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無線LANを使って外出先でもインターネットを活用! 「CLIE PEG-TH55」


ソニーの「CLIE PEG-TH55」。筆者の購入価格は41,100円
 そもそもはすでに生産中止になっている愛用のPDAの調子がいまひとつな上に、バッテリーもかなり消耗してしまったため、代わりにデスクトップマシンのOutlookとスケジュールを連携できるPDAが欲しかったのだ。スピーディにスケジュールが確認できれば良い。軽ければなお良い。しかも画面がキレイで見やすかったら良い。

 クリアしてほしい要望はそんな程度。だから購入当初は「小さいし、所詮メインマシンの子分であるキーボード付きPDAの、さらに子分的存在にしかならないだろうな~」と考えていたのだが、1日もたたないうちに前言撤回。それが今回紹介するソニーのPDA「CLIE PEG-TH55」なのだ。


前面には内蔵マイク、アプリケーションボタン、データ活用ボタン、インターフェイスコネクタが配置されている 裏面にはジョグダイヤルとカメラ、バックボタンがある

本体の左側には、左上からCAPTUREボタン、レンズカバーレバー、メモリースティックスロット、POWER/HOLDスイッチ、VOICE RECスイッチが並ぶ サイズは約73.3×15.7×121.5mm(幅×奥行×高)で、ハードカバー込みの重量は約185g。写真はシャープの「ザウルス MI-C1」と大きさを比較したところ

至れり尽くせりな電子手帳

 まず液晶の美しさが印象的だ。65,536色のバックライト搭載半透過性TFTカラーのワイドハイレゾリューションディスプレイで、小さい文字もくっきり。そして広い。PEG-TH55は文字パッドがタップ1つで出し入れ自在なのである。このため液晶全体を使った表示が可能なのだ。パームサイズだけに、文字パッドの有無は表示できる情報量に大きな差を生じさせる。

 スケジュールやToDo管理ができ、HotSyncを使ってOutlookなどPC側のスケジューラとデータをシンクロさせることが可能。それだけならこれまでの電子手帳と変わらないが、スケジュール帳に直接手書きでメモが書けるため、デジタルなのにアナログのシステム手帳に近い使用感だ。

 さらにAudio Playerで音楽再生ができ(ATRAC3/MP3方式)、音声メモもできるかと思えば、ゲーム機にもなり、レンズカバーを開けば自動的にオンになるデジタルカメラ機能まで搭載されている。メモリースティックを使えば美しい液晶で動画を楽しむこともできる(QuickTime/MPEG-1)。別途専用のビューワーをインストールすれば、読書もできてしまう。185gの小柄なボディで、あんなこともそんなことも……と枚挙にいとまがないPEG-TH55なのである。


スケジュール帳に手書きでメモを書き込めるので、よりインパクトのあるスケジュールとなる デジタルカメラモードの画面。撮影は[CAPTURE]をタップするか、本体左にあるCAPTUREボタンを押すせば良い 最小文字サイズ例と最大文字サイズ例。全体で6段階切り替え。最近ちょっと老眼が……という人にも優しいかも

ザウルスユーザーでありPalmビギナーである筆者としては、ひらがなや漢字がそのまま入力できる「テグマ手書き入力」の存在はありがたい。また、文字パッドは出し入れができるので、画面を効率的に使える。ATOKも搭載しているほか、Graffitiとの切り替えも可能

無線LAN機能を利用して、手のひらでブロードバンド

 しかし使っていくうちに、PEG-TH55は無線LAN接続によって電子手帳の枠を超えた使い方ができることがわかってきた。

 PEG-TH55には、IEEE 802.11bに準拠した無線LAN機能が内蔵されているため、別途カードを用意する必要がない。電波を受信できる環境であれば、どこにいてもインターネットへの常時接続が可能であり、Webサイトのチェックやメールの送受信ができるのだ。

 では早速! と最初に接続したのは自宅の無線LANアクセスポイントだ。ルータにPEG-TH55のMACアドレスを登録し、PEG-TH55にはESS-IDとWEPキーを設定。あとは登録したプロファイル名を選択し、接続をタップするだけで良い。

 しかし、いまひとつ気分が盛り上がらない。やはり、機動性を活かすなら外で使えなくては! というわけで、まずはYahoo! BBモバイルのある銀座ルノアール(新宿西口)で接続に挑戦。知人とお茶を飲みながら、知人のサイトにアクセスしたり、ソーシャルネットワーキングサービスに接続して、写真を見たり日記を読んだりして談笑。さらにPEG-TH55で撮影した写真のアップロードにも挑戦した。


