最近、多種多様なソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)が続々と登場している。例えば、特定の製品やメーカーのファンや、特定の地域住人だけを対象にするというように、ユーザーを限定した小規模なSNSが増加している。
そんなSNS界の中で、最大のユーザー数を誇るのが「mixi」だ。「mixi」は300万人以上のユーザー(2006年3月時)が利用している国内最大のSNSだ。筆者も、ファミレスや居酒屋で見ず知らずの人達がmixiについて熱く語っている姿を何度も目撃したり、テレビ番組でもmixiという言葉を聞くようになってきた。一般社会にも広く認知されつつあるネットサービスと言ってよいだろう。
そこで今回は、mixiを紹介しながら、SNSでどのようなことができるのかをお伝えしていきたい!
■ 思いがけない再会も。ソーシャルネットワークサービス「mixi」
mixiを始めるにはひとつの壁を乗り越える必要がある。mixiは招待制となっており、mixiユーザーから招待メールを受け取らなければ参加できない。まずは、友人や知人にmixiの話題を振って、mixiユーザーを見つけ、招待してもらうことから始まるのだ。
壁の高さは人それぞれだが、Broadband Watchをチェックしている読者の方なら、おそらく周囲にmixiユーザーの一人や二人や十人くらいはいるのではないだろうか。300万人以上が参加しているというユーザーの多さに期待したいところだ。なお、mixiの規約上、18歳未満の方は利用できない。
招待メールを入手できたら、アカウントを取得してプロフィールの登録から始める。自分がどのような人物なのかをアピールできるところだ。mixiにはユーザー検索機能が備わっており、名前や年齢、自己紹介の内容からユーザーを絞り込むことができる。本名を登録しておけば、ご無沙汰していた友人や知人とコンタクトが取れる可能性は高くなる。
また、同級生と出会いたいという場合は、年齢を公開して自己紹介欄に出身校を記述、ニックネームをあだ名のような“わかる人ならわかる”ものにしておけば、本名を登録していなくても見つけ出してくれるかもしれない。
ここで迷うのが、リアルな個人情報をどの程度公開するのかという点だ。この度合いによってmixi内で出会える人物は変わってくるだろう。
ちなみに、プロフィールでは、名前、ニックネーム、現住所、性別、誕生日、趣味、自己紹介は必須項目になっているが、いくつかの項目は自分で公開範囲をコントロールできる。“mixiユーザー全てに公開、友人だけに公開、友人の友人まで公開”という具合だ。生年月日は非公開設定も可能となっている。
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プロフィールの変更画面。公開設定はいつでも変更できる
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細かい条件設定が可能なユーザー検索機能
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プロフィールの登録が済めば、めでたくmixiの一員に! mixiの魅力は友人や知人との繋がりをさらに深めたり、新しい人間関係を構築できることだ。まずは、検索機能を使って友人や知人を探してみる。名前や出身地、年齢、出身校などを入力して検索。そう簡単に見つかるものではないが、検索中のワクワク感や、発見した時の喜びは相当なもの。見事に見つけることができたら、「メッセージ」機能でコンタクトを取ろう。メッセージ機能はmixi内だけで使えるメールという感じだ。
メッセージのやり取りで友人や知人であることを確認できたら、「マイミクシィ」への追加リクエストを送信する。マイミクシィとは直接の友人や知人という意味で、マイミクシィ同士になると、自分や相手のトップページにマイミクシィの写真や名前、そして後に解説する「日記」などの更新状況が表示されるようになる。こうして、互いの状況を身近に感じられるようになり、繋がりを深められるというわけだ。
検索では友人や知人が見つからないという場合は、mixiへ招待してくれたユーザーに、直接の友人や知人がmixiに参加していないか聞いてみるのも良い。また、周りの非ユーザーに招待メールを送信してmixiに招待することで、マイミクシィを増やすこともできる。
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自分のトップページを2列表示にしてみた画面
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こちらは3列表示。天気予報やwebマガジン「mikly」など、表示される情報量が増える
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先ほどのメッセージ機能は1対1の交流しかできないが、「日記」を書く事で、全mixiユーザーに自分の趣味や嗜好、近況を発信できる。日記にはコメントを書き込めるようになっていて、コメントのやり取りから交流が深まっていくのだ。友達だけに向けた日記を書きたいという人もいると思うが、プロフィールと同じように公開範囲をコントロールできるので安心していただきたい。
mixiユーザー同士が趣味や嗜好について深く語り合える「コミュニティ」も面白い。mixi内には、芸能人やスポーツ、音楽、ゲーム、料理などなど、細かくカテゴライズされた様々なコミュニティが存在している。コミュニティは、所属することで初めて投稿できるようになる。ひらたく言えばテーマを持たせた登録制BBSだ。もちろん、自分でコミュニティを設置できる。筆者の余談ではあるが、出身校のコミュニティに所属することで数年連絡を取っていなかった数人の同級生と直接出会うことができ、その後もmixiを介した交流が続いている。交友関係の再構築も可能というわけだ。
