不便は感じないとは思うが、今回の製品のようにCFメモリも使えるとなると、カードを抜き差しする場面も多くなるだろう。このため、筆者は本製品の発表時から、その時の動作が気になっていた。

 実際試してみると、以前の製品と機能は似ているものの、ドライバの作りは全く異なっているようだ。WN-G54/CBMBでは、無線LANカード本体の設定さえ済ませてしまえば、装着するCFカードごとにユーティリティの設定を変更する必要はない。CFカード単体でPCへ装着できる状態であれば、そのままWN-G54/CBMBに装着して利用できる。WN-G54/CBMBのCFスロットがPCのCFスロットそのもの、と思って良いかもしれない。

 装着できるCFカードとしては、DDIポケットやNTTドコモのPHS、アイ・オー製のCFメモリカードが動作保証の対象だ。このほか、筆者が試した範囲では、ハギワラシスコムやサンディスクのメモリ、松下電器産業のCF型SDカードアダプタも問題なく認識できた。途中でCFを切り替える時も、デバイスを停止させてから指で簡単に外せ、アンテナ部がスロットからはみ出しているおかげで、CFカードの抜き差しもしやすかった。

 CFメモリは問題なくても、動作保証になっていない通信カードはどうかということで、日本通信の「BMH10C-J」も試してみた。結果は通常に動作が可能だった。bモバイルは、等価交換方式で公衆無線LANサービスも使えるので、この2製品の組み合わせは相性が良いだろう。ただし前述の通り、BMH10C-Jはアイ・オーの動作保証対象外製品となるので、利用時は自己責任ということになる。

 ユーティリティは、アイ・オーの無線LAN製品でおなじみのクイックコネクトのほかに、無線LANとPHSの切り替えユーティリティ「エアーセレクター」が付属する。エアーセレクターは、クリック1つで無線LANとPHSを切り替えられるのでなかなか便利だ。

 最近は無線LAN機能を内蔵したノートPCも多く、そういった製品ではWN-G54/CBMBはほとんど役に立たないだろう。一方、無線LANカードを外付けで使っているユーザーであれば、現在最もメジャーなIEEE 802.11gに準拠しつつ、CFカードをつけ替えて機能を拡張できるWN-G54/CBMBはなかなか魅力的な製品だといえる。


CFカードとWN-G54/CBMBは別々に取り外しできる 無線LANとダイヤルアップをボタン1つで切り替えられる「エアーセレクター」

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.iodata.jp/prod/network/wnlan/2004/wn-g54cbmb/
  アイ・オー・データ機器
  http://www.iodata.jp/

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(結城 海)
2004/06/23 11:00
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