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PCのときだってハンズフリーにしたい 「Plantronics・ヘッドセット」


今回試用したプラントロニクスのヘッドセット2製品(「スープラ H-51N(写真左上)」「トライスター H81N(同左下)」)とヘッドセット・スイッチャー「MX10(右)」。MyHeadset.jp直販価格はスープラ H51Nが11,340円、トライスター H81Nが15,015円、ヘッドセット・スイッチャー MX10が18,795円
 ブロードバンド環境になると、メールにホームページ、オンラインショッピング、オンラインゲーム、ブログとインターネットの利用時間は増える一方。パソコンの前に座ってる時間、パソコンを触ってる時間はヒジョーに長くなる。

 また、ブロードバンド環境の使い道として、一気に普及した「メッセンジャーソフト」。テキストでのチャットができるだけでなく、音声による通話(チャット)が楽しめるものもある。昔、これがあれば電話会社に月に何万円も払わなくて済んだのに……なんて考えている人も多いはず(主に30代後半以降か?)。

 ただ、いざパソコンで通話をしようということになると、なかなか面倒なもの。話をするのにマイクは使わなきゃいけないし、相手の声はスピーカーから聞こえてくるので、ハウリングを起こしたりして、うまく使えないこともある。しかもスタンド式のチープなマイクを使っていると、結構、マイクに近づかなきゃいけなくて、わりとセッティングも面倒だ。

 そこで注目したいのがいわゆる「イヤホンマイク」「ヘッドセット」と呼ばれる道具。耳や頭にセットして、口元にあるマイクからしゃべるというアレだ。コイツがあると、メッセンジャーでの音声チャットもかなりラクになる。ただ、ケータイでヘッドセットを愛用してきた経験から言うと、どうも市販の一般ユーザー向けのヘッドセットはチープなモノが多く、あっという間にケーブルが断線したり、フックの部分が壊れたりする。パソコン用はもうちょっとマシなものが多いんだけど、「結局、値段なりなのねぇ」というのが正直な感想だ。

 そこで、もうちょっとしっかりしたヘッドセットはないものかと調べてみたところ、プロ御用達のスグレモノがありました。テレビや映画などではヘッドセットを使うシーンを見かけることがあるけど、ああいうプロな人たちが使ってるのは、一般ユーザー向けのモノとはちょいと出来が違う。耳や首が疲れないように、また長時間の利用でも壊れないように、しっかりと作られている。

 たとえば、ここで紹介する米Plantronics(プラントロニクス)のヘッドセットもそのひとつ。同社は40年以上、ヘッドセットを作ってきた専業メーカーで、ノイズキャンセル技術や音質、装着感など、色々な面にこだわった製品が作られている。あのNASAでも正式採用されており、アポロ11号の宇宙飛行士による月からの第一声も同社のヘッドセットを通じて伝えられたという。映画などでも数多くのシーンで使われており、筆者の大好きな007シリーズでも昨年公開された「007 Die Another Day」に登場している。


「トライスター H81N」はイヤホン部を耳に挿すタイプのオフィス用ヘッドセット。Quick Disconnect対応なので、パソコンとの接続にはUSBヘッドセットアダプタやMX10などが必要 「ヘッドセット・スイッチャー MX10」。パソコンのオーディオ機能と電話回線を切り替えながら利用できるヘッドセットスイッチャー 「スープラ H51N」は、スタンダードなヘアバンドスタイルのオフィス用ヘッドセット。Quick Disconnect対応。パソコンとの接続には、H81N同様にUSBヘッドセットアダプタやM-10などが必要になる

 同社の製品ラインアップには、コールセンター用、オフィス用、パソコン用、モバイル用などがあり、形状も両耳用、片耳用、耳掛け型、ヘッドバンド型など、非常にバリエーションが多い。アクセサリーも豊富で、イヤークッションにドーナツ型やレザー製があったり、マイク部分のボイスチューブにもカラーバリエーションがある。

 これさえあれば、長時間の音声チャットもラクになる……と考えたんだけど、ちょっと待った! 良く考えてみりゃ、今のブロードバンド環境にはもうひとつ「通話」に関する大事なサービスがある。そう、IP電話だ。メッセンジャーの音声チャットは便利だけど、基本的に相手が同じメッセンジャーを使ってなきゃいけないし、常に相手がオンラインとは限らない。それに、せっかくブロードバンド化して、IP電話まで入れたんだから、こいつも何とかうまく使って、電話代の節約に貢献したい。ただ、パソコンにヘッドセットをつないでしまうと、IP電話の電話機に出られないし、両耳をふさいでしまうと、呼び出し音が聞こえない……。