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1つの日記には最大3枚の画像を掲載できる
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参加者数28万人を超えるmixi最大のコミュニティ
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ここまでに解説してきたのは、mixiだけではなくSNSの基本とも言える機能である。ユーザー数やインターフェース、招待制の有無といった差はあるものの、多くのSNSでは以上の機能を備えている。とはいうものの、長期間連絡を取っていない友人や知人との思いがけない出会いや、コミュニティで活発な交流をしたいというのであれば、ユーザー数が多く知名度の高いmixiを使うのがオススメだ。特定の身内だけで使いたいという場合は、様々なSNSを試してみるのも良いだろう。
mixiには、閲覧者を記録する「足あと」機能、マイミクシィの誕生日やコミュニティのイベントに加えて個人的な予定や天気予報を表示できる「カレンダー」機能、本やDVDなどの感想を公開できる「レビュー」機能、そして時事ニュースの配信など、ポータルサイトとしても利用できるほど様々な機能を備えている。また、「mixiモバイル」機能により、携帯電話のi-mode、ezweb、Vodafone live!からmixiを利用できる。日記では携帯電話で撮影した写真を公開することも可能だ。ただし、招待メールからのアカウント登録作業には対応していないので気を付けていただきたい。
さらに、容量1GBのフォトアルバム機能や、「mixiモバイル」でのメッセージ送受信、日記でHTMLタグが使えるようになる他、日記の容量が最大100MBから300MBへ、保存期間60日間のメッセージも無期限保存となる「mixiプレミアム」サービスを月額315円で提供している。まずは無料サービスで利用し、mixiにハマったときに「mixiプレミアム」へ移行するのも良いだろう。それでは最後に、このほど機能拡張が実施された「mixiミュージック」機能を紹介していこう。
■ 再生中の楽曲情報を公開! 音楽で交流を深める「mixiミュージック」
“音楽の好きなジャンルやアーティストが同じことがわかり、それをきっかけに交流が深まった”なんて記憶はないだろうか? これをmixi内でも再現しようというのが「mixiミュージック」機能だ。「mixiミュージック」では、iTunesやWindows Media Playerで再生した楽曲を、自分のミュージックページで公開できる。
使い方はいたって簡単。まずは、mixiが提供している「mixi station」というソフトをインストールする。このソフトは、iTunesやWindows Media Playerを監視し、再生している楽曲のタイトルやアーティスト名を自分のミュージックページへ約5分間隔で送信するというものだ。
ミージックページでは、「mixi station」のデータを元に作られたプレイリストが公開される。さらに、アーティスト別、楽曲別に再生回数でランキング化されたリストも表示。自分が好んで聴いている楽曲をmixiユーザーへ手軽に伝えられるのだ。もちろん、プレイリストやランキングに対してコメントも付けられる。
また、「mixiミュージック」ではアーティストや楽曲ごとに専用ページを用意している。アーティストのページでは、そのアーティストの楽曲再生ランキング、再生回数が多いユーザートップ50に加えて、ユーザーが自由に編集できるアーティスト情報や関連コミュニティの一覧が表示される。
楽曲のページでは、この楽曲を“誰がいつ聴いたのか”ということも確認可能だ。自分とほぼ同時刻に聴いていたメンバーを見つけると、ちょっとばかり気分が高揚してくる。筆者だけかもしれないが、その楽曲がマイナーであればあるほど「是非お友達になりたい!」と強く感じるところ。交流が始まるきっかけになりやすい音楽を取り入れてくれたのは素直に嬉しい。mixiにこれから参加、または既に参加している方も、ぜひ一度試してみて欲しい機能である。
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楽曲長の約7割が再生されると「mixi station」の送信履歴リストに追加される
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こちらは自分のミュージックページ。アーティストごとに非表示にすることも可能
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アーティストごとに用意された専用ページだ。「iTunes」アイコンをクリックすると「MusicStore」の関連ファイルにアクセスできる
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こちらは楽曲専用ページ。自分が聴いている楽曲のページを開き、「最近この曲を聴いた人」を見るのが筆者の楽しみとなっている
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■ URL
mixi
http://mixi.jp/
2006/07/13 14:23
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西野滋仁 オンラインゲームで真っ直ぐに敷かれた人生のレールから飛び出し、5年の歳月を個人サイトの運営につぎ込み、インターネットこそ我が人生と言い切る弱冠26歳。現在、ソーシャルネットワークサービスで人間関係の再構築に奮闘中。 |
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