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取り付けたままで再生OK。CDやDVDをキズから保護するプロテクター


ランドポートの「d_skin」。直販サイトの価格は1,260円。金属製の缶入りで、セクシーなオヘソ(?)のアップがプリントされたCDジャケット風の作り。ちなみに右下の凹みは輸送中のトラブルである。念のため(笑)
 今回紹介するランドポートの「d_skin(ディー・スキン)」は、CDやDVDの記録面を透明なフィルムで覆い、スクラッチや汚れから守ってくれるという頼もしいアイテムである。しかも、ディスクをプレーヤーやドライブにセットするときに取り外す必要がない。つまり、取り付けたまま再生が可能という、ちょっと画期的な製品なのだ。

 d_skinは、CDやDVDのケースとして再利用できそうな金属製の缶に入り、5枚1組で販売されている。透明なフィルム部分は滑らかでパリパリした固い感触。一見して透明度が高く、乱反射が少ないのがわかる。レーザーを透過させやすい特殊な素材なのだろう。非常に薄くはあるが、強度は高く、尖ったものでひっかきでもしなければキズつきそうもない。

 オレンジ色の外周リングは樹脂系の素材で、厚さ0.5mmほどだろうか。こちらもしっかりした硬質な手触りだ。内側に向けて等間隔に8カ所、小さなツメが突き出ていて、そこでディスクを引っかけ、抱え込むような形で固定する。記録面だけでなく、ディスク外周部分の保護にもなる構造だ。


フタの裏側にシリカゲル(乾燥剤)の小袋が貼り付けられていた。湿度の影響を受けやすいようである 缶の中にはd_skinが5枚。何枚か重ねてもほとんど透明度が落ちない。やはり光学性能の高い素材のようだ

 取り付け方は簡単。d_skinをディスクと重ね合わせ、周辺部をなぞるようにつまんでいけば8カ所のツメがパチッとはまりこむ。ディスクの大きさに合わせて精密に加工されているらしく、意外なほどしっかり固定されるようだ。取り外しも簡単なので、キズがついたり汚れたりしてきたら、すぐに新しいものと交換できる。

 d_skinを取り付けたディスクはそのまま再生できるのが大きなメリットだが、やっぱり制限はある。まず、カーオーディオなどのプレーヤーに多く採用されているスロットローディングタイプの機器では利用できないのだ。数枚のディスクを同時にセットできるディスクチェンジャーにも使えないだろう。

 また、d_skinを取り付けると、その分わずかに径が大きくなるので、ディスクがプレーヤーやドライブの内面と接触してしまう可能性がある。実際、筆者が使っているノートパソコン用の外付けCD-ROMドライブでは外周部分が引っかかってしまい、ディスクが回転しなかった。DVDレコーダーでも擦れるような異音が聞こえ、ディスクが認識されなかったため、検証作業は諦めざるを得なかった。基本的にはトレイローディングタイプやトップローディングタイプなら問題はないはずだが、プレーヤーやドライブとの相性には注意が必要なようである。


ちょっとわかりづらいが、リングの内側に小さなツメが等間隔で8個並んでいる。ここにディスクをはめ込んで固定する方式だ d_skinを取り付けるとディスクとの間に入り込んだホコリがやたら目立つ。取り付ける前にカメラ用のブロアーやエアダスターで吹き飛ばすと良いようだ

リングもごく薄く作られているが、機器によっては内部で接触することも。このCD-ROMドライブではディスクが回転しなくなってしまった
 筆者が試した機器の中で快調だったのは初期型のプレイステーション2だ。ゲームソフト、映画DVD、音楽CD、すべてd_skinを取り付けたまま、普段とほとんど変わらない感覚で使用できた。ほかには、ミニコンポに内蔵されているトレイローディングタイプのCDプレーヤー。最初のTOC読み込みや曲間ジャンプに時間がかかるようになるものの、音楽の再生自体は問題なかった。

 デスクトップパソコン内蔵のCD/DVDドライブでは、一時的にシーク音が激しくなることがあったが、それ以外は概ね正常。ただ、ディスクによっては、うなるような異音が出てしまうものがある。原因は定かではないが、重量バランスが良くないディスクにd_skinを取り付けるとさらにバランスが崩れ、高速な回転で激しく振動してしまうのではないだろうか。異音が出たときはd_skinを取り付け直し、それでもおさまらなければ使用は控えたほうが良いようだ。最悪の場合、ドライブを破損させてしまう可能性がある。

 筆者が自宅にある機器で一通り試してみた限りでは、d_skinはゲーム機やパソコン向けのアクセサリという印象を受けた。AV関係の機器とは相性が厳しく、同じディスクでも読める場合と読めない場合があったりと、いまひとつ安定性に欠けるように思えたのだ。ちなみにパッケージの説明文によれば音楽CD、ゲームソフト、映画DVD、CD/DVD-ROMに対応。CD-R/RW、DVD-R/DVD+R/DVD-RWでも利用できるとのことだが、書き込みについては触れられていない。一応パソコンでCD-Rの書き込みに挑戦してはみたが、筆者の環境ではムリがあったようである。

 実を言えば、CDやDVDの記録面は丈夫な保護層で守られていて、少々キズが付いた程度なら悪影響はないそうである。しかし、虹色の美しいディスク面にスクラッチの白いスジや指紋がベタベタ付いているのは決して気分の良いものではない。キズや汚れがひどくなれば、いずれは読み取りエラーが出てしまうだろう。

 d_skinは使用頻度の高い、お気に入りのディスクをいつまでも新品の状態に保ち、長期間に渡って使い続けられるようにするためのアイテムともいえそうである。

 ちなみに筆者はレーベル面、つまりディスク表側の面に取り付けでも良いのではないかと思ってしまった。自分でCD-RやDVD-Rにプリントしたオリジナルレーベルをキズから保護するためである。もちろん本来の使用法ではないので、取り付けたままプレーヤーやドライブにセットするのは避けるべきだが、こういう使い方もアリなのではないだろうか。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.landport.co.jp/d_skin/
  ランドポート
  http://www.landport.co.jp/


(斉藤成樹)
2005/03/23 11:00
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