 ところがどっこい。さすがにヘッドセットの専業メーカーだけあって、Plantronicsにはちゃんと「オフィス&コールセンター用アンプ・アダプタ」ってのが用意されている。たとえば、今回紹介するMX10というモデルは、パソコンからの音声と電話機からの音声を切り替えて利用できるというものだ。電話機の受話器と本体の間にMX10を接続し、MX10とパソコンをつなぐという形で利用する。通常の電話が掛かってきたときは受話器を上げて応答し、通話はヘッドセット経由。ヘッドセットで通話中にメッセンジャーで話しかけられたときの効果音やパソコンからの音もミックスして流すこともできるし、遮断することもできる。

 もちろん、送話音量と受話音量はMX10でちゃんとコントロールが可能だ。価格が18,795円(オンラインショップ「MyHeadset.jp STORE」での販売価格)っていうのが、ちょっと個人ユーザーには厳しいけど、電話はバリバリ使うし、メッセンジャーもガンガン使うし、とにかくパソコンの前から離れられないって人には要チェックのアイテムだ。


接続例。電話通話時には受話器を手動で上げ下げする必要がある マイク、ヘッドフォンの切り替えは、ボタンひとつでOK。赤ならばパソコン、黒ならば電話機側へと音声が入出力される MX10の後面。通常、電話機本体から受話器へと接続するモジュラーケーブルをMX10を間に介すことでヘッドセットとの連携が可能になるわけだ

 しかし、そこでまたまた疑問。ヘッドセットの装着感はGOOD。電話機とパソコンの両方が接続できて、切り替えて応答したり、発信できるのも便利。でも、人間には当然、生理的な現象があるし、最近じゃオフィスでも一服するのに席を離れなきゃいけないことがある。そんなとき、その都度、ヘッドセットを外すのは面倒というもの。

 ところが、こういうところもちゃんと考えてあるのがプロ御用達品の良いところ。実は、ヘッドセットとMX10などのアンプを接続する部分は、Quick Disconnectという機構が採用されていて、ワンタッチで着脱ができるようになっている。たとえば、ヘッドセットでは今回試用した「H51N」や「H81N」というモデルも、コネクタ側はQuick Disconnect仕様になっているため、席を離れるときはプチッとコネクタを外すだけ。ヘッドセットは耳に掛けたままで、用を足しにいっても大丈夫というワケ。

 ちなみに、同社のオフィスやコールセンター用ヘッドセットは、コネクタがQuick Disconnect対応となっているため、そのままではパソコンに接続できないが、オプションで用意されている「USBヘッドセットアダプタ」や「PCサウンドカードケーブル」などを使えば、パソコンに接続が可能だ。オンラインゲームなどでヘビーに使うユーザーなら、こちらを検討してみるのも良いだろう。

 とまあ、調べてみれば、なかなか奥深いヘッドセットの世界。欲を言えば、ヘッドセットとアダプタの間を何とかワイヤレスにしたいんだけど、同社は日本向けに携帯電話用Bluetoothヘッドセット「M3000」を発売するので、こちらの発展形にも期待したいところ。でも、そのときはQuick Disconnectみたいに、ワイヤレス通信をワンタッチで切れる機能を作っていただかないと。映画「裸のガンを持つ男」みたいに、トイレから用足しを実況中継することになっちゃうからね(笑)。


今回試用したヘッドセット2製品はともにQuick Disconnectに対応している。席を離れるときはコネクタを外すだけで、ヘッドセットは耳に掛けたままの移動も大丈夫 トライスター H81Nでは、耳の後ろ、上部、内部の3点で本体を支えるので、しっかりしたフィット感が得られる トライスター H81Nを実際に装着したところ。コネクタを動かせば、左右の耳どちらでも装着することができる

関連情報

URL
  製品情報
  http://plantronics.gate.co.jp/
  MyHeadset.jp
  http://myheadset.jp/
  Plantronics
  http://www.plantronics.com/
  ゲート(国内販売元)
  http://www.gate.jp/


(法林岳之)
2004/06/30 11:13
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