マイクロソフトは6日、「Xbox 360 メディアブリーフィング」を開催した。4月1日からXbox事業本部長に就任した泉水敬氏が登壇し、Xbox 360の取り組みや発売予定のタイトルなどを紹介した。
■ 2006年がXbox 360成功の足がかりになる年
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Xbox事業本部長の泉水敬氏
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泉水氏は、「Xboxでゲーム市場に参入して以来、日本市場で必ず成功すると一貫して申し上げてきたが、今年こそがまさにその成功の足がかりになる年だと考えている」とコメント。「Xbox 360は現時点で唯一の次世代ゲーム機であり、何年もの間最高のゲーム機であり続けられる」と自信を示すとともに、「性能をフルに引き出しやすく、高品質の次世代ゲームも作りやすい」との特徴を語った。
Xbox 360でゲームや動画コンテンツなどをダウンロード配信する「Xbox Live マーケットプレース」は、Xbox 360が発売された2005年12月10日以降で52万件のダウンロードを記録しており、利用率は95%に達するという。現在のところマーケットプレースでは世界共通のコンテンツを中心に配信しているが、泉水氏は「日本向けのコンテンツ配信も強化していく」と述べ、日本におけるコンテンツ配信戦略を説明した。
動画コンテンツでは、タツノコプロダクションの40周年を記念したアニメーション作品「鴉-KARAS-」第1話のオープニング映像をマーケットプレースで無料配信。日本発のエンターテインメント系高画質コンテンツとしては第1弾の取り組みで、今後も日本発のコンテンツを拡充していく方針という。
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Xbox Live マーケットプレースは52万ダウンロードを超え、ユーザーの95%が利用しているという
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タツノコプロ40周年記念作品「鴉-KARAS-」のオープニングを無料配信
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■ パックマンやギャラガを配信。オンライン対応タイトルも注力
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Xbox Live アーケードに国内メーカーが参入
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バンダイナムコゲームスの代表取締役副社長兼コンテンツ制作本部長を務める鵜之澤伸氏
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カジュアルゲームを中心にダウンロード配信する「Xbox Live アーケード」では、SNKプレイモア、コナミ、ハドソン、バンダイナムコゲームス、ディースリー・パブリッシャー、ユークスが参入を表明。この中からバンダイナムコゲームスで代表取締役副社長兼コンテンツ制作本部長の鵜之澤伸氏が同社の取り組みを説明した。
バンダイナムコではXbox Live アーケード向けに「パックマン」「ギャラガ」の2タイトルを提供。どちらもオンラインでのランキング表示機能を備え、プレイの履歴で相手の実力が把握できる機能も備える。鵜之澤氏は「単なる移植ではなく、Xbox Live アーケードならではのオンライン機能も取り入れた」と説明、「すでに50万ダウンロードも利用されており、ここでお金を稼ぐこともできそう。Xbox Live アーケード専用のタイトルを提供するという考えもあるのでは」と語った。
オンライン対応のXbox 360用ゲームソフトも発売を予定。4月6日から放送を開始するテレビアニメ「ゼーガペイン」と連動したアクションシューティング「ゼーガペイン XOR」を2006年夏に、FPS「機動戦士ガンダム(仮)」を発売する。両タイトルともXbox 360専用で、オンライン対戦にも対応。ゼーガペインはHD映像コンテンツやゲーム版コミックのXbox 360向け配信も予定されている。
鵜之澤氏はゼーガペイン XORについて「単なるアニメを題材にしたゲームではなく、最初からゲームとアニメを一緒に作ろうと考えていた。オンライン、ハイビジョン、ダウンロードといった次世代ゲーム機ならではの特徴を活用した本当の意味でのコラボレーション」と説明。「アニメもゲームもダウンロード映像でプロモーションできる点はまさに次世代。バンダイナムコグループとしても期待している」と語った。
機動戦士ガンダム(仮)は、「日本人には非常にわかりやすいロボットが登場するFPS。説明しなくてもどんなゲームかわかるのでは」とコメント。ボイスチャットにも対応したオンラインプレイを特徴としたほか、ボードゲーム「カルドセプト」もオンラインに対応したXbox 360版「カルドセプト サーガ」として発売する予定を明らかにした。
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「パックマン」「ギャラガ」をXbox Live アーケードで配信。時期など詳細は未定
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アニメと連動した「ゼーガペイン XOR」
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FPS「機動戦士ガンダム(仮)」スクリーンショット
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■ トライエースやスクウェア・エニックスなどが新作を開発中
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ミストウォーカー代表の坂口博信氏
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会場では今後Xbox 360で発売予定のゲームタイトルも紹介。ミストウォーカー代表の坂口博信氏は、井上雄彦氏がキャラクターをデザインしたRPG「ロストオデッセイ」の体験版を夏か秋に提供し、製品を2007年に発売するとしたほか、鳥山明氏のキャラクターデザインによる「ブルードラゴン」を2006年末に発売するとのスケジュールを発表した。
トライエースはタイトル未定のRPGを開発中とコメント。「スターオーシャンやバルキリープロファイルなどを見てもらえばわかるが、設立以降リアルタイムにこだわってきた」と語ったトライエース代表取締役の五反田義治氏は「詳細はまだ明らかにできないが、今回もリアルタイムの中での発見を表現している」と説明した。
スクウェア・エニックスはゲームアーツと共同でコードネーム「プロジェクトシルフ」というシューティングを開発中。「シルフィード」で知られるゲームアーツのシューティング制作能力に、スクウェア・エニックスならではのドラマ性がゲームに反映されているという。
泉水氏は最後に4月20日に発売のアクションゲーム「NINETY-NINE NIGHTS」を紹介。「マイクロソフトは日本を含めた全世界でXbox 360を成功させるために努力を惜しまない。海外と同じような成功を日本市場で実現することが目標」との決意を示した。
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トライエース代表取締役の五反田義治氏
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スクウェア・エニックスでエグゼグティブプロデューサーを務める齊藤陽介氏(左)とゲームアーツ執行役員の上坂哲氏(右)
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■ URL
ニュースリリース(「鴉-KARAS-」配信)
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20060406-2.htm
Xbox公式サイト
http://www.xbox.com/ja-jp/default.htm
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(甲斐祐樹)
2006/04/06 17:11
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