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テレビにつなげてデジタル画像が見られる多機能CD-R/RWドライブ


グリーンハウスの「DISPY2」。直販サイトの価格は24,799円。外観はポータブルタイプのCDドライブと変わらない。本体サイズと重量は、157×184×33mm(幅×奥行×高)で633g(含バッテリー727g)
 今回紹介するグリーンハウスの「DISPY2(GH-DISPY-TV)」には、「3in1マルチストレージ」というキャッチコピーが添えられている。これは3種類のメディアが扱えるストレージデバイスという意味ではない。

 単体ではメモリカードからダイレクトにCD-R/RWへ転送できるコピー機能、テレビモニターにつなげば画像、動画、音声データの再生が可能なマルチプレーヤー、そしてパソコンに接続すればメモリカードリーダーライター+CD-R/RWドライブの外部ストレージデバイスとして機能するという1台3役のスグレモノなのだ。

 外見は少々大きめのパソコン用外付けCDドライブそのものである。変わったところといえば、手前中央部にある小型液晶ディスプレイと右横にあるメモリカードスロット、それにAV機器のような赤外線リモコンが付属している点だ。

 上面パネルの弧を描くような切り込みは、一見CD-R/RWドライブのフタのようにも見えるが、実はデザイン上のアクセント。ディスクは前面から飛び出すトレイにセットする。ノートパソコンの内蔵ドライブでよく目にするタイプのユニットだ


メモリカードスロットは本体右側面にある。2つのスロットで計7種類のメモリカードに対応する。右端の丸いコネクタはACアダプタ用 左側面にはスライド式の電源スイッチと2つのインジゲータ。左端にはバッテリー収納スペースのフタがある

 CD-R/RWドライブの書き込み速度はCD-Rが最大24倍速、CD-RWが最大10倍速で、読み込みはどちらも最大24倍速だ。2つのメモリカードスロットは、SDカード、miniSDカード、コンパクトフラッシュ、スマートメディア、マルチメディアカード、メモリースティック、メモリースティックDuoと、計7種類の読み書きに対応する(miniSDカードとメモリースティックDuoは別途アダプタが必要)。

 メモリカードからCD-R/RWへのダイレクトコピーは非常に簡単だ。本体横のスロットにメモリカード、ドライブにCD-R/RWをセットし、速度優先のFASTモード、または信頼性重視のSECUREモードを選ぶとコピーがスタートする。ディスプレイにガイダンスが表示されるので、パソコン関連機器の取り扱いに慣れていないユーザーでも迷うことはないだろう。

 メモリカードの内容を丸ごと転送するだけで、フォルダやデータを選択することはできないが、余計な手間がかからない文字通りのワンタッチである。CD-R/RW側の空き容量が不足していても自動的に複数のディスクに振り分ける機能を搭載している点を考えると、メモリカード内にあるデータをこまめにバックアップしたり、あるいは素早くデュプリケートを作成するといった用途を想定しているのではないだろうか。

 フォルダやファイルを細かく指定してコピーしたい場合は、USBケーブルでパソコンに接続すれば良い。マスストレージクラスに対応しているので、ドライバのインストール作業などは不要。そのままCD-R/RWドライブ兼メモリカードリーダーライターとして利用できる。USB 2.0に対応しており、使用感は他の単体製品と同等だ。


液晶ディスプレイは小型ながらドットマトリクス方式だ。各部の状態をアイコン風のイラストとアニメーションで表示する CD-R/RWドライブはトレイローディングタイプ。ディスク中央の穴をツメに引っかけて固定する方式だ

テレビモニターに接続しているときは付属の赤外線リモコンで操作する。ボタン配置はAV機器などのリモコンと変わらない
 マルチプレーヤーとして使う場合は付属のAVケーブルでテレビモニターに接続し、本体のボタンでTVoutモードに切り替える。このモードは付属の赤外線リモコンで操作するせいか、パソコン関係の機器というよりはAV機器を扱っているような感覚だ。

 再生できるのはJPEG形式の画像データ、MPEG-1およびMPEG-2形式の動画データ、それにMP3形式の音声データだ。もちろん、通常の音楽CD再生も可能だ。静止画では縮小画像を一覧表示するサムネイルや複数の画像を連続表示するスライドショーのほか、拡大や回転といったビジュアルエフェクトが利用できる。

