Broadband Watch logo
最新ニュース
【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ボーダフォンがソフトバンクモバイルに。ブランドもソフトバンクに統一

ソフトバンクの孫正義代表取締役社長
 ソフトバンクは18日、4月に買収を完了したボーダフォンの新ブランド名を発表した。10月1日より社名を「ソフトバンクモバイル」に変更するほか、ブランド名称も「ソフトバンク」とする。

 ブランド変更に伴い、全国1,856店舗のボーダフォンショップやサービスの名称・デザインは、10月1日に向けて順次切り替えを実施。コーポレートロゴもソフトバンクグループが展開している黄色2本線のデザインへ全面移行する。

 また、ソフトバンクでは英Vodafoneとの合弁会社設立に関する提携にも合意。ボーダフォンの持つ顧客基盤と、ソフトバンクグループのIP技術やノウハウを組み合わせることで、携帯電話端末の開発や調達、コンテンツサービスなどさまざまな面でシナジーが得られるとしている。

 合弁会社の資本金は最大110億円で、ソフトバンクグループとVodafoneグループが50%ずつ出資する。取締役は両社から4名ずつを派遣する予定。


端末やコンテンツの共同調達でスケールメリットを活かす

会見に出席した英Vodafoneグループ ヨーロッパCEOのビル・モロー氏(左)、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏(中央)、英VodafoneグループCEOのアルン・サリーン氏
 ボーダフォンの社名変更および合弁会社設立に際して開催された記者会見には、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏、英VodafoneグループCEOのアルン・サリーン氏、英Vodafoneグループ ヨーロッパCEOのビル・モロー氏が出席。合弁会社設立の趣旨や新ブランド名について説明を行なった。

 孫氏は今回の合弁会社設立について「端末の共同開発・調達」「新モバイルポータル・基盤ソフトウェアの共同開発」「コンテンツの共同開発」が目的であると説明。「世界最大級の携帯事業会社と世界最先端のインターネットグループによる最強の事業提携だ」と自信を示した。

 端末の共同開発に関しては「これまでのグローバル仕様の端末では、ユーザーの意図を汲み取れていないものも多かったが、今年に入って良い端末が出ており、今後は日本のユーザーに適した端末を提供していく」とした上で、「国の文化に関係なく求められる最先端の技術や機能もある」と指摘。「操作性やユーザーインターフェイスなどは国ごと適したものが必要だが、機能や技術に関しては世界的に展開することでスケールメリットもある」と説明し、「すべての端末ではないが、戦略的な端末に関しては共同で調達・開発していく」との考えを示した。

 プラットフォームに関しては「これまで携帯電話は音声中心だったが、これからはさまざまなデジタルコンテンツの流通が重要になる」との重要性を語り、「収益だけでなく競合との差別化としても重要になる」とコメント。また、そのプラットフォーム上で配信するコンテンツも「ワンセグだけでなく、オンデマンド型のコンテンツなどが携帯電話で見られる時代。また、スポーツもグローバル化が進んでおり、共同で携帯電話向けに仕入れられる機会も増えてくる」とし、「コンテンツの調達にも力を入れていく」とした。


戦略提携の目的 インターネットグループのソフトバンクと携帯事業会社のボーダフォンで「最強の事業提携」を目指す

ソフトバンクブランドは本業として長く携わるという意志

パートナーシップでWin-Winの関係を構築
 新ブランド名は「2,000近い候補から、極秘の顧客アンケートも踏まえて絞り込んだ結果、最後に残ったのはソフトバンクだった」とし、「グループの相乗効果を発揮し、携帯電話事業に長く本業として携わるという意志を示している」と説明。「ソフトバンクの認知度が高まっている点も理由の1つとした。

 なお、一部で報道されたアップルとの端末共同開発に関しては「さまざまな端末の開発を進めているが、先日の報道は完全な憶測記事」と否定。「そのような憶測記事にはコメントしないというポリシーを持っている」と付け加えた上で、「国内・海外を問わず端末の調達は進めていきたい」とした。

 英VodafoneグループCEOのアルン・サリーン氏は、「インターネットや固定通信、ブロードバンドでリーディングカンパニーであるソフトバンクとの提携は、顧客にも社員にも株主にもプラスになる」とコメント。「日本は非常に革新的な市場であり、このような革新を今後も進めていきたい」とし、「合弁会社の事業は今後ユーザーにとって興味深く新しい、低価格の路線が実現できる」との意気込みを示した。Vodafoneグループ ヨーロッパCEOのビル・モロー氏は合弁会社事業に関し「日本の革新力をヨーロッパでも展開していきたい」とした。

 合弁会社の体制に関しては孫氏が「1年目はモロー氏がCEO、私がチェアマンを務め、次の年は交代にしようか、という話を進めている」とし、「両グループの信頼関係が経営陣の間で構築されている」という点を強調。開発を進めるコンテンツ流通プラットフォームは「まったく新しい先端的な分野であり、マーケットも技術的な強みも異なる両社がWin-Winになる関係が築ける」とした。


ボーダフォンの新たなロゴはソフトバンクと共通に 5月27日に発売するワンセグ対応の「905SH」も披露

関連情報

URL
  ニュースリリース(ボーダフォン株式会社の商号変更について)
  http://www.softbank.co.jp/news/release/2006/060518_0002.html
  ニュースリリース(ボーダフォンとの合弁会社の設立について)
  http://www.softbank.co.jp/news/release/2006/060518_0001.html
  ボーダフォン
  http://www.vodafone.jp/

関連記事
ソフトバンクが創業来最大の利益。今後はコンテンツ強化に注力
ボーダフォン新社長に孫正義氏が就任
ソフトバンクグループ、ボーダフォン買収で1.7GHz帯を総務省へ返納
ソフトバンク、ボーダフォン買収で「世界のモバイルポータルを目指す」
ソフトバンクがボーダフォンを買収、買収額は1兆7,500億円


(甲斐祐樹)
2006/05/18 13:23
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.