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レーザーがキーボードを平面に描き出す「バーチャルキーボード」
バーチャルキーボードの購入価格は29,800円で、販売元は加賀電子。素っ気ないほどシンプルなデザイン。本体は横のステッカー以外にロゴや文字の類が一切ないの。こうして見ると正体不明のアイテムだ(笑)
何もないところにパッと現われるキーボード。とうとう近未来のアイテムが実現してしまった。このバーチャルキーボードは、平らな面にレーザーでキーボードのアウトラインを描くプロジェクタ方式の入力デバイスだ。
SF映画に登場するような3次元空間投影方式に比べるといまひとつジミではあるが、あちらはあくまでもCGで描かれた架空のギミック。対して、こちらは光で描かれた文字に指で触れると、それが現実にパソコンなどへと入力される。ハイテク好きにはたまらないアイテムなのだ。白状すれば、筆者は製品が到着してから1時間ほど、1人ニヤニヤしながらバーチャルキーボードで文字を入力し続けた。端から見たら、さぞかし不気味な光景だっただろう(笑)。
バーチャルキーボードの本体は、素っ気ないグレーの直方体。スイッチやコネクタ類はボディに埋め込まれるように配置されているので、目立つような凹凸はない。単なるプラスチックのハコである。ところが、よく見てみると光の加減でメタリックブルーにも見えるという凝ったボディカラーを採用していることに気づく。しかも、メーカーロゴやレタリングが一切なく、いかにもナゾのアイテムといった雰囲気を醸し出しているのだ。シンプルではあるが、このデザインは一種の演出なのではないかと思えてくる。
側面の、ちょっと見ただけではわからない位置に電源スイッチ、上面にはステータス表示用のLED。底面に転倒感知用の突起がある。これは暖房器具の安全装置と同じように、底面が床から離れると動作を止める仕掛けだ。電源は内蔵のリチウムイオンバッテリ。ACアダプタを接続しなくても連続2時間程度の使用が可能となっている。
スイッチを入れると本体から7~8cmの距離、A4横サイズほどのエリアに赤い点で描かれた台形のキーボードが浮かび上がる。レーザーを使用しているだけあって、驚くほどシャープな像だ。ちょうど多数のレーザーポインタを並べてキーボードを描いたと思えば良い。レーザーは正面上部の窓から照射されている。安全基準上は目に悪影響のないレベルではあるが、かなり明るい赤色光なので直視は避けるべきだろう。
底面に見える小さな突起が転倒感知用スイッチ。本体が倒れたり傾いたりすると自動的に動作を止める
横置きしたA4用紙の上に投射するとキーボードの両端がわずかにはみ出る。撮影のために照明を落としているが、この明るさではまぶしいほどの光量だ
キーは総計63個。アルファベットはもっとも一般的な、いわゆるQWERTYと呼ばれる配列だ。例えばカッコがスペースキーの左にあるというように、独自のアレンジが施されている。残念ながらキートップに日本語は描かれておらず、「半角/全角」などのキーもないが、もちろん日本語の入力は可能だ。
当然ながら、キーを押す手応えは皆無(笑)。慣れないうちは少し戸惑うが、ちゃんとキーを押しているかどうかは入力に連動して鳴るクリック音で確認できる。キートップのサイズも大きめなので、ヘタなタッチパネルより扱いやすいかもしれない。
バーチャルキーボードの操作はタッチパネルと同じように思われるかもしれないが、実は微妙に異なる点がある。1つは、実際に投影面に触れなくてもキー入力を受け付けるという点だ。つまり、あるキーから次のキーへ移るには、指を数mm引き上げなければならないのである。筆者は指を軽く浮かせてキーを撫でるようにタイプするクセがあるので、この操作に慣れるのに少し苦労した。後で気づいたが、両手の指をフルに使うより、人差し指2本だけでタイプした方が効率的だったようである。
もう1つは、組み合わせによっては入力できないキーがあるという点だ。バーチャルキーボードは複数キーの同時入力が可能だが、本体ユニットから見て影になるエリアのキーは入力できない。例を挙げると、「Q」のキーにタッチした場合、その左手前にある「ALT」キーが指の影に入ってしまうため、「ALT+Q」というキーアサインは使えないのだ。実用上問題となるほどではないが、注意しておきたいポイントである。
設置場所は光の反射率が低く、光学センサーのジャマになるようなデコボコがない平らな面。本体底の面積が小さいせいか、少し傾いた面や柔らかいテーブルクロスなどの上では安定しないことがあるが、ガムテープやクリップなどで固定しさえすれば、垂直に近い場所でも動作するのではないだろうか。
少々わかりにくいが、上部にあるグレーの帯の端が電源スイッチ。上面にはLEDインジケータがある
機器接続用コネクタと電源用コネクタを本体に差し込むとケーブルが後面方向へ伸びるように固定される。手前がパソコンのシリアルポートへ接続するD-Subコネクタ
