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USBストレージを手軽にネットワーク化 ロボス「Samba Server」


Samba Serverの本体外観。シンプルなデザインで設置も容易。製品の標準価格は12,600円
 ロボスから発売されている「Samba Server」は、手持ちのUSBストレージをネットワーク対応にするための機器だ。具体的には、USB接続型ハードディスクをNASに変身させるためのアダプタ、ということになる。実売も1万円程度とリーズナブルで汎用性も高い。早速試用してみた。

 「Samba Server」は、背面にLANポートを1つと、USB 2.0ポートを2つ装備している。LANケーブルで家庭内のルータやハブと接続したのち、USBポートにハードディスクなどのストレージを接続すれば、これらの機器をネットワーク経由で利用できるようになる。つまり本製品があれば、手持ちのUSB接続型ハードディスクをそのままNASとして利用できるのだ。USB接続型ハードディスクとNASの価格差を考えても、十分にリーズナブルといえるだろう。

 しかも、本製品はハードディスクのほか、CD-ROMドライブやMOドライブ、フラッシュメモリ、メモリカードリーダーといったUSBストレージにも対応している。例えば、職場に外付けMOドライブやカードリーダーが1台しかなく、使うときだけ借りてきて自分のパソコンにつないで利用していたとする。そんな場合に本製品を導入すれば、これらのストレージがLAN上のどこからでも利用可能になるのだ。特にデジカメの利用が多い方にとっては、カードリーダーを共用できるのは便利ではなかろうか。


同梱品一覧。Samba Server本体はCDをひとまわり大きくしたサイズで、ネットワーク機器というよりむしろUSBハブに近い印象 背面。USB 2.0ポートが2つと、LANポートがある

 ほかにもアイデア次第でさまざまな使い方が可能だ。例えば、USBストレージクラスに対応した携帯MP3プレーヤーを「Samba Server」に接続することで、プレーヤーの中にある音楽データをネットワークを経由してパソコンで聴くことだって可能だ。外出時は持ち歩き、家にいる時は音楽サーバーとして活用できてしまうのだ。

 本体のUSBポートは2つあるので、接続する機器を1台に限定することなく、ハブの要領で使用できる。なお、筆者が試した限りでは、バスパワー方式のデバイスについては動作しない場合もあったので、カードリーダーやUSBメモリなど省電力で動作する機器以外はセルフパワーで使用すべきだろう。また当然ながら、プリンタやスキャナなど、ストレージでないUSB機器については動作しない。

 各種設定はWebブラウザから行なえるので、ルータや無線LANの設定を行なったことのある人であれば容易に接続できるはずだ。ちなみにIPアドレスの初期値は192.168.1.xxxに設定されているので、192.168.0.xxxなどサブネットの異なった環境でネットワークを運営している場合は、付属の「簡単サーチユーティリティ」で事前にIPアドレスを書き換える必要がある。


USBメモリを装着したところ。ネットワーク上のPCからデータを読み書きできる USBストレージクラス対応の携帯音楽プレーヤーを接続すれば、保存した音楽ファイルをネットワーク経由で再生できた USBハードディスクを装着したところ。本体は縦置きにも対応

 アクセス制限については、アカウントによる制限のほか、IPアドレスレベルでのアクセス許可や禁止も設定できるので、小規模なネットワーク環境では十分なセキュリティが備わっていると言えるだろう。ただし、初回接続時はドライブの全領域が共有化されるので注意が必要だ。ちなみにファイル形式はFAT16/32のみをサポートする。

 ストレージ共有機能以外にも、インターネット経由でフォルダ共有も行なうFTPサーバー機能や、決められた日付/時間に指定のサーバーからダウンロードを実行する機能など、多機能さが光る本製品。

 ヘヴィなネットワーク機器を連想させるネーミングのせいで損をしている気がしなくもないが、手軽にデバイスを共有できるネットワーク機器として一気に普及する可能性を秘めているように感じた。ルータやNASによって家庭内のネットワーク化をすすめている方は、さまざまなUSBストレージがネットワーク経由で使える便利さをぜひ体験してみてほしい。


本体設定はWebブラウザ画面から行なう。ルータなどの設定を行なったことがあれば、特に難しい作業ではないだろう マイネットワーク上では「Samba_Server」として表示され、接続されたUSBデバイスはその下層のフォルダとして認識される。USBデバイスの種類によって「RDISK」「MDISK」「CDROM」などの名称+文字列で表示される 付属の「簡易サーチユーティリティ」では、パソコンのネットワークドライブ設定が行なえる。上図では「RDISK_a1」をパソコンのFドライブとして割り当てている

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.lobos.co.jp/samba.htm
  ロボス
  http://www.lobos.co.jp/


(後藤重治)
2004/07/07 11:19
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