ヤフーが運営するYahoo! JAPANは、Q&Aサービス「Yahoo!知恵袋」の質問総数が11月17日に1,000万件を突破したと発表した。
■ 1,000万件は「競合をすべて集めても及ばない数字」
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Yahoo!知恵袋
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Yahoo!知恵袋は、ユーザー同士がQ&A形式で情報交換できるサービス。2004年4月にベータサービスとしてスタートし、2005年11月には正式サービスへ移行。現在は1日あたりの質問数が約1万件、1日あたりの回答数も約2万5,000件に達し、回答の総数も3,000万件を突破している。
Yahoo!知恵袋を担当する検索事業部 企画部サービス企画2リーダーの岡本真氏は、「1,000万件という数字は、競合サイトをすべて集めても及ばないほどの数字だろう」と自信を示しつつ、「フリーのテキストで質問するという場としてYahoo!知恵袋は十分に根付いてきたのではないか」とコメント。「これまでWeb検索が中心だった情報収集も、最近ではユーザーがWikipediaを参考にするなど、調べ方に広がりが出てきている」との考えを示した。
一方で、「ブログやSNSに比べると認知度の面などはまだまだ弱いのではないか」という考えから、単に情報を得る場としてだけではなく、コミュニティサービスとしての強みも打ち出していく。その1つがYahoo!知恵袋上で行なわれている企業との連携企画。R25やザ・テレビジョンの編集部などがYahoo!知恵袋上で出題し、得られた回答を自社の企画や誌面で反映していく。
岡本氏は「企業のオフィシャルブログというものが盛んだが、Yahoo!知恵袋もそれに似た形」とした上で、「統計データとして正確ではないが、情報感度の高いユーザーから意見を集められるという点では価値がある」と説明。この提携による直接の収益は発生しないが、質問者にとっては情報収集だけでなく集客力も見込めるほか、Yahoo!知恵袋としても質問の幅が広がり、多様な楽しみ方や使い方ができるようになるとのメリットがあるという。
最近では乳がんに関する啓蒙キャンペーン「ピンクリボン」に関する特集もYahoo!知恵袋上で実施。「重いテーマにも関わらず真剣な回答が寄せられた」と語った岡本氏は「Yahoo!知恵袋も単に答えを得る場としてではなく、答えを考えるというプロセスを通じて世の中にメッセージを伝えるという使われ方も出てきている」と語った。
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企業と連携したYahoo!知恵袋の特集企画
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正式サービス後最も回答数が多かったというザ・テレビジョンの「みんなのうた」に関する質問
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■ Yahoo!知恵袋に蓄積されたデータを外部で活用
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検索事業部 企画部サービス企画2リーダーの岡本真氏(右)と技術担当の禹ナリ氏
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蓄積されたYahoo!知恵袋のデータを外部で利用するという試みも行なわれており、すでにYahoo! JAPAN上では、Yahoo!知恵袋のRSSを利用した機能がいくつかのコンテンツで導入。スキー特集であれば「スキー」、動画コンテンツでは動画のタイトルに関連するYahoo!知恵袋の質問をページ上で表示でき、そこからYahoo!知恵袋への誘導が図られている。
岡本氏は「オフシーズンになると情報が手に入りにくいスポーツも多く、公式情報や報道などでは得られないクチコミ情報としても非常に重要」と説明。こうしたRSS経由でYahoo!知恵袋に訪れるユーザーも多く、「実際にはスポーツや動画などの各コンテンツを利用する感覚でYahoo!知恵袋を使ってもらえているようだ」との感触を示した。
ビジネス面ではテレビバンクの動画アプリケーション「BBbroadstream」のヘルプページ、ケンコーコムの商品問い合わせとしてYahoo!知恵袋を活用する事例も存在。「企業にとってはネガティブ情報を書かれるというリスクもあるが、最終的には商品に対してプラスの情報もマイナスの情報も扱っていることがアピールできる」とした岡本氏は、「疑問をYahoo!知恵袋に集約し、RSSを使って外部でも自由に利用いただくことで、質問を効率的に解決できるお手伝いができれば」と語った。
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スキー情報との連動
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動画配信「Yahoo!動画」の作品情報とも連動
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■ URL
Yahoo!知恵袋
http://chiebukuro.yahoo.co.jp/
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(甲斐祐樹)
2006/11/20 15:05
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