本体が軽いためか、ケーブルを少し引っ張っただけで倒れてしまう。設置するときは余裕を持たせよう
各種ハードウェア用のケーブル群。このほか、パソコン接続用のRS-232Cケーブルが付属
ただ、周囲の明るさが600ルクス以上だと、キーボードが見にくくなったり、光学センサーが指の位置を感知できなくなることがあるようだ。明るすぎる場合は本体上面のインジケータが赤く点灯してキー入力が読み取れないことを知らせてくれる。しかし、筆者が試した限りでは、直射日光下でもない限り、明るさを気にする必要はないように思われた。参考までに付け加えると、一般的な店舗内照明やスポーツ施設の夜間照明が600ルクス前後だそうである。
対応機種はWindows 2000/98/NTを搭載したパソコンの他、Palm OSやPocket PC 2002など。各ハードウェア用に総計6本の接続ケーブルが付属している。ちょっとムダなようにも思えるが、後々必要になるたびに取り寄せる面倒がないという点は評価したい。
なお、パソコンとはRS-232Cという、少々古いタイプのインターフェイスで接続する。いわゆるレガシーポートと呼ばれるものの1つで、最近では搭載していないパソコンも増えているが、変換ケーブルを使えばUSBでも利用できるようである。
製品にはケーブルのほか、充電器を兼ねたACアダプタ、日本語マニュアル、ドライバなどを収めたCD-ROMが2枚、それにビニールレザー製のキャリングケースが付属している。ケースは別売オプション品としても十分通用する本格的な品だ。このセットなら29,800円という価格も納得できるだろう。
小型のACアダプタ。背面のLEDが充電状態を知らせてくれる
ドライバなどを収めたCD-ROMは2枚付属している。12cmがPalmOS用、8cmがその他の機種用だ
付属のキャリングケースはビニールレザー製。マグネットの留め金つき。柔らかい素材で内張りされた本格的な製品だ
本体と同じくシンプルなギフトボックス風外箱。小さなロゴマークが入れられているだけで商品名さえない。こだわりを感じさせるデザインだ
パソコン用コントロールソフト。バッテリの状態が確認できるほか、投射キーボードの明るさやキークリック音が設定できる
本来ならキーボードレスのPDAやハンドヘルドPCと組み合わせたかったところだが、今回の試用はWindowsパソコンで行なった。ドライバを組み込むと同時にセットアップされるパソコン用コントロールソフトには、センサーの感度や投影光の明るさを調整する機能、またキーリピートの調整やパワーセーブといった各種のコントロール機能が搭載されている。
残念ながら、全体的な使い勝手は現実のキーボードには及ばないというのが筆者の印象だ。機能面で劣る部分はないものの、やはり操作性がイマイチなのである。デスクの上で常用するというよりは、外出先でサッっと取り出し、周囲の注目を集めながら、おもむろにキーをタイプし始めるというのが正しい使い方だろう(笑)。
ただ、メインとしては少々ムリがあるとしても、セカンドマシン用のサブキーボードとしての利用価値は高い。筆者は何台かのパソコンを使い分けているが、場所を取るキーボードを台数分常設しておくわけにはいかないので、必要になるたびに引っ張り出していたのだ。この面倒な作業をスイッチ1つで済ませることができるようになるのである。
光学センサーの感度はきめ細かく調整することができる。パワーセーブ機能は電源オフまでの時間と投射オフまでの時間を独立して設定できる
キーリピートの待ち時間とリピートレートの設定も可能だ。ホンモノのキーボードと変わるところはない
バーチャルキーボードというと近未来の入力デバイスというイメージだが、筆者としては意外にもレトロな印象を抱いてしまった。赤い光の点で描かれたキーボードが昔懐かしいLEDディスプレイの表示を思い起こさせるのだ。もちろん、実態は光学センサーで指の位置を精密に検出するという先端技術が盛り込まれたハイテク機器なのである。筆者にとっては、このアンバランスさも魅力の1つだった。
ちなみにバーチャルキーボードの光学センサーは、指の動きを3次元的に感知しているようである。ということは、もし何らかの方法で空中にキーボードの映像を浮かび上がらせることができれば、SF映画ばりの3次元空間投影方式も可能ということである。今後の可能性に期待してしまう一品だ。
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URL
製品情報
http://www.taxan.net/shop/sonota/VKB.html
加賀電子
http://www.taxan.co.jp/
ピンチェンジ
http://www.p-change.com/
(斉藤成樹)
2005/01/12 10:55
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