アンテナは本体上部のスタイラスの隣に内蔵 事前に設定した接続設定をもとにYahoo! BBモバイルに接続、接続認証がすめばブロードバンドの世界だ 休憩時間を彩るPEG-TH55。ノートパソコンほど場所をとらず、携帯電話ほど小さすぎないというサイズも良い

無線LANに接続できる環境を手に入れよう

改札の隅で無線LAN倶楽部への接続を試みる。開いているのは無線LAN倶楽部の認証画面。登録済みのIDとパスワードを入力し、[ログイン]をタップすれば良い
 全国の無線スポットを検索できる「無線スポット検索サービス」で、よく行くカフェの無線LANスポット対応状況を調べてみたところ、NTTブロードバンドプラットフォーム(NTT-BP)の「無線LAN倶楽部」のサービス提供エリアだった。しかも最寄りの駅も同じ。というわけで、さらに活動範囲を広げるべく「無線LAN倶楽部」と契約した。選んだのは月額1,575円のスタンダードコース。これで存分に試せるというわけだ。契約後にメールで送られてくるESS-IDとWEPキーをPEG-TH55に設定し、改めて外出! まずは駅へ。

 利用客の邪魔にならないように、改札の隅に立ち、プロファイル名から「無線LAN倶楽部」を選択して接続をタップ。接続が完了すると認証用のログイン画面が表示されるので、申し込み時に登録したIDとパスワードを入力する。ただ、IDとパスワードの入力をスタイラスのみで行なうというのは、慣れないうちは少々面倒に感じるかもしれない。「テグマ手書き入力」よりは、「標準入力」の英数字キーボードを活用したほうが良さそう。

 ちなみに、現在の無線LANスポットは、まだまだエリアが限られている点が残念。行く先々で契約業者が異なれば、ローミングされていない限り接続することはできない。事業者の方々にはローミングやエリアのさらなる拡大をお願いしたいところだ。


Broadband Watchを表示したところ。駅で待ち合わせの合間にメールを受信したり、Webサイトでニュースを読むなんてこともできる 無線LAN設定画面。ESS-IDとWEPキーがないと接続できないので、あらかじめ無線LAN倶楽部の設定を行なってから出かけた NetFront v3.1 for CLIEの表示形式は4段階の切り替えが可能。SSL、CSS、Javascript、Cookieに対応。ただし、Flashの再生には対応しない

枕元にも常に置いておきたい

ちょっと休憩……というとき、PEG-TH55があれば読書もできる。写真は「本」と「電子書籍」を表示しているところ。紙の触感も捨てがたいが、PEG-TH55のコンパクトさも捨てがたい。かばんの荷物を少しでも減らしたい人には電子書籍はお勧めだ
 横になったまま、しばらくの間はゲーム。メールを受信してみると、ソーシャルネットワーキングサービスからメッセージが届いている。メッセージを読みにサイトへアクセス。ついでに知人たちの日記やコメントを読んだあと、別のサイトで電子書籍をダウンロード。ビューワーを起動して読み出す。ジョグダイヤルでページをめくりながら、眠くなるまで読書。これが最近の筆者のゴロ寝スタイルだ。

 PEG-TH55ならまとめて何冊も持ち歩けるし、気が向いたときに好きな本を呼び出せるから、気分次第で選び放題。しかも無線LANを駆使すれば、好きなときに購入できるから手間いらず。どこにいても本が買え、そのまま読めてしまう時代なのである(ただし書籍ごとにビューワーが異なる場合があるので、環境の準備はあらかじめしておきたい)。

 「電子手帳」という言葉を超えたと言っても言いすぎではないこのPEG-TH55、あなたならどう使い倒すだろうか。せっかくの秋なので、筆者は久しぶりに寝る前は好きな音楽を再生しながら、読書にふけってみようかと思っている。といいつつ、Muchy.comで見つけたバイオリズムを調べるソフトなんぞインストールしてみた。なんと! 今日は「要注意 知性」だそうだ。知性に要注意なんて、なんだか危険な予感がする。すごいミスをやらかすのかもしれない。怖いから少しでも早めに寝たほうがよさそうだ……。って午前4時にビビッても手遅れか。


CLIEに最適化された「CLIE Style」では、どこにいても電子書籍の購入が可能。ただし、品揃えの充実度は今後に期待といったところ Muchy.comには、PEG-TH55をパワーアップするPalm用ソフトウェアが豊富に登録されている。CLIEはPalmソフト次第で何にでも変身できるのだ。もちろん文庫コーナーも忘れずにチェックしたい

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-TH55/
  Sony Drive
  http://www.sony.jp/index.html


(すずまり)
2004/10/06 11:01
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