 操作はディスクやメモリカードをセットし、赤外線リモコンの入力切替ボタンで目的のメディアを選択。テレビモニター画面の左にフォルダ、右にファイルの一覧が表示されるので、再生したいデータを選び、プレイボタンを押すというスタイル。1度に表示できるフォルダとファイルはそれぞれ10個までだ。しかし、画面右下にあるボタンで表示するデータの種類を選べるので、使い勝手はパソコンのプレーヤーソフトなどとほとんど変わらない。


2,048×1,536ピクセルの解像度で撮影したサクラを普通の液晶テレビに表示させた。やはりパソコン用モニターに比べると画質は落ちてしまう
 残念ながら画質については良いとはいえないようだ。とくに筆者の環境では、高解像度の静止画像では全体的にボヤけた表示になってしまう傾向が強かった。もっとも、これはDISPY2の問題というより、筆者が使ったテレビモニターの解像度がパソコン用のモニターに比べてかなり低かったためだろう。

 とはいっても内容をチェックするには十分だし、何よりビデオ入力端子が付いたテレビモニターさえあればJPEG、MPEG、MP3といったデータが即座に再生できるというのは想像以上に大きなメリットである。


画面中央左側にフォルダ一覧、右側にファイルの一覧が表示される。下段左は選択した画像のサムネイル。右はデータの種類を選ぶボタンだ 縮小画像が1画面に6枚表示される。低解像度のテレビモニターでは細かいディテールまで映し出せないが、チェックには十分な画質だ

 システムセットアップ画面で設定を変更すれば、日本のNTSC方式だけでなく、ヨーロッパなどで広く使われているPAL方式のテレビモニターを接続することも可能。また表示言語を8カ国語から選べるほか、「GREENHOUSE」のロゴマークが画面を跳ね回るスクリーンセーバーが用意されている。

 これだけ多くの機能を備えていると扱いが面倒そうにも思えるが、筆者が試用した範囲では操作を迷うような場面には出会わなかった。これは3種類の用途で動作や操作がハッキリと区別されているからだ。コピー機として使う場合は本体のボタン操作のみ、マルチプレーヤーではAV機器のような赤外線リモコン、パソコンに接続すれば単なる外部ストレージデバイスに徹する。それぞれの独立性が高く、シンプルにまとめられているので、用途によってまったく別の機械を扱っているような印象なのである。


システムセットアップ画面。日本やアメリカで標準のNTSC方式に加え、ヨーロッパ、アフリカ、中国などで採用されているPAL方式のテレビモニターも使用可能 英語、中国語、日本語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語の8カ国語に対応。スクリーンセーバーも搭載している

 DISPY2はテレビモニターやパソコンの横に並べておくだけでなく、モバイルにも対応している。オプションのリチウムイオンバッテリーで約2時間動作するのだ。バッテリーユニットを含めると本体重量は700gを超えるので気軽に持ち歩くというわけにはいかないが、これ1台あれば出先でメモリカードの空きがなくなったときなど、街角のコンビニや文具店でCD-Rを購入し、データを流し込んでしまえるのだ。もちろんTVout機能を活かし、外出先でのプレゼンテーションなどに利用しても良いだろう。

 製品にはACアダプタと赤外線リモコンのほか、AV機器接続用ケーブルと1.5mのUSBケーブルが同梱されている。ソフトウェア関係ではWindows用ライティングソフト「Nero Express 5.5」、Macintosh用ライティングソフト「Toast 5 Lite」、それにUSBマスストレージに対応していないWindows 98 SEのためのドライバCD-ROMが付属。専用のリチウムイオンバッテリーは別売オプション品で、通販価格4,980円となっている。


オプションのリチウムイオンバッテリー。本体左横のフタを開けて収納する。フル充電で2時間の連続使用が可能だ Windows用ライティングソフト「Nero Express 5.5」、Macintosh用ライティングソフト「Toast 5 Lite」、Windows 98 SE用ドライバCD-ROMが付属する

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.green-house.co.jp/products/storage/dispy2/dispy2_top.html
  グリーンハウス
  http://www.green-house.co.jp/


(斉藤成樹)
2005/06/08 11:18
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