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USBポートに接続するだけの簡単データリンクケーブル「LUB-PTPU2」


 USBデータリンクケーブル「LUB-PTPU2」(実売4,980円前後、9月中旬発売予定)。プラグを切り込み部分に収納すると突起がなくなり、持ち運びに困ることはない
 今回紹介するロジテックの「LUB-PTPU2」は、機能的にはとてもシンプルなアイテムだ。パソコンとパソコンとをつなぎ、ファイルのやり取りをするためのデータリンクケーブルなのである。もちろん巻き取りケースがついたタダの電線とはワケが違う。ドライバをインストールしたり、あちこちの設定を変えるといった作業は一切不要。ファイル転送用のアプリケーションを内蔵しており、パソコンのUSBポート同士をつなぐだけで簡単にデータ転送が可能になるスグレモノなのである。

 本体は93×19×68mm(幅×幅×高)、重さ96g。カード型というには少々大きいが、少し前のデジタルカメラほどのサイズだ。ボディの一部に切り込みがあり、USBプラグ2個がはめ込めるようになっているので上着やバッグのポケットにスッキリと収まる。

 ボディカラーは、ほぼ黒一色。ケーブルも黒いラバー系の素材でコーティングされたフラットなタイプを採用している。2本が組になっており、横にある青いスライドノブを引き上げると中のロールに巻き取られる仕組みだ。ケーブルは、まるでイカスミを練り込んだ平形パスタかきしめんのようだが、柔軟で耐久性は高そうである。長さは1本約60cm、2本合わせて1.2mほどで、必要な長さだけ引き出して利用できる。電源はUSBインターフェイスから供給するバスパワー方式なので、バッテリーやACアダプタなどは必要ない。


背面にある青いスライドスイッチを引き上げるとケーブルが内部のロールに巻き取られる。このスイッチ以外の外装色は全て黒 USBケーブルは2本まとめて内部のロールに巻き取られている。1本約60cm。2台のパソコンを接続するには十分な長さだ

 ボディの中央部には覗き窓のような丸いパネルがあり、真ん中のメーカーロゴを取り囲むように4個の青色LEDが配置されている。これはパソコンとのリンク状態やデータの転送状態を示すインジケータだ。ちなみに、この丸い窓部分から少しだけ内部の基板が見えるのだが、なんとケーブルを出し入れするときにクルクル回ってしまうのである。要するにケーブルを巻き取るロール部に直接基板が取り付けられているのだ。

 考えてみれば複雑な配線を用いるより、こちらのほうがはるかに効率的な構造で、信頼性も向上するハズである。外から見えていないだけで、さまざまな機器の設計に採用されていてもおかしくはない。


フラットなケーブルは幅7mm、厚さ1.5mmほど。柔軟なラバー系素材がコーティングされていて、見た目よりも頑丈そう ロゴマークの周りにリンク時やデータ転送時に青く光るLED。奥に見える基板は中のロールと一緒にクルクル回ってしまう

LUB-PTPU2に内蔵されているファイル転送用のアプリケーション「CROSSBOX」。操作はエクスプローラ等と変わらない
 LUB-PTPU2に内蔵されているファイル転送用アプリケーションは「CROSSBOX」と名付けられている。パソコンに接続すると自動的に起動し、エクスプローラを2段重ねにしたようなウィンドウが開く。LUB-PTPU2でのファイル転送は、すべてこの「CROSSBOX」を利用して行なうことになる。

 操作の基本はドラッグ&ドロップなので、エクスプローラなどを扱うのと同じ感覚だ。ただ、標準状態の「CROSSBOX」は読み取り専用に設定されている。つまり、リモートホスト(接続先パソコン)側からローカルホスト(接続元パソコン)側へファイルをコピーすることしかできないのだ。LUB-PTPU2ではLAN接続のように共有フォルダを設定するわけではなく、パソコンの内蔵ドライブ全体を自由に読み書きできてしまうため、不用意な操作でトラブルを起こさないための予防策なのだろう。もちろん、相互に読み書き可能な状態に設定することも可能だ。

 USBのデータ転送速度は、条件によって大きく左右されるようだ。新旧雑多なパソコンを取り混ぜた筆者の環境では、LAN接続と同程度という印象だった。LUB-PTPU2自体は最大通信速度480MbpsのUSB 2.0に対応しているので、性能の良いパソコン同士の組み合わせなら、かなりの速度が期待できるだろう。

 接続は、Windows XPなどMe以降のWindowsなら特別なソフトウェアや設定変更といった作業は必要なく、ただパソコンのUSBポートにLUB-PTPU2のプラグを差し込むだけである。ただし、Windows 98の場合は発売元のホームページから専用ドライバをダウンロードし、あらかじめインストールしておかなければならない。

 筆者は知人にパソコンのメンテナンスを頼まれることがよくある。そんなときは自前のノートパソコンを担いで参じるわけだが、出先でファイルのやりとりに苦労することが少なくない。今ではインターネットへのブロードバンド接続に必要なこともあって、一般家庭レベルでもLANの利用率は高まっている。しかし、ルータやハブを介してパソコン同士をつなげる環境は整っていないことが多いのである。

 LANポートさえあればクロスケーブルを使ってパソコン同士を直結することは可能だが、必要なプロトコルをインストールしたりIPアドレスを設定したりと、出先で手早く済ませるには面倒すぎる作業が待っている。場合によっては必要になりそうなツールやデータをCD-Rに焼いて持っていったり、あるいはその場でフラッシュメモリにコピーしてピストン輸送なんて手も使わざるを得なくなってしまうのだ。

 その点、LUB-PTPU2でのデータリンクは簡単そのもの。今までの苦労は何だったのかと思わせてくれるほどお手軽なのである。筆者のような用途ばかりではなく、ビジネスマンなら外出先でちょっとしたファイルのやり取りをしなければならないこともあるだろう。そんなとき威力を発揮してくれるのがLUB-PTPU2だ。ノートパソコンとペアで持ち歩くことをお勧めしたいアイテムである。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.logitec.co.jp/products/if/lubptpu2.html
  ロジテック
  http://www.logitec.co.jp/


(斉藤成樹)
2004/09/15 10:52
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