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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
「music tap」発表会、PLCの採用で「蛇口の感覚で音楽があふれ出す」

 パイオニアは28日、同日に発表したPLC技術採用のスピーカーシステム「music tap」に関する発表会を開催した。発表会ではmusic tapの製品コンセプト紹介やデモンストレーションなどが行なわれた。


コンセントを通じて「蛇口をひねる感覚で音楽があふれ出す」

music tap
 music tapは、ベースステーション、ネットワークスピーカーL、ネットワークスピーカーSの3つから構成される製品。ベースステーションに接続した家庭内のコンポやPC、ポータブルオーディオプレーヤーなどの楽曲を、コンセントを介してネットワークスピーカーで再生できる。オープンプライスで、店頭想定は68,000円。

 ホームエンタテインメントビジネスグループ 事業企画部 AV企画部 システム企画課の一樂淳史氏は、music tapのコンセプトとして「音楽が空間の見えないインテリアになる」というフレーズを紹介。商品名の「tap」は蛇口を差しており、「ご家庭で蛇口をひねると水が出るような感覚で、コンセントから音楽があふれ出すという新しいライフスタイル」と説明した。

 music tapの利用ターゲットは、家庭の中で音楽をじっくり聴くのではなく、「ながら聴き」が中心である人々で、特に主要都市に住む20代後半から30代のDINKS(共働きで子供のいない夫婦)の女性をコアターゲットに設定。一樂氏は「この世代はライフスタイルのイメージと経済力を持っており、そうした層に対して新たなライフスタイルを提案していく」とした。

 製品発表に先立って行なわれたグループインタビュー調査では、電源を差すだけで利用でき、自動的に電源がオンオフしたり音楽が鳴ったりするという「シンプル」、電源ケーブルがスピーカーケーブル代わりになり、PCの音源をそのまま再生できる「合理性」、家事をしながら音楽を楽しめる「ナチュラル」の3点が高く評価されたという。また、「iPodの音楽も楽しみたい」という要望が多かったことから、iPodの楽曲をmusic tapで再生できる別売オプション「IDK-01」も同時に発売することになったという経緯を明らかにした。

 デザインもこだわりの1つで、「女性の視点に立った発想」という観点からAV機器らしくない、シンプルながらも存在感があり、住環境に調和することをテーマとしたデザインを採用。ベースステーションはお皿、スピーカーLは花瓶、スピーカーLはカップと、家庭内の生活道具をモチーフにしており、2006年度のグッドデザイン賞ではベスト15作品に送られる金賞を受賞したとした。


商品の概念。コンセントを通じて別の部屋で音楽を再生できる コアターゲットは20台後半~30台DINKS女性

「シンプル」「合理性」「ナチュラル」の3点が高評価 デザインモチーフは「日常の中にある生活道具」

「確実に音楽を届けたい」との考えから無線LANではなくPLCを採用

music tapのデモを行なう一樂淳史氏
 発表会場では、music tapの機能デモンストレーションも行なわれた。スピーカーLはベースステーション前面のUSB端子に接続したメモリ内の楽曲をリモコンで操作できる機能が搭載されており、離れた部屋からも楽曲の頭出しや早送り、早戻しといった操作が可能。また、スピーカーSには人が近づくと電源が入って音が鳴るモーションセンサーを搭載しており、「玄関やトイレなどに設置することで、今まで音楽のなかった隙間でも音楽を楽しめるようになる」(一樂氏)。

 スピーカーはS、Lがそれぞれ1台ずつ同梱するが、オプションスピーカーは4台まで増設でき、合計で6台までスピーカーを設置できる。ただし、同時に再生できる音源は2つまで。また、1台が遠隔操作を行なうと、同じ音源を再生している他の機器も操作の影響を受けることになる。

 製品の販売は約50店舗の主要量販店を通じて行なっていく予定。一樂氏は「ぱっとみてどんな商品かわかりにくいため、しっかりした展示ツールや製品説明ビデオを使って訴求していきたい」と語り、「個性が強い商品なので、まずは小さい範囲で大きく育てたい」との考えを示した。

 無線LANではなくPLCを採用した理由は、「住宅の環境によっては無線LANでは音が届かないケースもあり、まずは確実に音楽を届けたいと考えた」(一樂氏)。PLCの搭載により無線LANなどと比べてコストはやや高くなるが、その分「コンセントにつなぐだけ」というわかりやすいというメリットがあるという。

 今回は家庭内のLANネットワークとは異なるmusic tap独自のネットワークを構築しているが、家庭内LANネットワークと接続し、DLNAに対応するといったことも技術的には可能だという。また、他社がmusic tap対応製品を開発する際も「特別な技術を使っているわけではなく、PLCに準拠すれば他社も同じ設計が可能だろう」とした。


music tapの利用イメージ ベースステーション前面

ベースステーション上部には操作ボタン ベースステーション背面

ネットワークスピーカーLの操作部 ネットワークスピーカーSの操作部

music tapの移動デモ。コンセントにつなげば場所を問わずすぐに利用できる ネットワークスピーカーLの付属リモコン(右)。iPod用ドック「IDK-01」は異なるリモコンが付属する(左)

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://pioneer.jp/press/release568-j.html

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(甲斐祐樹)
2007/02/28 17:02
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